20.不思議な夢から醒めてから。
「リリアーナ…。」
ふと聞こえる誰かの優しい声
感じる優しい温もりで目が覚める。
目が覚めたばかりで視界がぼんやりとしていて見えない。
けれど誰かが私を抱きしめているような。
きっと、イリアスだろう。
倒れた自分を運び
目覚めるまで待っているのだろう。
けれど…
「あなたの名前はリリアーナよ…。」
違っていた。優しい声の主は女性だった。
ということはここは夢か。
そうと考えれば…この声は?
母であるクレアやロロナではない誰かの女性の声。
もしかすれば初めて聞く声かもしれない。
あなたは一体誰?
「リリアーナ…。ごめんね。」
あなたはどうして謝ってくるの?
あなたは私とは会ったことがないのよ?
どうして?
「ごめんなさい…っリリアーナ。
あなたとはここでお別れよ…っ」
お別れ?それは一体どういうこと?
ぼんやりとした視界が段々と元に戻ってきて
焦点が合うようになってくる。
そこで私を抱きしめている人が誰なのか分かった。
私と同じ紫色の髪にアクアマリンのような青い瞳の
女性。
その人は私を抱きしめながらも目には涙が溜まっていた。
(どうして、私と同じ容姿をしているの?
どうして、あなたは泣いているの?)
色々と聞きたいけれど思うように喋れない。
口が頑なに開くことができない。
どうしてこんな時に…と思っていた時だった。
「ここでお別れだけどね…っ
これだけは最後に言っておきたいの…。」
そうして口にしたのは…。
「あなたは絶対に幸せになることができるから。」
という言葉だった。
どういうこと?
今度こそ私は幸せになる?
あなたは私の何かを知っているの?
聞こうとしても聞けない。
何も聞くことができずにふと目の前に眩しい光に包まれ
意識を手放した。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
はっとなって目が覚める。
ふと柔らかい何かに包まれていることに気づく。
見てみれば、布団が自分に被さっていた。
リリアーナはそれを持ちながら体を起こす。
起きてから真っ先に見えたのは知らない空間だった。
白い壁に、アンティークな家具が置いてあり
そして、周りに薄い布が周りを囲んでいた。
恐る恐るその薄い布に手を伸ばそうとした時に
前触れもなく、天蓋の布が開かれビクリとする。
「あぁ!起きた?」
と言いながら微笑む白衣を来た男性
アレットだった。
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