18.不思議な感覚
その頃イリアスとリリアーナは。
「ここに足跡があります。」
リリアーナが指差すのは誰かの足跡が着いた地面。
イリアスも見てみる。リリアーナだけにしか見えている訳ではなかった。
「この足跡からして…ネオの奴の足跡のように見えるな。」
「本当ですか?」
「ああ。見てみると、ブーツのような跡だ。
ネオは今日、ブーツを履いていたな確か。」
「そうなんですね。」
さすが魔道士のイリアス。
優秀ながらに記憶力もいい。と関心するリリアーナ。
「では行くとするか。」
「はい。」
イリアスから離れないよう近距離にしながら
歩いていくリリアーナ達。
奥へどんどん歩いていく事に灯りが無くなっていくのを感じる。いつしか灯りが消えて、不気味な世界に入り込んだような気がした。
怖くて、イリアスのローブを強く掴んでしまう。
「ん?リリアーナ、どうした?」
そう尋ねるが何も返ってこず、ただ強くローブを掴んでいた。手も微かに震えていた。
「…。」
怖くて足に力が入らず、歩くことができず
固着していたらふとふわりと浮く感覚が。
「…!?」
イリアスに抱き上げられ、そのままイリアスの肩に両手を回す。
「あ、あの…イリアス様!?」
リリアーナを無視して足を進め始めるイリアス。
「イリアス様…あの、降ろしてくださ…」
「ここは、危険な場所だ。安全のためだ。」
降ろすよう言うもそう言われてしまい大人しく
必死にイリアスにしがみつくリリアーナ。
家族にすら抱っこなどされたことなかったのに。
幼い頃、ルナティアを抱っこしているクレアを見て
抱っこしてくれと言っても甘えるなとクレアに突き放されて以降求めなくなり。
幼い頃、抱っこなど無縁だった。
そのせいか今、イリアスに抱っこされていると
慣れていないせいか顔を赤らめておどおどとしていた。
イリアスの足は進み続け
ある茂みの方を見てからピタリと足を止める。
「あの茂みの方から人の気配がするな。」
そう言われて、茂みの方を見てみる。
何やら唸り声や金属音などが聞こえていた。
「行ってみるぞ。」
「はい。」
イリアスはリリアーナを抱っこしながらも
茂みの方へ近づいていく。
「あれは…!」と思わず口にするリリアーナ。
見えていた光景は
傷だらけの白狼を守りながらも短刀で
6匹の黒狼と戦っていた。
腕と足には噛まれた傷や擦り傷があった。
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