17.傷だらけの白狼
空気を吸いに外に出た時
蓄積していた不満と苛立ちが外に出た瞬間
マグマが流れ出るように現れた。
「くそっ…
なんだよ。あのイリアスの野郎…。厳しすぎだろ。」
解読のスペルを間違えたり、呪文を間違えたりすれば厳しく叱られ、居眠りをすれば毎回魔導書で叩き起こされる始末。
イリアスの厳しすぎる指導にネオは不満を抱いていた。それに比べてイリアスの元で教えを受けているあの紫色の髪に、アクアマリンに似た青色の瞳を持つ
少女リリアーナ。
彼女にはイリアスはどこか優しいような気がした。
そういう女の子を好んでいるのかどうなのかは知らないが。むしろそれだったらヤバい奴だが。
(まあ、そんなのどうでもいいけど。)
どうせ、あと何ヶ月かしたら治癒魔法習得して
もうイリアスの所へ行くことは無くなる。
それまでの辛抱。
(終わったら、剣術また磨かないとなぁ…
イリアスの所へ行かなかったら、もっと力上がってたはずだよな…。)
そう心の中で苦言していた時だった。
ふと森の奥から騒がしかった。
「グルル…」と狼のような唸り声が聞こえた。
(狼か?)
そう思ってふと森の中へ入ってみる。
歩いていたら、
気づけば段々と明るさが消えた場所にいた。
今にでも何かが現れそうな陰湿な場所に
先程聞こえた狼のような唸り声が聞こえる。
茂みの方からだった。
ネオはひっそりと茂みの方へ歩み寄る。
そして覗いてみれば驚くほどの光景が。
「クゥン…」と鳴く中型の白狼が傷だらけで倒れており
そんな白狼を黒狼たち6匹ほどが囲んでいた。
まるで逃げられないようにして殺すかのように。
(まずい。あのままだと白狼は…。)
そう思った瞬間いち早く体が動き
白狼庇う姿勢になりながらも
「1匹の弱い奴を6匹でボコボコにしようとするの
ダッセェ。これ以上こいつをボコボコにするなら俺が相手だ!」と言って、腰につけていた鞘から小刀を取り出して6匹の黒い狼の方へ駆け出した。
そんなネオに黒狼たちは吠えながらネオに飛び掛ろうとした。
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