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第六章 『すべてがエサ。エサはすべてのものに。』

 プリム・クイスは、わずかな不安を抱きながら、モルテムの手から死んだカニを受け取った。腹を上にしてひっくり返すと、その不具者は死骸を膝の上に置き、骨の短剣で内臓をかき出し始めた。彼は小さな肉片を海に投げ込み、すでに海の生き物の影がはっきりと見える、真っ赤な航跡を正確に狙った。


「鴨にもそうやって餌をやるのか?」隣に座るモルテムが囁いた。


「鴨のことは忘れていなかったんだな。ほら、これを持て」不具者は、他の破片よりも明らかに大きな肉の塊を彼に手渡した。「腰から紐を取って、餌を巻きつけて釣るんだ。お前自身でな」プリム・クイスは、最後の言葉を少し苛立った様子で強調した。


(鴨……小さな池や川にいる羽のある鳥……覚えている。だが、最後にいつどこで見たのかは思い出せない……どの池や川で見たのか……?)そんな思考が頭の中を巡る間も、モルテムは不具者に反論しなかった。彼は静かにプリム・クイスから蔓つるの紐を受け取り、端に肉を縛り付けると、両足で立ち上がった。槍の柄を杖代わりに支えにしながら、戦士は餌を海へ、真っ赤な血痕の真っ只中へ。


「悪くない肉だ、モルテム!」プリム・クイスは内臓を投げるのをやめ、見上げた先で新米漁師となった男を見ながら、小さな肉片を一つ口に放り込んだ。「俺たちも魚も、生でも気に入る味だ……」


「なぜお前の手足は棒なんだ? 肉は再生しないのか?」モルテムは水面から目を離さず、隣に座る居候に尋ねた。


「彼らは最近、悪魔に食べられてしまった。だが、丸太のように寝転がっているのは嫌でな、今はこうして動くしかない。朝になれば生えてくるさ」プリム・クイスは少し神経質そうにモルテムから視線を逸らすと、内臓を抜いたカニを傍らに置き、再び短剣を手に取った。


(悪魔……)モルテムがそれについて深く考える間もなく、ロープの端に重さがすぐに感じられた。突き出していた彼の腕は、まるで釣り竿のように硬い骨組みとなり、その力に即座に反応してしなった。その引きを感じた戦士は、鋭い動きで獲物を海から引き抜いた。それは、頭から尾の先まで醜い鰭(ひれ)が伸びた、長い蛇のような魚だった。


「やっと食い物だ!」モルテムは歓喜の声を上げた。


 プリム・クイスは一瞬の隙も作らず、骨の短剣を握り直すと、唯一残った健康な腕で空飛ぶ獲物を押さえつけた。怪物は激しく身をよじって抵抗する。短剣がその肉を貫いたが、不具の戦士は即座に左肩の切り株を押し当て、暴れる魚を鈍い棒の先で自身の体にねじ伏せた。


 その瞬間、傷ついた怪物は蛇のように身をくねらせ、強靭な輪となって彼の首と胴体に巻き付いた。硬い鱗の輪が、恐るべき力で喉を締め上げる。魚が触れた場所から戦士の皮膚は青ざめ、凄まじい圧力で顔の毛細血管が弾け、首の静脈は今にも破裂せんばかりに膨れ上がった。戦士の呼吸は完全に絶たれた。締め付けられた喉からは掠れた喘ぎ声が漏れるだけで、胸郭は固定され、わずかな息さえ吸い込むことができない。


 魚は最後にもう一度、痙攣するように動き、喉に巻き付いた結び目を急激に締め付けた。骨がずれる鈍くはっきりとした音が響く。プリム・クイスの目は充血し、体から力が抜けて石畳に崩れ落ちた。その重みで、息絶えゆく怪物を道連れにした。


「いやいや……運が悪かった……」プリム・クイス無理に言葉を絞り出すようにして言った。それが彼の最期の言葉だった。男の身体はそのまま海へと崩れ落ち、水面を漂う鮮血の赤き道標の渦中へと沈んでいった。


 モルテムは衝撃を受けたが、すぐさま槍を岸辺に向かって投げると、プリム・クイスを追って海へと飛び込んだ。すでにプリム・クイスの体には数匹の蟹や魚が群がり、食らいついていた。海底に激突した衝撃で、腱の傷口が再び開き、鋭く疼くような痛みが走る。しかし、長い獲物は骨の短剣を体内に抱えたまま泳ぎ去り、その新鮮な血痕がほとんどの海の捕食者の注意をそらした。


