大名行列と、おじいちゃんとおばあちゃん ⑦
つぎの日、朝はえりかお姉ちゃんが、学校の前までいっしょに来てくれました。
帰りは、パパのお迎えが無いので一人です。
一人だと、思っていました。
教室では、みんなに、だいじょうぶ? と、しんぱいされましたが、だいじょうぶって言いました。
6時間目がおわって、みんなと先生にさようならして、帰ろうかと思ったら校門のところがさわがしいです。
ひとだかり? が、出来ています。
何だろう? って、のぞいたら、先生たちとだれかがにらみあっています。
あ。知ってるひとたちです。
パパの、こうはいさんたち。
あの夜も、会社のフェンスのむこう側で、さわいでたひとたちです。
とことこ、と、近づいて、お兄さんたちに聞いてみます。
「なに、してるの?」
「おー! ヒナちゃん! お迎えに来たぜー!」
きんにくムキムキで、こわい顔をしたお兄さんたちが、みんなそろってニーっと笑います。
「だから、あなたたち、誰なんですか!?」
「だからあ、お迎えだって言ってんじゃんよー。おばさーん」
「お、おば・・・!?」
あー。それ、ぜったい言っちゃダメなやつ。
お兄さんたちの前で、におう立ち? になっていた、女の先生のこめかみに、ピキッと血管がうきました。
「あなたたち! 警察を呼びますよ!」
「ちょ! せ、先生! このひとたちパパのお友だちで、あやしいひとじゃあありません!」
「本当なの!?」
せ、先生、はくりょくが怖いです。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
は、はずかしいです・・・。
ちょっと、なみだ目です。
先生たちに、一生けんめいごめんなさいして、みんな、わたしを心配して来てくれたパパのお友だちだって、なんどもせつめいして、先生がパパの会社へ電話して、ようやく、わかってもらえました。
「あれまあ。大名行列だねえ」
角のすなっくのおばあちゃんが、おかしそうに、にやにやと笑っています。
あれから何度か、パパがいなくなったばしょへ来ていたら、おばあちゃんが声をかけてくれて、なにか見つけたらしらせてあげるからって言ってくれていたのです。
おばあちゃんのお店のピンク色のかんばんは、ハルおじさんがてはいして、つぎの日には、ひと回り大きくて、電球がいっぱい付いて、すごくピカピカするかんばんになっています。
おばあちゃんは、ランドセルを背負ったわたしのうしろを見ています。
わたしのうしろには、お兄さんたちがぎょうれつを作っているからです。
30人ぐらい。
仲よくなったおばあちゃんに見られて、ものすごくはずかしいです。
おうちへ帰ってきたら、しばらくしてえりかお姉ちゃんも帰ってきて、だいみょうぎょうれつの話を聞いて、ものすごく怒りました。
お兄さんたちも、お姉ちゃんだけじゃなく社長さんにまでしかられて、小さくなっていました。
ひつよう以上に、わたしに近づかない、と、約束させられておわったのですが・・・。
そのつぎの日から、わたしが通る道からひとが消えました。
通りの、角、角に、お兄さんたちが立っていて、わたしが通りすぎるまで、ひとも、クルマも、自転車も、ぜんぶ、通せんぼしてしまうのです。
「通行止めだあ」
「何やって―――、ヒィッ・・・!!」
「あ? その車ごと工事すんぞコラ」
わたしのほうからは、背中を向けているお兄さんたちの顔は見えませんが、くらくしょん? を、鳴らしたクルマのひとが、ひめいを上げているので、ものすごくこわい顔をしていたんじゃないかと思います。
「あー・・・」
いちおう、お兄さんたちに手をふっておくと、みんな、ニーっと笑って手をふり返してくれます。
パパ、早く帰ってきて。
ものすごーく、はずかしいです。
またえりかお姉ちゃんがおこったら、じょうだんなんだって。
むかしのマンガのネタだって、みんな、へらへら笑ってました。
ぶっこみの? ええ?
むー。そんなの分かんないよ。
大名行列⑦です。
スピードの向こう側!?
次回、襲来!?




