十八話 冒険者としての買い物
ゴブリンを無事倒し、ランドのところにもどった影秋。
「ランドさん、待っててくれたんですか?」
「おうよ!お嬢ちゃん一人じゃ心配でな。もうちょいしたら様子を見に行くつもりだったんだよ。」
「心配のしすぎですよ。それよりゴブリンって怖いですね。すぐ増えるし、魔法も使うなんて」
「あ?今なんていったよ?」
「いあ、ゴブリン7匹居ましたし魔法使う奴もいました。あんなのが近くにいたら安心して採掘できませんよねー。」
という影秋。
しかしランドは顔色を変えた。
「なんだって!?ゴブリンの巣はできたばっかだっていうのに増えてたのか?しかもシャーマンまでいただと!?」
「え?ええ、たぶんそのシャーマンってのが居たと思いますよ。ゴブリンでローブかぶってるやつ。」
「倒したんだな?そいつらは」
「ええ、全員倒しましたよ。」
「わかった。報酬は後日渡す。明日工商会に来てくれ受付に俺の名前を言えば通せるようにしておく。」
「え、ええわかりました。」
「こうしちゃいられんさっそく捜査しなければならん!!」
ランドは走り去った。
「そ、そんなに慌てる事態なのなかぁ?」
と首をかしげる影秋であった。
街に戻りシャワーを浴びた影秋。
「買ったばっかの服が燃えちゃったよ・・・。このシャツも焦げてる・・・。」
シャーマンとの戦闘によって焦げた服がそこにあった。
「また買わないと、次は防具にしよう!」
そして街へと繰り出した。
「服と防具売ってる場所ないかなぁ?」
影秋はこの前行った服屋を最初探したが場所を覚えていなかったため諦めて別の服屋を探すことにした。
「どこかにないかなぁ?」
相変わらず探す場所が悪い影秋であった。
「あ!あった!この前の服屋だ!!」
そこで再び偶然同じ服屋を見つけた影秋、いそいそと通りの人を掻き分けお店にはいる。
「いらっしゃいませ。おや、昨日の可愛らしいお嬢さんじゃありませんか。服はいかがでしたか?」
「あ、はい!とってもいい服だったんですけど、戦闘で燃えちゃって・・・」
その言葉を聴いた瞬間店員は硬直した。
「・・・お客様・・・失礼ですが冒険者だったので・・・・?」
「え、ええはい。一応駆け出し冒険者です。」
店員は影秋を冒険者と思っていなかったのだ。
だからおしゃれな服を選び薦めた。
「失礼しました。冒険者の方だったのですね、少々お待ちください。」
と店員が奥に引っ込む。
影秋はおとなしく待つことにした。
「お待たせしました。こちらをどうぞ。」
そこには、ピッチリとしたインナーを持っていた店員がいた。
「これは・・・?」
インナーを指差し説明を求める影秋。
「こちらは、特別な素材で編まれた衣服でございます。燃えもせず熱いときは涼しく、寒いときは暖かくなる本当に特別な素材でできています。」
「そ、そんな高そうなものお金ないですよ!?」
「いいんですよ。お客様を冒険者として見抜けず、危険な状態にさせてしまったので・・・」
「そんなこときにしてないですよ!!俺も無事だったんで!」
「それと、この衣服は冒険者用に作られた試作品でして、まず使ってみていただいて感想を言っていただきたいのです。」
「そ、そうですか・・・。本当にいいんですか?」
「ええ、むしろ試作品を着てみてください。お願いします。」
「わかりました!ではありがたく使わせていただきます。」
と、更衣室で着替える影秋、このインナー伸びて影秋にぴったりのサイズになった。
そしてそれは下着の形がはっきりと浮き出ていた。
鏡を見た影秋は
「これ、ちょっと恥ずかしいかもしれん・・・俺女だったんだよな・・・」
と、自身が女であることを思い出すのだった。
更衣室からでて影秋は
「これとってもいいですね、肌触りもいいし伸びてピッタシだけど圧迫感もないし・・・でもちょっと恥ずかしいですね。」
と言った。
それを聞いた店員は、試作品の感触が上々だということに喜びを感じながら
「その上に防具を重ねるのでございます。」
といった。
「防具ですか・・・あんまり動きにくくなるのはなぁ」
影秋は先ほどの戦いで決めていた。
剣などを使う経験がない影秋は下手に武器に頼らずみずからの身体能力に頼り、拳で戦うことに。
流石に便利な短剣と格好だけでもな小剣をもとうとは思っていたが、
拳で戦うのであれば、あまり自らの行動を阻害する防具はつけたくなかったのだ。
「お客様、武器は何を使用するんですか?」
「え、えっと・・・拳です!」
「こ、拳・・・」
店員にびびられた影秋。
「し、少々お待ちください。」
そういって奥にひっこむ店員
また少しまって店員が戻ってきた。
「こちらなどがオススメですよ。」
と店員が見せてきたのが、パーカーみたいなものだった。
「こちらの素材はレッドドラゴンとブルードラゴンの鱗を溶解液で溶かし魔力を込めながら固めた糸で編みこまれたものでして、防刃、耐久性は抜群、先ほどの試作品には劣りますが火にもとても強いです。柔らかく普通の衣服のように着れますがいざというとき刃物を通しません。」
「そ、そんなものがあるのですか!」
影秋はびびった。普通のパーカーにしかみえないのだ。
冒険者といえば最初のベリルさんたちもみんな鎧を着込んでいた、ああいうの防具なんじゃないのか?
