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オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


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南の町 ㉖

「うわぁ・・・。ここって随分と魔素が濃いんだね。迷宮みたいだよ」

「・・・迷宮!? やっぱり!!」

 レイクスは嫌そうに眉根を寄せているのに、嬢ちゃんは手を叩かんばかりに嬉しそうな声を上げた。

 意味分かんねえな。


「いやいや。僕も迷宮を“視た”経験は“嘆きの祠”の1度しか無いし、魔素の溜まり方が迷宮に似ているってだけで、ここも迷宮かどうかの確証はないからね?」

「・・・むー」

 意味が分からないなりに困惑顔のレイクスが嬢ちゃんに釘を刺す。


 喜びに水を差された嬢ちゃんはプクッと頬を膨らませている。

 何か、根本的な部分で認識に食い違いが有るっぽいんだが、どうすっかな。

 訊いた方が早えか。


「やっぱり、っていうのは?」

「・・・毎日、3分の1ぐらいまで減らしても、翌朝には元に戻ってるんですよ」

「ええ・・・」

 嬢ちゃんが指したのは囲いの内側だ。


 恐らく、というか、間違いなく鹿のことだろう。

 何を指しているのを察したのだろうレイクスが本格的に嫌そうな顔になった。

 今、この通路の上では、初めて見る銀髪の子供たちが投げ縄や弓を手に囲いの底を覗き込んでいる。

 穴底に居る鹿をロープで吊り上げて弓で射殺した後は、囲いの外の地上に停めた荷馬車に積み込んでいるみてえだな。


 これが嬢ちゃんの言う「出荷」ってヤツか。

 さっき嬢ちゃんが口にしたことを整理するなら、「毎日の出荷で3分の1まで鹿の数を減らしても、翌日には元の数に戻る」って意味で良いんだよな?

 ゲーム内に配置されている雑魚キャラクターみてえな印象なんだが、マジか?


「元に? リポップしてんのか」

「りぽっぷ、とは?」

 嬢ちゃんに向けた確認に、嬢ちゃんよりも先にケイナが反応した。


 日本人でもゲーム慣れしていなきゃ「リポップ」なんて言われても分かんねえわな。

 英語由来のゲーム用語なんだろうが、英語圏の人間でもゲーム慣れしていなけりゃ意味が通じねえ可能性が有る。

 そんな用語を使ったら、そりゃあケイナには伝わんねえな。


「おう。悪い悪い。“湧き直す”って意味だ」

「“わく”というのは、“虫が湧く”だとか、そういう意味と同じですか?」

 言い換えてやれば、真面目なケイナは意味を細かく確認してくる。

 学習意欲が有る子供に知識を伝えて見識を広げてやるのも大人の役目だ。


「そうそう。例の死霊系ダンジョンでも、狩ってしばらくすると幽霊が沸いてたろ」

「そうだったんですか!?」

 直近の体験に準えて分かりやすく例えたつもりなんだが、ケイナに目を剥いて驚かれた。

 マイペースにダンジョン内で騒いでいたレイクスは驚いちゃいねえのに、と首を傾げれば、「なに言ってんだお前?」と言わんばかりにレイクスも俺に視線を向けてくる。


「それが分かるのってテツだけじゃない? 僕も障害物越しだと視えないし」

「それもそうだな―――、ああ、いや。フィオレの嬢ちゃんも分かるんじゃね」

「ああ。確かに」

 レイクスには“目”が有るし、俺には危険物センサーが有る。

 俺たちと同様のことが出来るとすれば、「魔力が分かる」と言っていた嬢ちゃんぐらいかもな。

 レイクスと俺の2人から目を向けられた嬢ちゃんには意味が伝わらなかったようで、キョトンとした顔で首を傾げている。


「・・・私?」

「障害物が有って見えていない場所でも、嬢ちゃんなら迷宮内で魔物の数が増えれば分かるんじゃねえの?」

「うんうん。魔素の反応が分かるって言ってたよね」

 レイクスと2人で補足を加えれば、首を傾げたまま何かを考えるようにしていた嬢ちゃんが頷き返してきた。


「・・・アクティブソナーでですか。幽霊が強い魔物なら分かるでしょうね」

「条件付きなのか?」

 何だ、そりゃ?

 意味が伝わらなかったことで、嬢ちゃんは不本意そうに首を振る。


「・・・迷宮って魔力が満ちていて探知しにくいんだよ。むしろ、“勘”の方が探知しやすいんじゃないかな」

「煙幕の中の敵を探すようなもんか。そりゃあ危険物センサーの方が向いていそうだな」

 言われてみれば、そうかも知んねえ。


「・・・そんな感じ。私も渡河地点の迷宮しか知らないから、迷宮がどんなものか明確に理解しているわけじゃないし」

「そういうもんか」

 ほーん? てことは、この場にはダンジョンに詳しいヤツが1人も居ねえんだな。


「この場所が迷宮だとして、バイコーンが湧き続けるということは、ずっと狩り続けられるということですか?」

「・・・そう! それだよ!」

 ケイナも理解が追い付いたようで、確認したケイナを嬢ちゃんがビシと指した。


「・・・バイコーンの出荷作業は決まった手順が確立されてるからね。領軍も領民も順に作業して貰ってるんだよ」

 ダンジョン産の肉ねぇ・・・。

 ドヤ顔で胸を張ってるところ悪いんだが、食品の安全にはウルセえ日本国民としては、不安を覚えちまうな。



南の町㉖です。


食品安全管理!?

次回、早口!?


※なろうのサーバーって反応遅くない?

 というわけで今日も遅刻です!

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― 新着の感想 ―
ゲーム言語に限らず若者言葉や世代間ギャップによって「ほ~ん、なに言って…」なるよね テツさんの危険物センサー最強確定(笑)食品の安全基準を日本なみになどドンだけ~ハードルなん?
2026/06/16 19:18 あかマント
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