大名行列と、おじいちゃんとおばあちゃん ⑥
「あたしも、立ち会わせて貰うわね」
「えりかお姉ちゃん!」
開いたままのドアのところに、いつの間にか、うで組みしたお姉ちゃんが立っていました。
お姉ちゃんのうしろでは、おそとで待っていたクマさんが、ものすごく怖い顔でおじさんをにらみつけています。
クマさーん。
わたしが、クマさんに小さく手を振ると、やさしい目でわたしにうなずいて、ドアを閉めました。
「お姉ちゃん。こうこうは?」
「終わったわよ。おやっさんのクルマに乗せてきて貰ったの」
お姉ちゃんが、にっこり笑いました。
わーい。すごい、安心感。
「ど、どうぞ、お掛けになってください」
元気が無くなったおじさんが、かべのところに沢山おいてあった、よびのパイプ椅子を持ってきました。
よびのパイプ椅子を受け取ったおやっさんさんとお姉ちゃんが座ります。
「も、もう一度、言いますが、家庭裁判所としては、親権の順位があるご親族に預かっていただくのが、一番だと思います」
「ああ。その件なんですがね」
ハルおじさんではなく、おやっさんさんが言いました。
おじさんのほうを見ながら、わたしの頭をおやっさんさんがなでます。
「この子の両親は家庭環境が、ちょっとばかり複雑でして」
パパのお父さんはもう死んでいて、パパのお母さんは、何十年も前からどこにいるかわかんないんだって。
パパのお父さんのことはパパから聞いたことがあったけど、パパのお母さんのことはしらなかったです。
ママのお父さんとお母さんは元気だけど、ママは、かんどう? されてるから、おやっさんさんがれんらくを取ってくれるんだって。
いるんだ? わたしの、おじいちゃんとおばあちゃん。
「し、しかし、小学生の女の子が、一人で生活は出来ないでしょう」
「問題ないわよ」
おじさんに、ぴしゃり、と、えりかお姉ちゃんが言います。
「あの・・・、あなたは?」
「テツさんの―――、この子の父親の、勤務先の娘です」
おじさんを、じろり、と、にらんでいます。
「ヒナちゃんが、学校から帰ったら、あたしがお世話しますから」
お姉ちゃんは、やさしいけど、怒ったら、すごくこわいです。
おやっさんさんは、面白そうにお姉ちゃんを見ています。
「母親、そっくりだな」
「何ですか?」
お姉ちゃんが、おやっさんさんを見返しました。
「いいや。お前さんも良い子に育ったもんだ」
「ヒナちゃんも、あたしも、ハルさんや、他のみんなも、テツさんは、絶対に帰ってくると、信じていますから」
お姉ちゃん。目ぢから? が、すごいです。
その日は、そこでお話しがおわって、クマさんのクルマで、ハルおじさんとクマさん、えりかお姉ちゃんとわたしは、おうちへと帰ってきました。
おやっさんさんは、かていさいばんしょでバイバイしました。
お仕事があるんだって。
お姉ちゃんとわたしは、いっしょにスーパーマーケットへお買い物に行きますが、ハルおじさんとクマさんは、社長さんとお話しするそうです。
お姉ちゃんが、みんなの分の晩ご飯まで作るって言ったら、ハルおじさんも、クマさんも、うれしそうにしていました。
お姉ちゃん、おりょうり上手だもんね。
大名行列⑥です。
お姉ちゃんおやっさんタッグの勝利!
次回、大名行列!




