表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

329/336

転生者 ④

「ねえねえ。あのゴーレム、どうやって作ったの?」

「・・・教えても良いですけど、代わりに精霊魔法を教えて貰えますか?」

 ニコリと笑って銀髪の嬢ちゃんに交換条件を突き付けられて、レイクスが黙らされた。


 ヤルなぁ。

 1撃で魔法道具オタクを撃沈させるとは切れ味良いじゃねえか。

 しょんぼりしたレイクスが引っ込んだと思えば、今度はケイナが首を傾げる。


「精霊なら、もう憑いてますよ?」

「・・・んん? ついてる?」

 ケイナから指摘された嬢ちゃんは意味が伝わらなかったようで首を傾げる。


「フレイア様も、ルナリア様も憑いてますね」

 銀髪の嬢ちゃんの両隣へと視線を移したケイナのさらなる指摘に前伯爵も、困惑顔で首を傾げている。

 ケイナは「精霊なら」と前置きして指摘しているのだから、聞き逃したのでもなければ「何が?」とは思わねえだろう。


 問題は精霊の性質だ。

 俺の目に見えねえように、精霊ってのは目に見えねえのが当たり前らしいんだよな。

 事実なのか狂言なのかは他人の目には判別が付かねえし、受け止める側次第でどうにでも難癖を付けられる。


 だってなぁ。

 指摘された本人は、指摘された今現在も精霊の存在に気付いていねえんだぜ?

 ケイナは良かれと考えてのことだったのだろうが、危なっかしいから迂闊に教えねえように注意するしかねえな。

 俺の憂慮を吹き飛ばすように元気な声が室内に響く。


「ルナリアで良いわよ! その代わり、わたしもケイナって呼んで良いかしら!」

 何かと思えば、金髪の嬢ちゃんが真正面に座っているケイナをロックオンしている。

 輝くような邪気の無い笑顔に、ケイナが困惑を顕わにする。


 フレンドリーなのは良いんだが、相手は公職閣下本人だからな。

 同年代に見える友好的な同性の出現に、ケイナも興味津々なのが目に見えて分かるし、嫌がっているわけじゃなく喜んでいるのは間違いねえ。

 ただまあ、だからと言ってダボハゼみてえに食い付くほどケイナは愚かじゃねえ。


「私は構いませんが、私がルナリア様を呼び捨てにするのは、いかがなものでしょうか」

「・・・あ~。良いの良いの。どうせテレサに会ったら呼び捨てを強要されるだろうし、私のこともフィオレで良いからね」

 慎重に返したケイナに向かって銀髪の嬢ちゃんがパタパタと手のひらを振る。

 また唐突に知らねえ名前が出てきたな。


「テレサさん、ですか?」

「・・・ケイナちゃん。王都へ戻ったらテレサに会うと良いよ」

 首を傾げるケイナに銀髪の嬢ちゃんが真面目な顔で追い打ちを掛けるが、「誰だ?」って訊いてるのに質問の答えになっていねえじゃねえか。

 説明を避けるような銀髪頭の答えに、慎重なケイナがツッコんで質問を重ねる。


「その方は、どういった方なのでしょう?」

「・・・この国の第三王女殿下なんだけどね。気が合うと思うし」

「あ~。分かる~。感じが似てるものね!」

 ナイスだケイナ。

 銀髪の嬢ちゃんが説明を避けようとした相手の正体はこの国の姫さんだと。


 コイツ・・・。王女にケイナを売り込むつもりじゃねえだろうな。

 金髪の嬢ちゃんも気軽に同意してんじゃねえよ。

 王都の拠点へ戻った途端に王城へ呼び出しとか冗談じゃねえぞ。

 介入して止めさせるべきかと考え始めたところで、本格的に困惑顔になったケイナが撤退を試みる。


「私などが王女殿下とお会いするのですか? それは、ちょっと・・・」

「・・・そう? テレサのことだから、放って置いても勝手に来ると思うけど」

 マジかー・・・。遠慮しようとしたケイナに王女が会いに来ると予言された。

 絶句しているケイナに空かさず金髪の嬢ちゃんが追い打ちを掛けてくる。


「テレサに会ったら、わたしたちの友だちだと言えば良いわよ!」

「お友だち、ですか」

 未だ困惑から回復しきれていないケイナが金銀娘たちの連携に追い込まれる。


「・・・そ。友だち。テレサからも間違いなく“友だちになれ”って要求されるだろうから、覚悟しておいた方が良いよ」

 何だ? その傍迷惑な予言は。

 ケイナが恥ずかしそうに俯いて小さくなる。


「その・・・。私、お友だちというものを、よく知らないのです」

「そうなの?」

「・・・ふむ?」

 絞り出すようなケイナの告白に金銀娘たちも口を噤む。


 限界集落の郷ではケイナに友だちは居なかった。

 周りに居るのは遙かに年上の年長者ばかりで、ケイナの他に子供がいなかったんだから、そりゃあそうだろうよ。

 そんなケイナに、友だちになろうと申し出てくれた子供たちが居る。


 細けえ事情を差っ引いて聞いてりゃ、悪い話じゃねえんだがな。

 とても有り難え話だし、ケイナにも友だちが出来てくれればと願っても居る。

 だからと言って、いきなり公爵と伯爵に迫られて王女も来ると予言されれば、面食らいもするに決まってんだろ。


 礼儀作法で言えば、しっかりと教育を受けているケイナなら問題なく乗り越えるだろう。

 ケイナの身なりを整える程度の稼ぎを生み出すぐらいは、どうとでもなる。

 だが、後ろ盾となる国を失ったケイナの立場は平民で、友だちが王女と高位貴族ばかりとなれば、ケイナじゃなくても腰が退けて当然だ。

 俺よりも先に見ていられなくなったレイクスが妹を助けに入る。



転生者④です。


限界集落出身者!

次回、初めての友人!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