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4.魔法塔へ(2)

馬車の窓から見えるのはそびえ立つ塔。

魔道士であるイリアスが住み着く、魔法塔だった。

前世、王太子と婚約したことで王宮に移動して以降

見ることのなかった魔法塔。

馬車がピタリと止まり、御者が馬車の扉を開き

馬車から落ちる危険がないようエスコートしようとリリアーナに手を差し伸べる。リリアーナは持ってきた鞄を手に取ってから手を取り、落ちないよう馬車からゆっくりと降りた。

その後、御者は「いってらっしゃいませ。」と言いながら微笑んだ後、すぐに馬車を走らせ公爵家へと戻っていった。馬車を見送った後、片手に鞄を持ちながら

魔法塔の中へと繋がる大きな扉の前に立つ。

ここからノックをしてイリアスが開けてくれるのを待つ。リリアーナが来たことが分かれば、イリアスはすぐに開けてくれた。どうやら、リリアーナが来ることが分かる気配を察知できる何らかの仕組みがあるとか。

どういう仕組みがあるのかイリアスにことある事に聞いて茶化されていたあの頃が懐かしいと感じつつ

リリアーナは軽く扉をノックした。

すると、カチャリと音がして入っていいという合図がしてリリアーナは扉を開けて入る。

扉を開ければ、ひとひらの光った蝶がイリアスの所へ導いてくれるかのように飛んでいきその後をついていく。

階段を何段か、上がりまた大きな扉の前に立ちまた扉を軽くノックをして今度は

「イリアス様、私が来ました。」と言う。

「入ってこい。」

と扉の先から懐かしいイリアスの声がし

リリアーナは扉を開く。

中に入れば、ホコリがどこにも舞っていないほど清潔。そしてインクと紙の匂いが広がっている。

そして、リリアーナの先にある作業机の近くにある椅子に座りながらまじまじと何やら本を見ている人がいた。


白銀の長い髪を結んで、髪と同じ色の瞳を持つ

スラッとした体型に、美しい顔立ちである彼こそが

魔道士のイリアスだった。

リリアーナが来たことが分かれば、本をすぐに閉じて

優しく微笑み

「リリアーナか。よく来たな。」と言った。


魔法や魔法道具等の知識などを教えてくれ優しく接してくれ密かに憧れていた人。

彼の優しげな声と微笑みに

どこか安心して、懐かしく感じて

目がぼやけていった。

悲しくもないのに、溢れていく涙。

止めようとしても涙が溢れ出てくる。

そんなリリアーナを見たイリアスは驚いた表情をして

すぐに駆け寄り、リリアーナと同じ高さまでしゃがみ

「どうしたんだ…!?」

と言いながらも落ち着かせようと抱き上げ

弱すぎず強すぎず抱きしめ背中を何度も何度もさすってあげてもリリアーナは泣き止まず

困惑してしまうイリアス。



そんな2人を扉を少し開けて、

イリアスと同じ白銀の髪に赤眼の瓜二つの少年2人が

覗いていた。

「わあ…あの子の髪、紫色だ!」

とふわりとした髪の少年が興味深々な眼差しでリリアーナを見ており

「あれは多分染めてるんだよ。あの時見たでしょ?

あの子、白銀の髪してたじゃん。」

白銀の髪をハーフアップにし1部丸くしてひとまとめにしてある少年は冷静にそう返していた。


それから、ふわりとした髪の少年が口を開く

「…ねぇ、ルイットあの子だよね?」

そう言えば、もう1人はこくりと頷き

「そうだよ。あの子は…」

と続きを言おうとした時、1人の執事がやってきた。

続きを聞こうとしたが阻まれてしまったことにより

ふわりとした髪の少年は「ちぇー」と言った後

移転魔法を使って消えていった。

それに続いてハーフアップの少年も「やれやれ、君って奴は」と言ったあと同じく移転魔法を使って消えていった。

探していた2人が移転魔法を使って消えていったのを見て執事は「はあ…すぐどこかへ行ってしまう。」と呆れて深いため息をついた後また戻っていった。


読んでいただきありがとうございます。

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