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14.イリアスの教え子はあなたでした

「…。」

時空巻き戻し魔法の魔導書を見ながらも羽根ペンを持って考え込むリリアーナ。


あれからリリアーナは、部屋にこもって時空巻き戻し魔法の解読を試みていた。

たまに、アッシュやクレアがこもっているリリアーナを見て心配になって部屋に入ろうとしていたが入られる前にリリアーナは丁寧にお断りして追い返していた。

邪魔をされては困ると思いながらも、解読をし続けた。


バレないように、アッシュ達とは距離を置いていたが

不思議なことにアッシュや、クレア、そしてルナティア達がリリアーナに関わろうとしていた。

ルナティアのことはともかく、二人は自分を心配して関わろうとしてきた。

その度に、前世の記憶が流れてきて胸が締め付けられるためロロナや他の召使い達を呼び出しては追い返していた。

そうしたことをしていたからか、ルナティアの召使い達やその他の人達からは表情豊かだったリリアーナがある日静かな湖のように変わり果てていたと言われるようになった。


それから、数日の時が過ぎた後

変わらずリリアーナは解読を続けていたが…。

(終盤は私の力では解読ができないわ…。)

前世の時から解読する力を身につけており

序盤から中盤までの解読は難なくできたものの

終盤は自分の力では解読できない状態であった。


おそらく、終盤の方に自分が過去に巻き戻ることができた魔法があるかもとリリアーナは思った。

なぜなら、終盤のページは大きな時計のような図面が反時計回りになっていたから。

この魔法が過去に巻き戻ることができる魔法だと確信して解読を試みた。

が、自分では読めない言語があったりなどして

解読が上手くいかない。

解読ができずにふと頭の中で思い浮かんだのは。

魔道士であるイリアス。

そして今日は、イリアスの所へ行く日だと気づく。

(1度、イリアス様に解読を頼んでみようかしら。

よし、ここに解読してほしいと印をつけておこう。)

そう思いながら、付箋を付けておき

ロロナが来るまで椅子に座って解読をしている装いをする。数分後、「リリアーナ様。」と扉の先から聞こえ

「入ってちょうだい。」と返答をした後

ロロナが入ってきた。

いつものように「お嬢様、そろそろイリアス様の所へ行くお時間です。」と言われ

リリアーナは椅子から立ち上がり「準備を手伝ってくれる?」といってクローゼットの前に来て今日はどんな服にするか決める。黒いリボンの着いた白いブラウスに

紺色の膝まで長さのあるスカートを選びそれに合わせたストラップパンプスを選ぶ。

着ていた服をロロナに渡してから、ブラウスとスカートに着替えてから、レースソックスを履きストラップパンプスを履く。


それからドレッサーの目の前にある椅子に座り

ロロナに髪の毛を整えつつもハーフアップにしてもらう。


全ての準備が終わり、リリアーナは鞄の中にいつもの物を詰め込んだ後ロロナに見届けられた後

侯爵邸から外に出ていつもの馬車に乗り込んだ。


しばし時間が経った後、馬車の窓から塔が見えてから

自分の座っている先の座席に置いてある鞄を手に取り

馬車が停車するのを待つ。

ピタリと馬車が止まるのを感じれば御者の人が

馬車の扉を開いてリリアーナに手を差し伸べ

御者の手を引かれながら馬車を降りた後は同じように

「いってらっしゃいませ。」と微笑んで自分を見送ってくれた御者が馬車を走らせるまでリリアーナは見届け

馬車が走っていった後、リリアーナはいつものように

魔法塔の扉を数回ノックしてから扉が開いた後、

ひとひらの光った蝶がイリアスの元へまで導かれた。

階段を上がり、大きな扉の前に立ち

ノックをしながら「イリアス様、私が来ました。」と言ってから「入ってこい。」と扉の先から聞こえて

リリアーナは扉を開く。


変わらない空間の中に、今回は不思議なことに

イリアスに客人がいたようだった。


緑色のふんわりとした髪に黄色の瞳をして

メガネをかけていながらも黒い服を身に纏うイリアスとは対照的に白い白衣を身に纏っていた。

「おやぁ、君がリリアーナちゃんだね?」

と容姿とは全く違う不思議とした雰囲気で話しかけられて戸惑ってしまい言葉が出なくなるリリアーナ。

それ見たイリアスはため息をつきながら

「やめろ。アレット。突然話しかけたからリリアーナが困っているだろう。まずは名前を言え。」と言う。

「ごめんごめん。」

と言った後、リリアーナの前に立って軽く頭を下げる。

それから自分の名前を言う。

「僕の名前は、イリアスが言った通りアレットていうんだ。イリアスとはまあ…親友みたいな立ち位置かな?」

「俺は親友になったつもりはないぞ。」

「ええ…?ひどいなぁ。」としくしくと泣くアレット。

やれやれと呆れながらイリアスはリリアーナに視線を向けて口を開いた。

「こんな奴だが、アレットは優秀な魔法医療士だ。」

そう言われても、そんな彼が魔法塔にいるのか分からなかった。

「こんな奴とはなんだよぉ…」

と苦言を発していたが、イリアスは華麗にスルーし

「少し私に諸事情があってな…しばらくの間リリアーナは私ではなくアレットに講師を受け持ってもらうこととなった。」

そう言われ

「しばらくの間は、イリアス様は講師は受け持たないということですか…?」と残念そうな声で言う。

その様子にアレットはニヤリと笑みを浮かべて

「リリアーナちゃん、残念そうな顔してるけどぉ?」

「仕方がないだろう?もう一人の知人から息子に治癒魔法を教えて欲しいって頼まれたのだから。」

「僕がその子教えてあげても良かったのに。」

「知人からは《《絶対》》に私が教えろと言われたんだ。」

そう2人が話しているのを見ながらも

リリアーナはイリアス様の言っていたことを思い出す。

(治癒魔法を教えると言っていたけれど…

まさか…)

治癒魔法という言葉にふと頭の中であの時の記憶が流れる。今度から治癒魔法を学ぶことになったと言っていた

濃い赤紫色系統の髪と瞳をした少年が思い浮かぶ。


そうこう考えているとふと、扉が思い切り開かれ

ビクリとするリリアーナ。


扉の先にいたのは

濃い赤紫色系統の髪と瞳を持つ

フィルア公爵家次男の

ネオ・ルト・フィルアだった。

読んでいただきありがとうございます。

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