表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
32/413

文明回帰への一歩 ⑪

 一通り、骨格観察は堪能したので、日が落ちきる前に焚き火を熾し、蛇肉を炙る。

 体が慣れてきたのか、蛇肉を食ってのポカポカが、少し弱まってきた気がする。

 蛇肉の不思議ちゃんパワーの度合いを、このポカポカ具合が示すのだとしたら、宜しく無い傾向かもしれない。


 コンピューターゲームのプレイヤーキャラクターの育成でも、初期の弱い獲物を狩り続けていれば、そのうち成長は伸びなくなってくる。

 同じ現象が触角ヘビと俺の間でも起こっている可能性が有るな。

 だとしたら、早急に新たな獲物と、新たな狩り場を見つける必要が出てくる。


 焚き火の炭に落ちた蛇の脂が、ジュ、と、小さく煙を上げる。

 爬虫類でも脂は有るんだな。

 獣脂が焦げる、良い匂いを漂わせている。


「―――、!!」

 来たか?

 危険物センサーが反応した。

 来るんじゃないかな、と、思っていた。


 かぶりつこうとしていた蛇肉ローストの枝を、音を立てないように地面に刺し直し、背後の樹に立て掛けてあった翼骨へと手を伸ばす。

 胡座で座り込んだままだが、両脚へと力を込め、不意打ちにも反応できるように尻を浮かせる。


 この脅威度は、慣れ親しんだ触角ヘビでは無いだろう。

 首の後ろから背中にかけて、ピリピリと神経を逆撫でするような危険反応を感じるが、黒トカゲの圧倒的迫力に較べれば、どうということはない。


 だいぶ、トカゲに毒されてるなあ、俺。

 危険物が接近してきているのに、苦笑が出る。

 脅威度の基準が馬鹿デッカいドラゴンだから、ビビる気持ちは、これっぽちも無い。


 さあ、どこから来る?

 野生動物は火や明かりを恐れる、なんて聞くけど、嘘だ。

 俺の経験上、煌々と明かりが点いた山の中の土木現場でも、狸やキツネ、ツキノワグマまで出没した。

 食い物の誘惑は、明かりへの恐れよりも強いのだ。

 

「―――、!?」

 後ろか!!

 翼骨を掴んで焚き火を跳び越え、背後へと身構える。


 かさり、かさり、と、枯れ葉を踏んで、俺が背にしていた大木の幹の後ろの暗闇から、焚き火の薄明かりに照らされて、赤っぽい光が二つ滲み出してきた。

 これは多分、獣の眼の底を照らした眼底反射光だ。


「おいおい。思ってたよかデケエな・・・」

 確実に、牛よかデケエ。

 頭を低く身構えた状態ですら、肩の高さが俺の背丈と同じぐらい有る。

 ベンガルトラなんかだと、成獣だと全長2.5メートルぐらいあるんだっけ?


 コイツ、明らかに、それどころじゃあねえ。

 何たら姫とかいうアニメ映画のボス犬みたいなサイズ感だ。

 効く、か、どうかは分からないが、翼骨を振り回すには樹の近くは不利だろう。

 下段に得物を構えたまま目を離さずに、じりじりと後退する。


 あの断崖を、どうやって越えてきたのか、非常に興味はあるが、某ムツ〇ロウさんじゃあねえんだから、俺にはケダモノとコミュニケーションを取る手段は無い。

 薄い灰色がかった白い毛並みは、昼間に見たヤツだと思う。

 立派な体躯に美しい毛並みは、神々しさすら感じさせる。


 グルルル、と、鼻筋に皺を寄せて喉を鳴らすオオカミは、俺の後退速度よりも速い程度の歩速で、闇の中から全身を現した。

 ほらな。焚き火なんて恐れやしねえんだ。


文明回帰⑪です。


オオカミ!?

次回、死闘!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