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第18話:担当決定

 

 朱莉の言葉の後、教室内の空気は文字通りカオスと化していた。


 ナツキは僕が宇宙人にでもなったかのような目で見つめており、クラスメイトの何人かは僕のデスクへ横目を向けながらひそひそ話していた。


 僕は一刻も早く、今すぐ床が割れて自分を丸呑みにしてくれないかと強く願いながら、できる限り席に身を沈めようとした。


「政司……お前、まさかマジで……」


 ナツキは妬みと完全な劇的さを混ぜ合わせた目で、目を細めながら言い始めた。


「お前が思ってるようなことは何にも起こってない、ナツキ。静かにしろよ」僕は耳の熱が一向に引かないのを感じながら、歯の隙間から呟いた。


 僕の精神衛生にとって幸運だったのは、教室のドアが勢いよく開き、先生の到着が告げられたことだ。


 クラスメイトたちは不満そうにしながらも全体のザワつきを抑え、それぞれの席へと戻っていった。


 先生は教壇へと歩き、デスクの上に疲れた表情で鞄をドスンと置くと、眼鏡の位置を直しながら全員を見渡した。


「よし、全員席につけ」先生は黒板に書くためのチョークを手に取りながら宣言した。「知っての通り、文化祭が近づいている。今日からクラス出し物の準備を始めるぞ」


 クラスの中に興奮のざわめきが広がった。文化祭はいつも学校生活で最も楽しみにされているイベントの一つだった。


「今年のウチのクラスの担当はコンセプトカフェだ」先生は黒板に簡単な概要を描きながら続けた。「作業負担を平等にするため、準備はペアで行うことにした。各ペアには装飾、メニュー、予算、衣装のいずれかの具体的なタスクを担当してもらう」


 ナツキはすぐに席で振り返り、「一緒にやろうぜ」というあからさまなジェスチャーで何度も眉をひくつかせた。


 僕は安堵の小さな溜息を漏らした。ナツキと組むのは騒がしくなるだろうが、少なくとも今日一日は朱莉とのこれ以上の気まずい状況から逃れられるはずだ。


「それと、仲良し同士で遊んで何も進まないのを防ぐためにな」先生はナツキと僕に疑いの視線を向けながら付け加えた。「ペアは事前にこちらで選ばせてもらった」


 教室全体にブーイングの不満の声が響き渡った。


「順番に名前を呼んでいくぞ」先生はファイルから一枚の紙を取り出した。「田中と佐藤……吉田と鈴木……ナツキと石田……」


 ナツキはうめき声を上げてデスクの上に大げさに崩れ落ち、僕と組めなかったことを嘆いた。一方の僕は、次第に焦りを感じ始めていた。リストは進んでいくのに、僕の名前がまだ呼ばれないのだ。


「そして最後に……白川と港。お前たち二人は装飾のデザインとメイン看板の担当だ」


 血管の中の血液が凍りついた。


 白川……と港?


 僕……と朱莉?


 僕は機械的な動きで教室の反対側へと首を向けた。朱莉はすでに僕を見つめていた。僕たちの名前を聞くと、彼女は頭を傾げ、あの独特の自然な悪戯っぽさを漂わせながら眩しい笑顔を向けてきた。


「先生!」ナツキが勢いよく手を挙げて叫んだ。「異議ありです! その組み合わせは政司の精神衛生上、非常に危険です!」


「却下だ、ナツキ」先生はナツキを見向きもしないで書類をまとめながら答えた。「ペアは決定事項だ。残りの時間はパートナーと合流して、初期案の計画を始めてくれ」


 全員が机を動かして集まり始め、教室は再び騒がしくなった。


 僕は自分のデスクの表面を見つめたまま、その場に固まっていた。週末の会話の余韻は、まだ記憶に新しかった。雨の中で上着を貸したこと、プリクラの写真、ぬいぐるみ……そして今、運命――あるいは最悪の不運――によって、僕たちは放課後毎日一緒に作業することを余儀なくされている。


 足音が自分の席へ近づいてくる柔らかい音が耳に届いた。


「運命って、私たちが一緒に時間を過ごすことをどこまでも押し通してくるみたいだね、政司くん」


 すぐ隣で甘い声が聞こえた。


 顔を上げた。朱莉は自分の椅子を僕のデスクまで引きずってきて、僕の目の前に腰掛けていた。彼女はテーブルの上に肘をつき、両手の中に顎をのせて、僕の考えをすべて見透かしているかのようなあの瞳で僕を見つめていた。


「あ、あ、朱莉……」姿勢をすぐに正そうとしながら、どうにか言葉を絞り出した。「ああ……二人で組むことになったみたいだな」


「なんでそんな真面目な顔してるの?」彼女はノートの端に指先を触れさせながら戯けた。「私と一緒にいるのが嫌みたいな顔だよ」


「そうじゃないんだ」他の誰にも聞こえないよう低い声で認めた。「ただ……土曜日の件とさっきのナツキの騒ぎの後だろ。僕たちがこんなに距離を詰めてたら、余計に噂されるんじゃないかって」


 朱莉は柔らかい笑い声を漏らし、僕の心臓をバカみたいに跳ね上がらせた。


「言いたい奴には言わせておけばいいよ」彼女はテーブルの上に真っ白なノートを開きながら、実に落ち着いた様子で言った。「私はまったく気にしないけど。政司くんは気になる?」


