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オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


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世界の違い ㊸

「じゃあ、朝食を摂って出掛けるわよ!」

「・・・うん。ケイナちゃんも呼んであげないと」

「行くわよ!」

 例によってワーキャーと姦しい声が近付いてきたと思ったら、ケイナの両手がガッシリと取られる。


「ケイナ! 朝食に行くわよ!

「あっ。はい」

「・・・行こう行こう」

 金銀の嬢ちゃんたちに手を捕まえられたケイナが引き摺られていく。


 賑やかなこって。

 控えめなケイナには、あのぐらい強引に引っ張られるのが調度良いのかもな。

 娘たちの背中を見送ったフレイアさんが俺たちへ振り返る。


「レイクス殿たちも朝食にしよう」

「ありがとう。ご一緒させて貰うよ」

 ハインズさんたちにセリーナさんたちも加えた大人数でワイワイとボリューム過多な朝食を摂った後、馬列を組んで採掘場へ向かう。


 領主の下請けで罠猟の獲物回収や鹿の出荷作業を請け負っている猟師たちも模擬戦を見ていたようで、話題には事欠かず、距離感が近くなっている。

 このウォーレス領ってのは、最上位の領主一族から末端の領民までの距離が近くで極めて関係が良好なんだよな。


 慈悲と責任感に溢れた為政者と、信頼と義務感に溢れた被統治民が、同じ作業に従事することも珍しくねえ。

 新たな仕事を作り出して、日々の食い扶持だけでなく安全まで保証してくれるってんだから、領民たちも期待に応えようと必死にもなるだろう。

 俺たちも“融和派”や“中立派”の領地だけでなく“保守派”の領地も見てきたが、ここまで主従が良好な関係を築いている領地はなかった。


 元日本人の嬢ちゃんが来てからも新たな仕事を作りまくったらしいが、嬢ちゃんが来る前から領民に仕事を与えてきたってんだから、ウォーレス家ってのは統治者として飛び抜けてやがる。

 良い領主の下では部下たちも力を尽くそうと必死になるものらしくて、採掘場へ着いた途端に嬢ちゃんの周りを部下たちが囲んでいる。


「私も手伝わせてください!」

「・・・部隊の指揮は?」

 熱弁する部下を前にした嬢ちゃんが首を傾げる。

 手伝いを申し出ているあの姉ちゃんは嬢ちゃんたちの護衛を務めている側近で、部隊幹部クラスだったな。


「出荷と回収ぐらい、私が付いていなくても出来ます!」

「・・・大丈夫なの?」

 自分が預かっている部下たちを放っぽり出しての職務放棄とも聞こえかねねえ指揮官の返事に、嬢ちゃんは姉ちゃんの部下たちへ顔を向けた。


「「「「「大丈夫です!」」」」」

「・・・ああ。そう」

 放っぽり出される部下たちも慣れた様子で声を揃えた。

 部下たちの返事を聞いた嬢ちゃんは割り切った様子で申し出を受け入れる。


「・・・じゃあ、手伝ってもらおうかな。バンバン伐っちゃって」

「私も手伝います!」

 1人が片付けば、また1人。

 今度は嬢ちゃんよりも少しだけ年長の嬢ちゃんが挙手している。

 こっちの嬢ちゃんも銀髪嬢ちゃんの側近で部隊幹部だったな。


「・・・部隊の指揮は?」

「出荷と回収ぐらい、私が付いていなくても出来ます!」

 側近の答えを聞いた嬢ちゃんが部隊へと顔を向ける。

 何やってんだ? こいつら。


「・・・大丈夫なの?」

「「「「「大丈夫です!」」」」」

 全く同じやり取りを繰り返した銀髪嬢ちゃんに、後ろで見守っていた金髪嬢ちゃんが不思議そうに首を傾げた。


「なんで2回に分けたの?」

「・・・いや。何となく」

 問われた銀髪嬢ちゃんも首を傾げ返す。

 気が抜けるようなやり取りだが、子供の会話なんてこんなもんだ。


「・・・じゃあ、オーリアちゃんもお願い」

「はい!」

 許しを得た側近の嬢ちゃんが跳ねるような足取りで金銀の嬢ちゃんたちに付いていく。


 今日は採掘場の防壁外で森の木を伐採して農地を拓くんだったな。

 側近たちが手伝いたがったのは、その伐採と土地の整備に使う特殊な魔法の訓練がしたいかららしい。

 惰性に流されるのではなく上昇志向を持ち続けるのは良いことだ。

 指揮官2人が抜けた部隊の方も行動を開始する。


 猟師たちは嬢ちゃんに似た銀髪の子供たちを引き連れて、崖の上へ続く櫓の階段を上っていった。

 嬢ちゃんの部下たちとアスクレーたちは鹿の囲っている壁の上へと続く階段に向かう。

 “分隊”っつーんだっけか?

 約20人で“小隊”で、さっきの姉ちゃんたち2人は“小隊長”なんだと。


 小隊の半分、10人が1グループを作って鹿の出荷作業に取り掛かる。

 さらに半分の5人前後で作業することも出来るらしいんだが、次々と鹿を吊り上げていく流れ作業では、1グループで複数のロープを使う方が回転率が良いそうだ。

 レイクスとアスクレーが鹿の観察を続けるらしいから、俺らも出荷を手伝うとするか。



世界の違い㊸です。


部隊構成!

次回、待ち人!?

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― 新着の感想 ―
テツさん次の遠征から帰ってきたら また頭を抱える事受けあい まだ編成前だけれど 近日中に飛行魔導連隊を組織運営するかも?
2026/08/21 18:31 あかマント
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