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21.2人のお説教

「リリアーナ、ネオ、私が言いたいことは分かっているな?」

2人の前に仁王立ちをしながら言うイリアス。

そんな言葉には冷気が混じっているような気がして

身震いをするリリアーナと怖くてただずっと下を向き続けるネオ。

そんな2人の姿を見てアレットは「おやまぁ…。」と言って哀れみな視線を見せた。


一体なぜこうなったのか。

それは数時間前のこと。

夢から目が覚めた後、リリアーナはアレットから

精密検査を受けていた。

身体の調子、手足は動かせるかの問いを受けられ

リリアーナは全て大丈夫だと答えた。

「どうやら大丈夫みたいだね。」と言われ

それから、なぜ意識が無くなったのかを話してくれた。

意識が無くなったのは

強度な魔法を使った反動で倒れたかららしい。

幼い子供がもし強度な魔法を使っていたりしたら昏睡したり下手すれば命を失ってしまう可能性があったと

アレットは口にした。

これからは強度な魔法を使おうとするのは控えるよう

アレットから厳重注意を受けられた。

さすがにリリアーナも感情に身を任せて強度な魔法を使ってしまったことを反省した。


アレットが目が覚めたら連れてこいとイリアスが言っていたと聞かされた時怒られる予感がした。

その予感は的中しネオと共に床に正座させられ

今に至っている。


「リリアーナ、わかっているな?」

イリアスに問いかけられリリアーナは恐る恐ると口を開く。

「はい…。私は命が危なくなる可能性があるにも関わらず感情に身を任せて強度な治癒魔法を白狼に使ってしまいました。」

「そうだ。幼いお前が強度な魔法を使ったら昏睡してしまう可能性もあった下手すれば死んでしまう可能性もあったんだ。助けたいという気持ちはいいものだが、

その気持ちに自分の命を置いてはダメだ!

お前は…まだ8歳なんだぞ!」

「…ごめんなさい。」

返す言葉もなく、謝って頭を深く下げるリリアーナ。

反省していると判断したイリアスは次にネオの方を向く。

「ネオも分かっているか?」

「…分かってる。

無防備で黒狼と戦ってしまった。しかも6匹を1人で立ち向かおうとした。」

「そうだ。リリアーナと同様、白狼を助けたいという気持ちはあった。だが、自分の命を置いて助けようとしたんだ!その結果、お前は擦り傷噛み傷塗れで帰ってきたんだ!」

ネオは思ったよりも傷が酷く

魔法医療士であるアレットの力がなければ

生活に支障が出てしまう可能性があったとネオはアレットから聞かされ、2度と剣が震えなくなってしまったのかもと想像してしまったネオ。

いつもイリアスには反抗的だったが今回のことで

自分のやっていたことがどれだけ危険だったのか身に染みて大人しくなっておりイリアスの前で正座をしていた。

「…すいませんでした。」

と口にしてリリアーナと同様頭を下げた。

いつもは反抗的だったのに、今回のことで反省したのか反抗してこなかったため本当に反省したのだなと関心するイリアス。

2人が反省しているのを見てアレットが割り込む。

「まあまあ、2人とも反省してることだし

もういいんじゃない?イリアス。」

「…そうだな。

ネオも今回のことで分かっただろ?

お前の親がなぜ治癒魔法を習得させようと考えたのか。」

「…分かったよ。」

「じゃあ、今後は真面目に治癒魔法を習得できるな?」

「はぁい。」と不貞腐れた顔をしながらも

返事をしたネオ。

2人の説教が終わった後

ふと扉の方から誰かが入ってきた。

「ワン!」

と吠えながら、やってきたのは助けた白狼。

どうしているのか驚いていたらどうやらイリアスが移転魔法使った時に一緒に来たかららしい。

傷だらけだった白狼はリリアーナによって全部治り

元気な様子だった。

走ってきては、自分の命を救ってくれたリリアーナに飛びついては命を救ってくれてありがとうと言うように

リリアーナの頬を舐め回す。

「ふふ。くすぐったいよ!」

と言いながらもふわふわとした白狼の毛を撫でる。

撫でてくれて嬉しいのか、更に、リリアーナの頬を舐める。

「ふふふ。」

「あっ!ずるいぞ!俺もモフらせろ!」

と言ってネオも白狼に寄るも気にもせずにただリリアーナに甘える。

そんな和気あいあいとした空気の中。

「あの子、随分とリリアーナちゃんを気に入ったみたいだね。」

「…そうだな。」

イリアスは微笑ましく見つめていたが

どこか悲しいような表情をしていた。

「どうしたの?そんな顔して。」

「…あんな笑顔でいるのはいつぶりなのかってな。」

「…そうだね。僕達の記憶の中でのリリアーナちゃんは…。」

リリアーナ達には聞こえていない会話をして

アレットが次の言葉を言おうとした時。

魔法塔の外が何やら騒がしかった。


読んでいただきありがとうございます。

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