「立て!立て!」

 モルテムはプリム・クイスの脇の下に手を差し込み、その足を海底に引きずりながら、後ずさるように陸地を目指した。

 カレの体に食らいついたまま離れない小魚やカニたちが、さらなる重みとなってのしかかる。負傷した足を引きずりながらも、戦士は必死に彼を岸へと運んだ。その間にも、長身の鰻は突如として深海から湧き上がった巨大な海の影の中へと姿を消した。その圧倒的な質量を持つ影は、水面を漂う鮮血の赤き道標を根こそぎ呑み込み、完全に覆い尽くしていく。

 わずか数秒後、深淵から新たな脅威の輪郭が浮かび上がった。その流線型の細長い体は、人間のサイズを遥かに凌駕していた。巨大な背びれが水を切り裂き、その両脇にはいくつもの鰓(えら)の裂け目が口を開けている。カニやその他の沿岸の生き物たちは、パニックに陥って四方八方へ逃げ散った。


「急げ!急げ!」

 荒い息を吐きながら、モルテムはプリム・クイスを引きずり続けた。その間も、片足の男の体に残った蟹たちは、容赦なくハサミで彼の肉を切り裂き、食い荒らしていた。


 しかし、小さな捕食者たちの饗宴は、凄まじい衝撃によって中断された。モルテムがようやく自分の槍に手が届こうとしたその時、深緑の深淵から巨大な人食い海獣が飛び出してきた。その尖った頭部はまるで一枚岩のように硬質で、底知れぬ黒い瞳には何の感情も宿っていない。大きく開かれた顎は、人間を丸呑みにできるほどの大きさだった。怪物は勢いよく、数十本の剃刀のように鋭い牙をプリム・クイスの胴体に突き立てた。この凄まじい一撃によって、身体の不自由な男は瞬時に意識を取り戻し、衝撃と原始的な苦痛から叫び声を上げた。


「離せ!逃げろ!逃げるんだぁぁぁ!」深海の食人妖獣がその下半身を無慈悲に削ぎ落とす中、プリム・クイスは半狂乱の恐慌に陥りながら絶叫した。


「いやだ!いやだ!いやだ!いやだ!」目の前で繰り広げられる悪夢に凍りついたモルテムは、恐怖と必死に戦っていた。


 ようやく槍の場所まで辿り着いた時、水深は膝まであり、捕食者の巨大な顎が水面からほとんど露わになっていた。モルテムが一瞬だけ手を緩めた隙に、怪異はすぐさま不具者を海の深さへと引きずり込もうとした。戦士の指先は既に長槍の柄に触れかけていたが、深淵の闇へと連れ去られゆく男の姿を目にした刹那、再び両腕を伸ばしてその身体へと死に物狂いでしがみついた。海獣は激しく頭を左右に振り回す。プリム・クイスは激痛に絶叫した。モルテムは海底に足を踏ん張り、全力で抵抗したが、怪物の凄まじい力に引きずられていく。彼の靴はぼろぼろに引き裂かれ、鋭い砂利が足の肉を骨まで削り取った。


 水深は急速に増し、すでに腰まで達していた。深淵へと沈みゆくプリム・クイスは溺れ始め、その悲痛な叫びは、時折ゴボゴボという音と塩水をすする苦しげな喘ぎに遮られた。怪物のさらに強力な引きちぎりの後、片足の男の体は恐ろしい音を立てて真っ二つに裂け、骨盤から下を失った。


「そんな……」恐怖に支配されたモルテムは、掠れた声で呟いた。


 もはや音を立てなくなった仲間から目を逸らすことなく、戦士は反射的に彼を陸地へと引きずり続けた。水深は浅くなり、モルテムは海底に突き刺さった自分の槍を通り過ぎ、上半身だけの遺体を乾いた砂利の上へと引きずり上げた。彼は既に両足を失った男を岸辺のすぐそばに残し、聞き取れない囁きが聞こえたため、その男のそばにしゃがみ込んだ。


「逃げろ……」プリム・クイスは突然、血を吐き出した。最後の力を振り絞り、重苦しい溜息をつくと、唯一残った健康な腕で岸辺のある一点を指し示した。彼の指は、その方向を指したまま硬直した。