「す、すごいデザインの防具ですね・・・。」
「お客様の要望にこたえるのが我々商人ですから!」
店員は自信満々に言い放った。
「えっと、じゃあこれ買います!おいくらですか?」
「金貨10枚になります。」
(た、たっけぇ・・・10万かよ・・・でもドラゴンだろ・・・・安いのか?)
「た、・・・こんなに安くして大丈夫なんですか?」
一瞬本音が出かけた影秋であった。
「お客様には、試作品を試していただいているので、死なれたら困ります。試作品を試していただいているので特別価格で提供いたしますよ。」
(あ、安いんだ・・・元の値段はきかないほうがいいな)
「じゃあ・・・これで」
と、名残惜しそうにしながらもしぶしぶとお金を渡す影秋。
そして商品を受け取りきる影秋。
パーカーのような防具を切ると肩幅はピッタシだったが下の長さが長く着ているホットパンツまで隠れてしまった。
(ホットパンツ見せるのが恥ずかしかったし、丁度いいや)
と影秋は思っていたが、ホットパンツまで隠れながらも多少むっちりしたニーソックスとパーカーにはさまれながらも覗かせる白いふとももはセクシーであった。
それに気付いてない影秋であった。
「よくお似合いですよ。お客様」
本心であった。店員の本心であった。
「はは、お世辞でもうれしいですよ。」
と、影秋はお世辞だと思いそう返すのであった。
そして影秋は、買い物を続けることにした
「あの、旅にも耐えられるコートとかってないですか?」
「旅にも耐えられるコートですね、でしたらこれなんていかがでしょうか?」
と今度は奥に行かず、店内にある商品を手に取る。
そのコートはフードがついており少し暖かそうだった。
「このコートは防水性があり、旅にも耐えられる頑丈な品です。いざ戦闘になっても刃物こそ防げませんか激しい動きには十分たえられるでしょう。」
「じゃあそれをください。」
「銀貨8枚になります。」
「金貨1枚で」
「銀貨二枚のお返しです」
そしてコートを羽織る影秋、
小さめのサイズのコートだったが影秋の履いているロングブーツの上4割が隠れてしまうくらいには長かった。
いい感じに旅人装備になってきたと影秋は思っていたが、傍からみればお洒落さんである。
その装備の内容はただのおしゃれではすまないほどのハイスペックであるが。
「毎度ありがとうございます。」
「あ、後この辺で安くていい武器屋ってありますか?」
「武器屋ですか・・・このお店の目の前にある武器屋が中々の職人でして、価格も安くある程度使える物を売っています。」
「め、目の前・・・ありがとうございます!」
そういって服屋をでる影秋。
そのまま目の前の武器屋に入った。
「おう!らっしゃい・・・お嬢ちゃん入る場所まちがえてねぇか?」
「間違えてないですよ!武器がほしいんです!」
影秋はおしゃれな女の子にしか見えなかったのだ。
「あの、安くて頑丈な短剣と小剣ってありますか?」
「いきなり入ってきて安くていいものありますか?ってか!度胸のあるお嬢ちゃんだな!!」
そういって職人の人間の男は笑う。
「あるぜ!この中からすきなの選びな!」
とたくさんの剣が入ってるケースを開けた。
「一杯ありますね・・・じゃあこれとこれ!」
と影秋は適当に決めた。
影秋にとって小剣は飾りで、短剣はあれば便利、切れればいいや!くらいな考えなのだ。
「思い切りがいいねぇ!お嬢ちゃんは小剣使いか!!」
「いえ!拳です!!」
「こ、拳だあぁ?」
武器屋に入って安くていい武器よこせといってだけど拳で戦います。
影秋はそういったのだ。考えなしで失礼である。だが
「ぶ、ぶはははははは」
職人は笑った。
「お嬢ちゃんおもしれぇ!拳いためちまうからこれももっていきな!」
そういって取り出したのは、
「これは・・・?」
「こいつはナックルだよ、お嬢ちゃん。拳痛めねぇように使いな!!」
「つけてみてもいいですか?」
「おうよ!!」
「あの・・・」
「ん?」
「俺には大きすぎるんですが・・・」
影秋には大きすぎるメリケンサックだった。
「あったあった、これが一番ちいせぇもんだ」
「あ、ありがとうございます。」
そういって手にはめ込む影秋。
「これピッタシですよ!!」
満面の笑みで喜ぶ影秋。
その姿はメリケンサックをはめながら喜びを体で表現する危険な美少女であった。
「そうか!よかった!!」
職人はその姿を微笑ましく見ていた。
ナックルダスタ、先が丸みを帯びているがその攻撃力は使うものの攻撃力を底上げする。
影秋の攻撃力に+ナックルダスタ。恐ろしい撲殺少女の完成であった。
「後よ、こんなのもあるぜ!」
そういって見せたのは指輪だった。
指輪の形が指を保護するかのように広がっており、これも殴るための武器であった。
(うわぁ殴られたら痛そうだなぁ)
と影秋は考えていた。
今更である。
「小剣に短剣にこのナックルダスタにこの指輪ナックルダスタ合わせて金貨2枚でいいぜ!」
「わかりました!!」
影秋は安いもんだ!と考えていた。
実際武器の質を見れば安いことがわかるが大金である。
金銭感覚がつかめていない考えなしの影秋であった。
「やったぜ!ベルトまでつけてもらえるなんて」
剣を収めるためのベルトまでもらった影秋。
ナックルダスタは常にてにはめたままである。
危険少女である。
「結構金使ったなぁ・・・まぁいいや!明日に備えてもう帰ろう」
そういって宿へ足を向ける影秋でだった。




