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オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


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世界の違い ㊷

「泊まり込むならそれでも構わんぞ。フィオレはほぼ毎日森へ行くしな。よく知る相手が居れば不安は少なかろう」

「・・・この数日のことなら確実に行きますね」

「わたしも!」

 フレイアさんに視線を向けられた金銀の嬢ちゃんたちも頷き返している。


「フィティオス殿たちも、術式の訓練がしたいならフィオレたちに同行すると良い」

「そうさせて貰おうか。僕もまだ魔獣の観察をしたいし」

 フレイアさんの気遣いをレイクスも素直に受け入れる。

 レイクスの判断にサーレーンとタレースも頷く。


「では、目印の変更と“置き文”を仕込んで参ります。その後は採掘場で待機を」

「手間だけど頼むよ」

「「はい」」

 サーレーンたちが行動を起こそうとした矢先、銀髪嬢ちゃんのメイドがスッと前へ出た。


「お待ちを。直ぐに出発されるのでしょうか?」

「そのつもりです」

 怪訝な表情を隠したタレースが短く答えると、タレースの警戒心を敏感に察知したらしいメイドはわざとらしく困った表情を作って見せた。


「食事の用意を、と考えたのですが、お急ぎのようでしたら携行食ぐらいはお持ちになってください」

「有り難く頂戴します」

 余計な猜疑心だったと気付かされたタレースも素直に頭を下げた。


 この姉ちゃんも、なかなか肝が据わった感じだな。

 表面上はソフトタッチだが、一歩も譲らねえ芯を感じる。

 タレースの返事を受け取ったメイドの姉ちゃんが合図すると、後ろに控えていた別のメイドたちが身を翻して領主館へ駆けていった。


 いいや。アレ、駆けていったんだよな?

 このメイドたちは普段から足音がしねえし、頭の位置も上下しねえし、スカートの裾から覗く足首から下の動きを注視しねえと、歩いてんのか走ってんのか分かんねえんだよ。


 それを言ったらフレイアさんの側近たちも足音をさせねえし、真後ろに立たれても普通は気付かねえだろうほど気配がねえんだよな。

 こいつらマジで全員、暗殺者か何かか?

 メイドたちの後ろ姿を何やら優しい目で見送っていた嬢ちゃんが、フレイアさんへ視線を移す。


「・・・採掘場の守備部隊にも伝えておくね」

「おう。任せたぞ」

 銀髪嬢ちゃんの申し出に目を細めて答えたフレイアさんに向けて、今度は金髪嬢ちゃんが首を傾げる。


「お母様は行かないの?」

「私はハロルドの手伝いだな。色々とすることが増えたから助けてやる必要が有るだろう」

 おっと。色々と有り難い申し出をくれたハロルドさんは帳尻合わせで忙しくなって、フレイアさんも尻拭いに参加するのか。


 ハロルドさんたちは、いつ見ても書類に埋もれてるしよ。

 ただでさえ忙しそうなのに仕事を増やしちまって申し訳なくなっちまうな。

 フレイアさんの答えに金銀の嬢ちゃんたちが納得顔で頷く。


「あ。そっか」

「・・・だよね」

 物分かりが良いというか、中身が大人な銀髪嬢ちゃんだけでなく金髪嬢ちゃんも構ってくれと我が儘を言わねえんだな。


 銀髪嬢ちゃんが金髪嬢ちゃんを母親目線で見ている気配は、こういうところにも原因が有るのかも知れねえ。

 フレイアさんとハロルドさんは内戦のときも揃って戦場へ出ていて家を空けていたと聞くし、銀髪嬢ちゃんが金髪嬢ちゃんの世話を焼いている理由が見えちまった。


 金髪嬢ちゃんの方も銀髪嬢ちゃんに依存しているように見えるしな。

 まあ、子供たちが自ら支え合ってくれるなら、親としても自分の仕事に集中できるってもんだろう。

 可愛い盛りの子供の相手もしてやれねえなんて、肩書きと責任を背負う貴族の大変さが見えちまうな。


 なんてことを考えていたら、視線を感じた。

 そっちへ目を向けてみればケイナだ。

 いつの間に移動してたんだ?


「ん?」

 何だ? ロブウッドたちが集まっている一角でリットと雑談していたらしいケイナが手招きしてるな。

 あれは俺を呼んでるんだろう。


 レイクスの方は話が付いたと見て良いだろうし、フィティオスたちもレイクスの傍に付いているし放っておいても大丈夫か。

 レイクスたちを中心とした一角から離れてケイナの元へ向かう。


「どしたー?」

 ケイナの傍へ辿り着けば、クイクイと袖を引っ張られて上体を屈める。

 何だ? マジでどうした?

 手のひらで口元を隠してケイナが俺の耳元で囁く。


「私たちはどう動けば良いのでしょう?」

「採掘場で爺さんが来るのを待つってよ」

 爺さんが来るのはケイナも嬉しいはずなんだが、ケイナは怪訝そうに眉根を寄せた。


「採掘場でですか?」

「町の外で先に合流しておけば、町へ入るときの問題を防げるからな。サーレーンたちはもう一度森へ入って目印を変更するのと、爺さんへの伝言を置きに行ってくるそうだ」

 納得顔でケイナが頷く。


「そういうことだったのですね・・・」

「何か心配事が有るのか?」

 表情からは分かりにくいんだが、何やら深刻そうな気配を感じちまう。


「いいえ。ただ、郷の大人たちも付いてくるでしょうし、大丈夫なのかと」

「大丈夫じゃねえか? あいつらも“大人”なんだし、それなりの対応はするだろうよ」

 あ~。郷の連中が失礼な態度を取るんじゃねえかとケイナは心配してるんだろうな。



世界の違い㊷です。


側近同士のやり取り!

次回、ケイナの懸念!?


※ 今日も遅刻です!

  サーセン!

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― 新着の感想 ―
メイド隊=くノ一(^_^)v フィオレ母親目線…NGワードテツさん絶対に行ったらダメ!
2026/08/18 20:03 あかマント
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