いい湯だな
冒険者ギルドを後にしたヘルガは仕事の疲れと汚れを落とす為、公衆浴場へと来ていた。
公衆浴場に入ると、ヘルガはロビーにある鍵の掛かる有料ロッカーへと赴き、Mk18とM203。それに右腿に取り付けられたホルスターに収まるサイドアーム……GLOCK20とバックパックに括り付けていたM72A6と呼ばれる使い捨て式ロケットランチャー。
そして、報酬として受け取った小切手を収め、キチンと施錠した。
そうして少しだけ身軽になれば、受付に向かい、入浴費を払って脱衣所へと歩みを進めた。
脱衣所の空いてるロッカーの前に立ったヘルガは暗視ゴーグル付きのヘルメットを脱ぎ、ロッカーへ入れた後にチェストリグとガンベルトを除装して収めれば、身に纏う黒の戦闘服上下を脱いでいく。
戦闘服上下を脱いで下着姿になり、ロッカーに戦闘服を突っ込んだヘルガは下着上下と靴下を脱いで、肢体を露わとする。
ヘルガの肉体は靭やかで筋肉質で戦闘に適したモノであるが、それでも女としての魅力は母親譲りと言うべきか?高かった。
そんな肢体を惜しげも無く晒しながら脱いだばかりの下着類をロッカーに突っ込むと、背囊にある入浴用のタオルと石鹸を手に取り、大浴場へと向かった。
大浴場に備え付けの桶に湯を汲んで頭から浴び、気持ちよく湿らせていく。
それから石鹸で泡立てたタオルで身体を入念に洗い、湯で洗い流せば、今度は銀色の長い頭を洗い始める。
ゴシゴシと入念に洗い、湯で泡を押し流して身体を綺麗にし終えると、ヘルガは広々とした湯船に浸かる。
「ハァぁぁ……生き返るわぁ……」
湯の心地良さと共にオッサンの様な事を口走ると、ヘルガは身体に溜まった仕事の疲れを癒しながらも願望を漏らしてしまう。
「あのクソ厄介な厄ネタ仕事。出来る事なら初心者向けの初級ダンジョンで済めば良いなぁ……」
己の望む願望を漏らすヘルガであったが、ソレが適う可能性はとても低い事を察するが故に「無理だろうなぁ」と、ゲンナリしながらボヤいてしまう。
だが、請け負わざる得ない仕事である以上はプロとして考える。
王族つうか王女の遊行。
城という常に厳戒態勢で警備されてる要塞から出ると言う、邪なるクソ共にすれば千載一遇のチャンスと言える。
だから、城の内外に関わらず王女と言う最高位のVIPを狙おうとするバカが必ず出ると考えるべきだけど……
「割とガチで面倒臭いわね。消すより、生きてる方が価値があるだろう点も相まって」
国王の実の娘と言う最高レベルの重要人物。
そんな存在であるが故に、王女を狙おうとする王国の内外に関わらず、敵対的勢力が暗殺。
または誘拐を狙う可能性が非常に高かった。
態々、政治的にも王位継承的にも低い位置に立つ王女の暗殺を選択するとして、得する奴は身近なのなら王位継承絡みかしら?
詳しい事情を知ってれば、そこら辺を読み取れるんだろうけど、生憎と私はそう言うのに関わりたくないから知らない。
なので、今考えるべきは誘拐対策ね……
暗殺の可能性を考慮しながらも、誘拐の可能性が高いと判断したヘルガは更に思考を巡らせていく。
誘拐。
国王含む王国の大物とバッチバチに邪なるクソ共にすれば、王女はとても強い交渉カードになる。
だから、可能性として誘拐の方が暗殺より起きる可能性が高いと見るべきだけど……
コレもコレで国王含む王国サイドの政治絡みの事情を詳しく知らないから、何とも言えない。
「まぁ、そこら辺は"アイツ"が来て、教えてくれるだろうから今は深く考える必要無いわね」
そう漏らすと、ヘルガは其処で考えるのを辞めた。
今、頭を悩ませて考えた所で良い事が無い。
そんな簡単な理由で考えるのを辞めると、ヘルガは気持ち良さそうに湯に浸かり続ける。
暫く浸かり続けたヘルガは浴槽から出ると、大浴場を後にした。
その後。公衆浴場備え付けのバスタオルで全身の雫を拭い落とせば、バックパックに収まる綺麗な下着類を取り、纏っていく。
最後に予備の戦闘服を身に纏って新鮮な気持ちになれば、チェストリグとヘルメットをバックパックに収めて更衣室を後にする。
そして、銃器類を預けていたロッカーで預けていた品々を回収して大浴場から去れば、仕事と風呂後の一杯の為に酒場へと足を運ぶのであった。




