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強敵

 スライムがこっちに飛んでくる。

 俺はタイミングを合わせて木の枝をフルスイングした。

 バチンと音はしたが手応えはない。


 スライムが飛びついてくる。


 ゴンッ

 体当たりをもろに喰らってしまいよろける。


 ゲームでは最弱のモンスターだが今の俺にとっては強敵だ。


 俺は距離を取り、石を拾い、投げた。

 しかしスライムは弾き返し、平然としている。


 こういう時、前の俺ならここで逃げていたかもしれない。

 でも、今は違う。

 

 俺は少し尖った石を拾い、スライムに突っ込んだ。


 体当たりを受けても関係ない。

 スライムを上から押さえつけ、尖った石を全力で押し付けた。


 バチュンッ


 大きな音を立て、スライムが消滅した。


 勝った、、、のか?


 ピコン

 スマホが鳴る


 目標達成

 達成数 1/100


 『報酬を獲得』

 

 名前 田中賢一

 Lv 2

 

 筋力 5→15

 体力 5→10

 敏捷 5→10

 魔力 5

 

 戦闘力 40


 すげーな

 ほぼ2倍じゃん


 試しに動いてみる。


 体が軽い。

 力が溢れてくる。

 今ならなんでもできそうだ。


 ピコン

 モンスターを発見

 

 スライム Lv3

 戦闘力 16

 

 俺は試しに近くの石を拾い、スライムに投げた。

 石はヒュンと空を切り、スライムに向かっていく。

 バチュンッ

 今度は一瞬でスライムが消滅した。


 ハハッなんだよ

 俺も、やればできるじゃん。


 一息つき、空を見上げる。

 色々と不思議なことはあるけど、今は100のことを達成するために動かないとな。

 報酬も貰えるっぽいし

 そうと決まれば、とりあえず人に会うために町を探さないと。

 そんなことを思っていると、スマホが大きく震え出した。


 警告! モンスターを発見


 シャドウウルフ Lv20

 戦闘力 400


 勝率 0%


 …え?

 ……0%?


 ズシン。

 地面が揺れる。


 振り返るとそこには、俺の倍の大きさはある狼の姿があった。

 漆黒のような毛皮と獲物を捉える赤い瞳。


 目が合った瞬間、身体が固まる。

 呼吸ができない。


 ただ見られているだけなのに、鳥肌が立つ。


 どうする?

 逃げる?

 逃げられるのか?


 でも、ここで逃げたら前と同じ…。

 いや、そんなことより命の方が大事だろ?


 そうだよ 仕方ないんだ。


 俺は震える足を叩き、一目散に逃げ出した。

 

 近くに森が見える。

 あそこで身を隠すしかない。

 走れ!走れ!俺は全力で走る。


 ドン ドン! ドン!!


 背後から近づいてくる狼の足音が、どんどん大きくなってくる。

 

 やばい、追いつかれる。


 ヒュンッ

 俺の横に何かが通りすぎた。


 ブシャッ


 グォオオオオオオッ!!


 狼の叫び声がする。

 後ろを振り返ると、狼の左目に矢が刺さっていた。


 ガルルルルッ……


 狼が森に向かって威嚇している。

 すると、矢の主が姿を現した。


 森の影から現れたのは、一人の少女。

 長い金髪に、特徴的な長い耳。


 …エルフだった。

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