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オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


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世界の違い ㉖

「意外なほど早く馴染んでいる様子よ」

「・・・そうですか。良いこと・・・ですよね?」

 この嬢ちゃんも複雑だな。


 本人の(からだ)は滅んだ国の王族だと言うし、中身は俺と歳が違わねえ元日本人だと言うし、今はこの国の貴族家現当主だと言うし。

 それらの立場を総合すれば、母国からの難民も無視できねえし、今の自国民を優先しなきゃなんねえ立場だしな。


 かといって体の年齢は子供で何をしようにも自分1人では実効性がねえ。

 だから、こうやって顔色を窺うように結果の善し悪しを訊かなきゃなんねえ。

 嬢ちゃんの心情を見抜いた様子でセリーナさんはニコリと笑う。


「ええ。とても良いことよ。でも、まだ機密に触れさせられるところまで選別ができていないわ」

「・・・選別・・・。間諜の疑いが晴れていないという理解で良いのでしょうか?」

「そういうことよ。もう少し経過観察の時間が欲しいわ」

 この人も為政者なんだな。


 上品に笑みを浮かべていても言ってることは怖えぞ。

 スパイの見極めが出来ていないから人目に付かねえようにやれ、ってことだろ?

 見つかったスパイがどうなるかなんて考えるまでもなさそうだ。

 嬢ちゃんも正しく理解したようで、自分の解釈が間違っていないか改めてセリーナさんに確認を取る。


「・・・では、目立たない場所に植樹する、と? 苗床に植え付けるのは、領主館の敷地内であれば人目に触れさせない形は取れると思いますが」

「そうした方が良いでしょう」

「・・・問題は植樹する農地ですよね」

 提示された条件を咀嚼した嬢ちゃんが難しい顔になる。

 だが、セリーナさんはすでに答えを持っている様子で、自分の右腕に目配せをする。


「人目に付かない場所といえば、ねぇ?」

「採掘場でしょうね。あそこなら領軍の監視も有るから、一般の領民や外部の者は近付きにくいでしょう」

 シェリアさんの答えにセリーナさんは満足そうに頷いた。


「それしか無いわね。フィオレ。採掘場の敷地内―――、は邪魔になるわね。採掘場の城壁外に植える場所を用意しなさいな」

「・・・あ。はい」

 セリーナさんの指示に嬢ちゃんが頷く。


 採掘場の外?

 森しかなかったと思うんだが、どうすんだろうな?

 俺の疑問は続くセリーナさんの言葉で解消される。


「またいくらかの木を伐る必要が有るでしょうけれど、場所と面積は貴女に任せるわ」

「・・・分かりました」

 了承を返した嬢ちゃんは思案顔になる。

 「苗を植える場所を用意しろ」ってのは森を伐採して開墾しろって意味かよ。


 そんなもん簡単にできるのか? と思うが嬢ちゃんに動じた様子はねえな。

 あの採掘場は嬢ちゃんたちが半月ほどの間に作り上げたと聞いたが、マジだったのか。

 何やら考えを纏めていた嬢ちゃんが自分のメイドへクルッと顔を向けた。


「・・・ディディエさん。作り直している堆肥ってどうなってるか分かる?」

「まだ少し発酵に時間が掛かるそうです」

「・・・そっか。ありがと」

 メイドの返事に頷き返した嬢ちゃんに、別のメイドが声を掛ける。


「苗床を用意しましょうか?」

「・・・そうだね。お願い」

 指示を受け取ったメイドたちが即時行動を開始する。

 退室していくメイドたちを見送った前伯爵がポンポンと嬢ちゃんの兜を叩く。


「おい。そろそろ着替えてこい」

「「はーい」」

 家族へのお披露目を終えた嬢ちゃんたちが、また合体して宙に浮いた。


 宇宙世紀の巨大ロボットでも、そうホイホイと合体しねえと思うんだが、この嬢ちゃんたちは気軽に宙へ浮いてスーッと移動していく。

 メイドたちが扉を開きに行って、扉へ向かう嬢ちゃんたちを見送った別のメイドがケイナたちに声を掛ける。


「ケイナ様とノーア様も行きましょうか」

「にゃ」

「いいえ。私は・・・」

 嬢ちゃんたちの妹だという猫耳の嬢ちゃんは素直に返事をしたが、ケイナは口籠もる。


 嬢ちゃんたちは、毎日、帰宅するとメイドたちの手で風呂場へ連行されていくからな。

 今も着替えて来いってことは、風呂に入って来いって指示だろう。

 現に、廊下で複数のメイドたちが嬢ちゃんたちを待ち構えているしな。


 そこへ猫耳嬢ちゃんとケイナに声が掛かったってことは、ケイナたちも風呂に入って来いってことなんだろう。

 旅の途中には風呂なんて入れねえんだし、ただでさえ家風呂ってのは貴族や金持ちの家にしか設備がねえんだ。

 遠慮せずに入ってくりゃ良いのにな。


 気軽に風呂へ入れる環境を整えてやるつもりなんだが、まだ出来ていねえからな。

 首都でさえインフラも十分に整っていない環境は、日本で生きてきた俺が体験したことのないものだった。

 王都で手に入れた俺たちの拠点もまだ風呂が付いていなくて、レイクスとの合流で必要な魔法道具を調達できる目処が立ったばかりだぞ。


「ケイナ様?」

「あ。はい。行きます」

 お? なんだ? 背中を押してやるべきかと考えているところへメイドがケイナに何か耳打ちすると、クルッと手のひらを返してケイナが了承した。


 何を言われたのかは分かんねえが、ケイナが頬を赤くしているところを見ると女同士のナニカなんだろう。

 つまり、俺が触れちゃあ拙いセンシティブな部分だ。

 大人しく風呂場へ連行されたケイナが戻ってきたのは、1時間以上、経った後だった。



世界の違い㉖です。


宇宙世紀超え!?

次回、模擬戦!?

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― 新着の感想 ―
新種世紀ジャあ 戦艦付属兵装や小型艦自体が追加出来て 合体搭乗常套手段な機体だらけよ……♬ ☆叔母様達も開発速度に呆れてたなぁ~!テツさんも協力しなくちゃ 女の子たちの楽しい時間気にしない気にしない(…
2026/08/02 12:53 あかマント
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