二十二話 初めての依頼報告
「ぐぬぬぬぬ・・・」
「あ、あの・・・大丈夫ですか?」
「ぐぬぬぬぬぬぬぬ・・・だ、大丈夫じゃないです・・・」
影秋は今ギルドに来ていた。そして困っていた。
「おりゃ!」
影秋はカバンをひっくり返す。
「なんで出てこないん・・・」
カバンに入ってるはずの、依頼達成証明書とか諸々の出し方がわからなかったのだ。
「出し方わからねええええええええええええええ」
魔法を用いた空間の拡張、物の収納取り出したい物を念じながら手を入れれば物が出てくるという便利仕様なのだが影秋には知ったこっちゃ無いのだ。
ギルドの受付まで行き、カバンを覗いて何も入ってないことに気付く影秋は焦っていた。
「なんで、何も入ってないんだ?何これ手品?いやいや、どうすんだよ・・・」
「あ、あの・・・そちらのカバンは魔法をもちいて空間を拡張するものではないでしょうか?」
「え、そ、そうっすよ。・・・たぶん」
「た、たぶん、ですか・・・魔法を用いたカバンは、取り出したいものを念じながら手を入れれば出てくると思いますよ?」
受付が助け舟を出す。
「え”まじっすか!?」
そう言い、念じながらカバンに手を入れる。
「依頼達成証明書、依頼達成証明書、依頼達成証明書」
口に出ていた。
「お!出てきた!!やったあ!!!」
影秋は手に持つ依頼達成証明書を見てオーバーリアクションで喜ぶ。
「(か、かわいい・・・)そ、そちらが、今回の依頼の達成証明書ですね?拝見いたします。」
「はい!初めての依頼達成なんですよ!!」
「それはおめでとうございます!!(ニコニコ)」
受付はその影秋の様子を見ながら癒されていた。
だが受付の表情が依頼達成証明書を見て固まった。
(こんな女の子が、ゴブリンの巣を単独で撃破したの・・・?)
依頼達成証明書にはゴブリンの巣討伐依頼達成と書かれていた。
(この依頼は・・・ランクEですか、かなり小規模だったのですね)
それでも、女の子が危険な真似をしたと、そう思い気分が沈む受付。
(この仕事してこんな気持ちになったのははじめてだわ・・・)
実際影秋より小さな女の子も危険な依頼を受けることはあるし、達成しているだが。
(この子は明るすぎる、まぶしいわ。)
そう思ったのであった。
「あ、それとこれ!ゴブリンシャーマンってモンスターが居てそれも倒したので・・・騎士団が討伐証明書を出してくれたんですよ!!」
「あ、はい・・・え!?」
「ん?どうしたんですか?」
「い、いえ。何でもありません失礼しました。」
受付は内心かなりびっくりしていた。
目の前の14~16歳くらいにしか見えない女の子がランクDモンスターを始めての依頼で討伐したと言うのだ。
(これは・・・本物ですね。)
一瞬偽者ではないかとも思ったが証明書は本物だった。
「はい、こちらは確認しました。こちらが報酬です。」
と、影秋は銀貨5枚受け取った。
「あれ?これ多くないですか?」
「いえ、依頼達成証明書によれば、情報に不備があり、明らかに依頼ランク以上の物だったとのことで、増額する事が記載されています。」
「そ、そうなんですか!」
と、ひそかにガッツポーズする影秋。
それをみて受付は微笑んだ。
(こんな可愛い女の子が、シャーマンを撃退したなんて・・・よく考えたらありかもしれないわ!!)
考えが明後日の方向にいく受付であった。
「ギルドランクが今回のDランクモンスター討伐であがります。ギルドカードを提出してください。」
「え、はい。ちょっとまっててくださいね。」
そういって服のポケットをあさり始める影秋。
(便利なカバン持っているのにポケットって・・・か、かわいいわ)
「あれぇ・・・おっかしいな、確かこっちのポケットに・・・」
そういってコートの内ポケットを探る影秋。
(なんて、セクシーな格好しているのこの娘・・・)
受付は自身が女なのにもかかわらずパーカーとニーソックスの間の白い太ももに目を奪われていた。
「あ、あった!はいこれ・・・受付さん?大丈夫ですか?」
「え、あ!し、失礼しました。」
受付は正気に戻りギルドカードを受け取る。
(ランクF、タナカカゲアキ・・・本当に冒険者なのね、にしてもへんな名前。)
「少々お待ちください。カードの更新をいたします。」
「はい!」
元気よく返事をする影秋。
「お待たせいたしました。ランクが上がりEとなりました。これからはランクDまでの依頼を受けることができます。こちらがギルドカードです。」
「はい!ありがとうございます!!」
影秋はギルドカードを受け取る。
そこには
ギルドカード
ランクE
タナカカゲアキ
上記の者を冒険者ギルドが冒険者として認める。
と書いてあった。
(ランクFって書いてあったところを消して上から印刷したみたいな感じだな・・・)
ギルドカードを観察しながら影秋は冒険者ギルドを出た。
さてと・・・初報酬だし、飯でも食いにいくか!!
そう考えながら街に繰り出す影秋であった。