 僕の目は彼女を真っ直ぐにとらえた。

 彼女の表情は穏やかで、迷いの色など微塵もなかった。


 彼女のこの状況のあしらい方は、僕からどんな反論も奪い去った。もう冷酷で素っ気ない態度は取らないと心に誓ったはずだし、周りのゴシップを恐れて彼女から逃げ出すなんて、同じ過ちを繰り返すだけだ。


「いや……気にならない、と思う」溜息を漏らしながら諦めを受け入れ、ボールペンを取り出した。「よし、装飾について何かアイデアはあるか?」


 僕たちは残りの時間を、コンセプトカフェのデッサンやアイデアの議論に費やした。


 驚いたことに、二人のやり取りは信じられないほど自然に噛み合っていた。朱莉は色彩や照明、コンセプトについてのアイデアを次々と出す非常にクリエイティブな一面を見せ、僕は実務的な部分――必要な資材の計算、看板の寸法、割り当てられた予算の配分を担当した。


「政司くん、こういうロジの計算、本当に得意なんだね」僕がノートに描いた詳細な計画図を観察しながら、朱莉がコメントした。


「ただ計画的なだけだよ」少し照れくさそうに後頭部を掻きながら答えた。「何を買い出すかちゃんと計画しておかないと、余計なお金を使うことになるからな」


「すごく良い長所だよ。やるときはすごく頼りになるんだから」


 彼女の褒め言葉に顔が少し熱くなるのを感じたが、答える間もなく、授業の終わりを告げるチャイムが廊下に響き渡った。


「よし、授業はここまでだ」教壇から先生がアナウンスした。「今日から放課後、教室に残ってプロジェクトの準備を進めていいからな」


 全員が一斉に荷物を片付け始めた。ナツキは僕たちの横を疾風のように走り抜け、「後で話があるからな」と言わんばかりの劇的な視線を送ってから教室を飛び出していった。


 朱莉は焦ることなく筆記用具を片付け始めた。


「ねえ……今日のうちに基本的な資材の買い出しから始めた方が良さそうだよね?」彼女は顔を上げて提案した。


「今日?」驚いて瞬きをしながら聞き返した。

「もちろん。デザインが早く終われば、余裕を持って看板の絵を描く時間が取れるでしょ。それに……そうすれば教室の野次馬たちを気にしなくて済むし。授業が終わったら、画材屋さんに行こうよ」


 朱莉は悪戯っぽく微笑み、少し身を乗り出してきた。


 提案は至極ごもっともだったが、週末の直後にまた二人きりで出かけるという事実は、僕の警戒アラームを再び鳴らし始めた。


「分かった。放課後に行こう」リュックのファスナーを閉めながら同意した。


 学校の校舎を出た時、午後の太陽は空を温かみのあるオレンジ色に染め始めていた。


 僕たちは商業駅へと続く桜の木々に囲まれた道を一緒に歩いていた。騒がしい朝とは異なり、夕暮れ時は穏やかだった。冷たい風が柔らかく吹き抜け、朱莉の髪をエレガントに揺らしていた。


 彼女は僕のすぐ隣を歩いていた。土曜日のように腕を組んでくることはなかったが、いつもよりずっと近い距離だった。しかし、彼女の存在だけで、これまで誰とも感じたことのない不思議な心地よさが空間を満たしていた。


「ねえ、政司くん……このプロジェクトであなたとペアになれて、すごく嬉しいな」


「本当にか? 友達の誰かと組みたかったんじゃないのかと思ってたけど」


 朱莉は静かに首を横に振った。


「ううん、全然。あの子たちと一緒にいる時は、いつだって百点満点でいなきゃいけないから……流行りの話をして、ゴシップを話して、ずっと笑ってて」いつもの学校で見せるトーンよりもずっと低く、真摯な声で彼女は認めた。「でも政司くんといると……ただの自分でいられる気がするの。誰かに何かを証明する必要がないんだよ」


 彼女の言葉が僕の胸に真っ直ぐ届いた。驚いて彼女を見つめた。


「僕も、君がペアで良かったよ、朱莉。僕といる時は何も取り繕わなくていい。疲れてても、静かでも、君の好きにしてていいんだから」


 朱莉は道の真ん中でピタリと足を止めた。

 突然立ち止まった彼女に戸惑い、僕もクルリと振り返った。


 朱莉は目を丸くして僕を見つめていた。まるで僕の言葉が彼女の心の中で小さな地震を引き起こしたかのように。 calculated な色気など一切排した、彼女の頬には本物の美しく可憐なピンク色の赤みが差し込んでいた。


「政司くんって……本当にとんでもない人だね」彼女は消え入りそうな声で呟き、手にしていた胸元に手を当てた。


「え? 僕、何か変なこと言ったか?」彼女の反応に少し焦りを感じながら尋ねた。


「ううん……変なことじゃないよ」彼女はこれまで見た中で最も透明感に満ちた、甘い笑みを届けてくれた。「むしろ逆。さあ、急がないと画材屋さんが閉まっちゃうよ」


 朱莉は僕に追いつくように二、三歩足早に進み、今度は街の中心部へ向かって一緒に歩きながら、そっと僕の手へと自分の手を滑り込ませた。

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