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オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


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世界の違い ⑦

「・・・つまり、この採掘場は迷宮だと?」

 嬢ちゃんの声を耳にした全員の視線が嬢ちゃんへ集まる。

 嬢ちゃんの視線を受け止めたレイクスは、確信を持った様子で頷き返す。


「そう考えて良いだろうね。昼間に視たときには、ここまで濃くなかったんだけど、夜に魔獣が活性化することを思えば、この時間の魔素が濃くなっている理由と考えても良いのかも知れない」

「・・・ははぁ。だから、夜の間にシカが増えてたんですね」

 嬢ちゃんも納得顔で深く頷き返している。


 何つったか、自然の魔素が集まってダンジョンが生まれるんだったか。

 確か、そんなことを言ってたな。

 そうすると、“魔獣は魔素から生まれる”という説も信憑性を帯びるというか、それ以前に、魔素が濃くなって魔獣が分裂した瞬間を俺たちは目撃しちまったからな。

 “ダンジョンの自然の魔素発生説”も信憑性を帯びてくる。


「何て名前だったっけ。“嘆きの祠”? あの死霊系の迷宮よりは随分と薄いけど、魔素の集まり方はそっくりだよ」

「・・・迷宮って魔力を集めるんですか?」

 レイクスが挙げた事例に嬢ちゃんは目を丸くする。


「少なくとも、“嘆きの祠”はそうだったよ。周囲から流れ込んでいく感じ?」

「・・・へぇ。そんなことまで視えるんですね」

 感心顔の嬢ちゃんに、肩を竦めたレイクスがヤレヤレと首を振る。


「視えるというのも良いことばかりじゃないんだけどね。今もテツなんてギラギラピカピカ光っていて目がチカチカするよ」

「縁起でもねえ。人をハゲ親父みてえに言うんじゃねえよ」

 変なフラグを立てんじゃねえ。


 お前らみたいに物理法則や質量保存の法則をガン無視する魔法の力を使うヤツらが言うと、本当になりそうで洒落になんねえだろうが。

 異世界的なハゲる呪いとか魔法とか有りそうで嫌なんだが、勘弁しろよ?

 俺の反論にレイクスが意外そうな表情で俺を見る。


「ツルツルとは言ってないよ?」

「俺はまだフサフサだからな?」

 そういう問題じゃねえよ。

 縁起が悪い話は止めろ。

 ほらな。嬢ちゃんまで意外そうな顔で俺を見てきやがる。


「・・・そんなに嫌なんだ?」

「ヒナに嫌われたらどうすんだよ。毛根なんて殴って解決できるもんじゃねえしよ」

「・・・そういう問題かぁ」

 他にどんな問題があるんだ? 大問題だぞ。


 ハゲるのも大問題だが殴って解決できねえのも大問題だ。

 何とか言う育毛剤のCMで毛根をブラシを使って頭皮を叩いて毛根を刺激するとか言ってたが、毛根を殴って何とかしようって夢を諦めきれねえ奴がいたんだろう。


 思想的な親近感は沸くが、そんなもんで何とかなる問題なら古代ローマ人や古代ギリシャ人や古代エジプト人も苦労しなかっただろうにな。

 ハゲの話はどうでも良かったようで、首を傾げた嬢ちゃんは別の疑問を口にした。


「・・・でも、迷宮だとすれば、どうして岩塩の採掘ができるんでしょう?」

「んん? どういうこと?」

 質問の意味を理解できなかったレイクスが首を傾げる。

 俺たちの顔を見上げて嬢ちゃんが眉根を寄せる。


「・・・ナーガ川の上流で見付けた迷宮は干渉できなかったんですよ。魔獣の討伐に使ったゴーレムが魔力の制御下から離れた途端、ゴーレムが迷宮の一部になりました」

 は? 何だ? そりゃ。


「迷宮の一部になる?」

「どういう状態だ?」

 嬢ちゃんの言うゴーレムってのは、あの石像のことだろ?

 あんなのがダンジョンの一部になった? 取り込まれたってことなんだろうが、意味分かんねえし、状況が分かんねえ。


「・・・迷宮の構造体―――、壁や天井を壊せないっていうか、そんな感じ」

「ほほう」

 馬鹿デケえ鹿の首を軽々とへし折る嬢ちゃんでも破壊できねえ壁や天井ねぇ?


 硬度的に嬢ちゃんのパワーでは壊せなかったのか、異世界的な何らかの不思議パワーで拒絶されたのか、いくつかの可能性は考えられそうだが、ダンジョンに取り込まれるってのは、ちょっと洒落になんねえな。

 状況によっては踏み込むだけでも危険じゃねえか?


「・・・制御を奪われると迷宮の魔力に染められて、“他者の魔力には干渉できない”ってあの感じになるんです」

「それは興味深いね。そこって砂糖が採れるって迷宮のことだっけ?」

 嬢ちゃんの言わんとしていることが理解できたレイクスも興味を持ったみてえだな。

 砂糖の? ははぁ。例のダンジョンか。

 ひとクセ有りそうだな。


「・・・泊まり込んでの探索もできるように防衛拠点を作ってから帰ってきたのですが、私たちは他の案件が山積みになっていて探索しに行けないんです」

「それでドネルク殿に探索依頼を出したんだね」

「・・・はい」

 レイクスの確認に嬢ちゃんがコクリと頷く。

 レイクスがクルッと俺に顔を向けてくる。


「そうなんだって。テツ」

「何で俺に言うんだよ」

 言いたいことは分からなくはねえんだが、余計なことに首を突っ込もうとすんなよ?

 この野郎・・・。

 視線に諫める意図を乗せたつもりなんだがレイクスは軽々と跳ね返しやがった。



世界の違い⑦です。


ハゲる魔法!?(ガクブル

次回、必要性!?


※ ちょっと色々ありまして大遅刻です!

  ごめんなさい!

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― 新着の感想 ―
テツさんキンキンキラキラなん フィオレちゃんは「魔力制御」が出来るからネエ! 「砂糖」の迷宮探査もしなきゃね お仕事山積みだぃ……☆
2026/07/15 23:54 あかマント
毎日素敵な物語をありがとうございます。 日に3篇もで物語を紡がれるのですから (ほかの作者様方と比較してもかなりのハイペースなのでは?) ご無理なさらないペースにされても 読者は受け入れると想像します…
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