 モルテムは膝をついたまま、石のような無表情で、死者が指し示した先を追った。次に彼は、陸と海の境界に孤独にそびえ立つ槍へと視線を移した。死肉を貪り続けるカニたちには目もくれず、戦士は静かに、光を失った彼の瞼を閉じた。遺体を後にし、モルテムは痛みに耐えながら、切り傷だらけの素足で鋭い砂利の上を、己の武器へとゆっくりと歩み出した。


 槍にたどり着き、両手でそれを掴んだ瞬間、モルテムはバランスを崩し、あわや海へ倒れ込みそうになったが、頑丈な柄のおかげで辛うじて持ちこたえた。彼の前には恐ろしい光景が広がっていた。戦士は、海獣たちが群がる岩場から岸辺へと続く、血に染まった道の中央に立っていた。一歩踏み出すたびに、耐え難い苦痛が全身を駆け巡る。だが、彼を打ちのめしたのはその痛みではなかった。


 目の前の光景が、徐々に変容していった。モーテムは、無数のカニが爪で自分の体を切り裂き、肉を貪り食い、腹を引き裂く様子を恐怖に震えながら見守っていた。それと同時に、長い蛇のような魚が首に巻きつき、彼を締め上げながら、この悪夢のような饗宴に加わっていたのだ。


 目にした光景に、意識が混濁した。だが、彼の両手は今も頑丈な柄を握りしめており、岸辺にはプリム・クイスの引き裂かれた半身が冷たくなっていた。彼が過ちを犯して死んだ世界と、生き延びた世界――異なる時からの二つの場面。


 その精神的な衝撃は、激しく吐き気を催す痙攣となって彼を襲い、戦士の体は嘔吐感に震えた。モルテムは武器をさらに強く握りしめ、歯を食いしばった。荒い呼吸のせいで、窒息しそうになる。必死に空気を吸い込みながら、彼は叫び声を上げまいと必死に耐えていた。


「そんなはずは……ありえない……なぜだ? なぜ俺はこれを見ているんだ……なぜなんだ!?」

 苦痛に耐えきれず、彼は膝から崩れ落ちた。


「いやだ……いやだ……なぜこんな目に? 俺が何をしたというんだ!?」

 絶望に歪んだ顔は、やがて激しい怒りへと変わり、その目には涙が浮かんだ。


「お前たちのせいだ……殺してやる……あの化け物どもを、皆殺しにしてやる!」

 モルテムは、赤く染まった海面を睨みつけた。そこでは、小さな捕食者たちの影がまだ渦を巻いていた。彼の目は怒りで充血していた。


 柄を杖代わりに、彼は仇敵に向かって最初の一歩を踏み出した。ゆっくりと、しかし確実な足取りで。水が膝上まで達し、プリム・クイスが引き裂かれた場所にたどり着くと、モルテムは槍を両手で構え直し、その切っ先を水平線の彼方へと向けた。


「ここで死ぬわけにはいかない。なら、なぜ逃げる必要がある!? あの野蛮な連中とは違って、お前は俺を丸ごと食らうんだろう! それでどうなる!? その後、俺はどうなるんだ!」

 モルテムは狂気じみた笑みを浮かべ、涙を流しながら、水面に向かって激昂した。


「何が起きるんだ?! お前に! 今すぐに!」


 小さなカニや数匹の魚がモルテムの周りに集まり始めたが、近づくたびに彼は槍で追い払い、突き飛ばした。


「失せろ! 俺から離れろ! 俺が求めているのは、もっと大きな獲物だ!」


 その悲痛な叫びと、傷ついた踵から流れ出る大量の血に誘われ、巨大な影が岸へと戻り始めた。近づくにつれ、その輪郭はより巨大さを増し、ついに水面から背びれが突き出した。


「私を殺して!」

 モルテムの狂気的な挑発に応えるように、人知を超えた巨体を持つ怪物が海から躍りかかり、大きく口を開いた。


 男は武器の切っ先を、海獣の黒い瞳へと真っ直ぐに向けた。槍の穂先と、剃刀のように鋭い捕食者の牙が、互いに数センチの距離で静止し、水と陸の境界で二人の戦士の死闘が幕を開けた。しかし、その瞬間、すべてが闇に包まれた。体の感覚を失い、自分の骨が砕ける鈍い音と、肉が咀嚼される音だけが響く中、モルテムの脳裏にはただ一つの思いがよぎった。


『俺が……負けるなんてありえない……?』


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