十七話 経験地0な強者 (残酷な表現有り
残酷な描写があります。
影秋の目の前には、二匹のゴブリンがいた。
「やってやる・・・!!」
「ぐぎゃ!ぎゃっぎゃ!!」
ゴブリンが突然森から現れた影秋を見て騒ぎ出す。
「先手必勝・・・!!」
影秋は駆け出す。
瞬間でゴブリンに近づき拳を突き出す。
ゴブリンは反撃する暇なく吹き飛ばされ絶命した。
「ぎゃ!?」
もう一匹のゴブリンが驚愕した。
「うらぁ!」
影秋は驚愕し硬直しているゴブリンに蹴りを繰り出した。
その蹴りは硬直しているゴブリンを 切り裂いた
血を噴出し倒れ付すゴブリン。
「ぎゃぎゃ」
小屋から顔をだしたゴブリンたち。
三匹のゴブリンがでてきた。
血だらけになった、影秋をみて敵意を露わにした。
「ぎゃう!!」
棍棒をもったゴブリンが三匹、影秋に襲い掛かる!
だが影秋には、避ける。
「なんだ・・・?遅い・・・?」
変化した影秋の身体能力をもってすれば、ゴブリンの攻撃など当たる要素がなかった。
そして影秋が再び蹴りを繰り出す。
「ぎゃ!」
影秋の異常な速さで繰り出された蹴りを、ゴブリンは反応できなかった。
たまたま蹴りの通り道にあった棍棒ごとゴブリンを破壊した。
「ぎゃっぎゃ!」
ゴブリンは恐怖していた。
その気配がわかった影秋。
だが、
「すまんな・・・。俺が生きるために死ね!」
影秋は無表情で、決意は揺らぐことはなかった。
そして影秋は、ゴブリンに近づきパンチする。
その速さにゴブリンは反応できなかった。
吹き飛ぶゴブリン、その瞬間影秋の体は火につつまれた。
「な!あちち」
小屋の中から姿を見せたのはローブをかぶったゴブリン。
ゴブリンシャーマンであった、
力の弱いゴブリンはランクFからEと比較的弱いが、魔力があり魔法をつかうゴブリン、ゴブリンシャーマンだけは別格であった。
元来のゴブリンの力の弱さを魔法で克服したのだ。
それは駆け出し冒険者には脅威である。
そのゴブリンシャーマンのランクはD、駆け出しの冒険者には厳しい相手とされていた。
そもそもゴブリンシャーマンは中規模の巣に現れる稀な固体なはずだったのだ。
「くそ!魔法か!!」
影秋は燃える服を脱ぐ。
買ったばかりのジャケットが燃えていた。
しかし影秋の肌にやけどの後、はまったく見られなかった。
最初魔の森付近でドラゴンのファイヤブレスを受けたときもそうだが、影秋の体は熱を感じるがやけどで傷を負わなかったのだ。
影秋を保護したエンリコが感じた違和感の正体がソレだった。
だが影秋はそれに気付いてない。
「よくもやりやがったな!」
影秋は痛みにより怒りを燃え上がらせ初めて 殺意を抱いた。
「ぎゃぎゃ!」
背後から迫っていたゴブリンに気付かず・・・。
ドカッ!
ゴブリンの手に持っている棍棒が影秋の背中に命中する。
しかし、
「ぎゃぎゃ!」
棍棒が折れていた。
「なんだ?」
影秋は怒りに燃えていた直後、後ろから来た衝撃に目を向ける。
そこには折れた棍棒を手にもち立ち尽くすゴブリンがいた。
「ってめぇ、いつのまに!らぁ!」
影秋はパンチを繰り出し、ゴブリンを吹き飛ばした。
そのとき、魔法を使おうとしているゴブリンシャーマンに気付かずに・・・。
「ぎゃっぎゃぎゃ!!」
飛んできたのは氷の槍。
アイスニードルである、魔法としては殺傷力が高く扱いやすいが魔力を喰うため中級の上に位置する魔法であった。
ゴブリンシャーマンにとって精一杯の、自身で一番威力が高い魔法であった。
魔力を喰うため、魔力総量が少ないゴブリンシャーマンには一発が限界である。
背中を向けている影秋に氷の槍が飛んでいく。
パリンッ
「っつ、」
影秋はよろけた、それは衝撃によるものである。
氷の槍は影秋に当たり 砕けた
ゴブリンシャーマンは自身の最高の一撃を食らい平然と立っている影秋に恐怖し、逃げ出した。
「この体が丈夫なのは知ってたけどよ・・・ここまでとはな、だが今はありがてぇ!!」
影秋は背中を向け逃げるゴブリンシャーマンに瞬間で迫り捕まえる。
「ぎゃぎゃ!」
ゴブリンシャーマンは必死に抵抗し、持っている杖で影秋を殴る。
影秋は殴られるままになっていた。
「ぎゃっぎゃ!」
平然と殴られる影秋、それでも緩まない拘束。
ゴブリンシャーマンは必死だった。
「ぎゃっぎゃぎゃ!!」
しかし、その首には手が迫っており。
「ぎゃ・・ぐぎゃ・・・」
その手がしまる。
「言い訳しねぇ、俺を憎め!憎んでくれ!!俺は俺のためにお前を殺す。」
そしてゴブリンシャーマンは絶命した。
「ふぅ・・・」
影秋の顔には安堵とわずかながらの疲れがあった。




