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16.休憩は一瞬で。

没頭して解読を試みていたリリアーナ。

真面目に取り組んでいるものの段々と疲れが顔から出ていることに気づくアレット。

ふと、イリアス達の方を見るとネオも必死になりながら治癒魔法を習得できるように魔導書を見ながらも実践をしているがネオもまた疲れが顔から出ているのが見えた。

「よし。次は火傷した場合の治癒魔法を叩き込むぞ。」

「わ、分かったよ…。」

次の魔法の実践へ行こうとした瞬間に

アレットが「ねえねえ皆ー!」と言いながら両手を軽く叩いた。

「一旦休憩した方がいいんじゃない?

リリアーナちゃんもネオ君も疲れているみたいじゃないか。」

「ん?」

イリアスは2人の様子を見てみる。アレットの思う通り2人とも疲れている様子で時計を見てみれば、

午後の3時。休憩するのに丁度いいと考えたイリアスは

「そうだな。休憩するとしよう。」と言って手に持っていた魔導書を閉じて1度席から外した。

その瞬間、ネオは席から立ち上がり

「ちょっと、外の空気吸ってくる。

イリアスが戻ってくる前には戻ってくるから。」と言い残して出ていった。

しかし、イリアスが戻ってくる前に彼は来ず

先にイリアスがやってきた。

執事が、1つのトレイを持ってきて

もう1人の侍女はティーセットを持ってきた。

リリアーナの机にある魔導書や羽根ペンなどはアレットが浮遊魔法を使って退かした後、執事はトレイを置く

トレイの上にはマカロンやショートケーキ、焼き菓子、苺タルトなどが沢山盛ってあった。

(どれも美味しそう…。)と思いながらどれを取ろうか迷っている隙にアレットが「これもーらいっ」と言いながら素早くショートケーキ手に取る。

尋常じゃない程の速さで手に取るアレットに驚く

リリアーナと呆れるイリアス。

「子供かお前は。

リリアーナよりも先に取るな。」

「ええ?早い者勝ちだもん。」とムスッとした顔でイリアスに抵抗するアレットにイリアスはショートケーキを取り戻そうとしたがリリアーナは慌てて止めに入る。

「い、いいのです!イリアス様!私は他のを頂きますので!」

「だが…。」

「私はどちらかというと、ケーキよりも焼き菓子の方が好きですのでどうぞお気になさらず。」

そう言えば、ショートケーキを取り返そうとした手をすぐに退けた。それを見てアレットはニヤリと笑みを浮かべる。

「リリアーナちゃんには弱いんだねぇ。」

「…うるさい。」

それからは、侍女から紅茶を受け取る。

「砂糖かもしくはミルクを入れますか?」と侍女が言われたが「大丈夫です。」と優しく断った後、ティーカップに入った紅茶を飲む。苦味がある中でも程よい甘さがのある紅茶で疲れていた体も癒されていくような気がした。

「君って、大人だねぇ。

砂糖もミルクも入れないなんて。」

「このままの方が私は好きなので。

(だって私、心の中が18歳だもの。)」

なんだかんだ言って、アレットからかまをかけられるような言動に躊躇いもなく返せるようになったリリアーナ。少しだけ彼がどう言おうとするのが段々と分かってきていたのだった。

「ああ、美味しい。」

アレットは1口サイズに切ったショートケーキを口に入れた瞬間そう口にした。

切りながらも、ショートケーキの上に乗っている苺は残しており、

なるほど。苺は最後に残して食べるタイプなんだと

関心しつつリリアーナはクッキーを手に取り口に入れた。咀嚼しながらも、味を楽しむ。

ほんのりと甘くしっとりしていて美味しかった。

味わいつつも、イリアスの方をふと見てみる。

静かにしながらも紅茶を飲んでいた。

「イリアス様はお菓子は食べないのですか?」

そう聞くと「ん?」と言いながら

「いい。それはリリアーナ達の為に用意したものだから

リリアーナが好きなだけ食べるといい。」

「分かりました。

あっ…。」

そう言えばとリリアーナは気づいた。

イリアスが戻ってくる前には戻ってくると言ったネオが未だに戻ってきていないことに。

「イリアス様、ネオが戻ってきていないんです。」

そう言えば「何だと?」と口にするイリアス。

それと同時にアレットも「確かにそうだね。」と口にしつつ

「あの子、戻ってきてないよね?

空気吸ってくるとか言ってかれこれ10分ぐらい前から戻ってきてないよね?」

「まさか…逃げ出したとかじゃないよな?」

そう言えばこの部屋の温度が低くなるような心地がしてリリアーナはぶるっと体を震わせる。

「それはないでしょ?

ここからフィルア公爵家までかなり時間かかるじゃん?あの公子もさすがに歩いて帰ろうだなんて思わないでしょ。」

「何かに巻き込まれたとかでしょうか?」

そう口にするリリアーナ。

2人は確かにというような顔をした。

「そうだとしたら大変ですわ。

早くネオを探しに行かないと。」

そう言って、立ち上がるリリアーナをイリアスは「待て!」と言って止める。

「リリアーナ単独では危険過ぎる。

私も一緒に行こう。」と言ってイリアスも立ち上がる。

「アレットはここで待機だ。」

とイリアスから言われ

「はぁい。」と適当な返事をしてからは、フォークで切ったショートケーキを口に入れていた。

「…では行こうかリリアーナ。」

「はい。」

読んでいただきありがとうございます。

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