↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オジサンはお家に帰りたい ~ 粉砕!! 異世界迷子オジサン  作者: 一 二三


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/508

文明回帰への一歩 ⑨

 この鱗を拳でブチ抜くには、まだ、俺の不思議パワーは足りていないようだ。

 パズルよろしく凹凸を合わせて、生前の鱗の折り重なりの再現を試みる。

 一枚づつの鱗が、縦横半分ぐらいの長さで交互に重なって、中世中国の“魚鱗甲”みたいな鎧状を形作るらしい。

 ヒナの夏休みの自由研究課題のヒントになればと、古代中国展とかいう博物館の展示へ行ったときに見た。


 この硬さの鱗が、最低でも二枚は重なっているのだから、まともに殴っても、貫くのは難しいかもな。

 しかし、こんな硬さの鱗が全身を覆っているのだから、胴体が90度に折れ曲がるような、体の柔軟性は無いはずだ。

 スピードで翻弄して、胴に取り付いて、何枚か鱗を引っ剥がせば、ワンチャンあるか?


 改めて手に取った鱗を、横から見たり、裏返したりして、矯めつ眇めつする。

 土に塗れた鱗が、かなり青っぽく見えるので、ドラゴンというのは、個体ごとに色が違ってカラフルなのかもしれない。

 ゲームキャラクターでも、ドラゴンってのはカラフルだしな。


 遠景で俯瞰すれば、恐竜の首長竜が、一番近い形状だと思う。

 プレシオサウルス、だったっけ?

 ただし、首の長さと尾の長さは、逆ではないだろうか。

 確か、首長竜は、尾よりも頸のほうが長かったように、記憶している。


 昔やった現場で、日本では珍しい首長竜と疑われる化石が出土した、とかで、基礎工事を1年近くも考古学調査の発掘作業で止められて、ミニチュア骨格模型片手の考古学者に、熱心に考古学的価値を語られたんだよ。

 正直、建築主との納期調整のほうが問題で、考古学的価値なんて、どうでも良かった。

 しかも、詳しく調べてみたら化石じゃありませんでした、とか、笑えねえオチが付いていた。

 

 全長は・・・40メートル弱かな。

 あの黒トカゲに較べて、この白骨の持ち主は、二回りほど小さな体躯だったようだ。

 首長竜の四肢が、海中での遊泳に適した櫂(かい)状に進化? 退化?した、平たいものなのに対して、ドラゴンの四肢は、ぶっとい丸太のように、がっちりしている。


 記憶にある黒トカゲの四肢の太さと白骨の骨格を比較して、コイツの四肢の太さの相当部分は、筋肉ではなく骨格が占めているように思える。

 この骨を圧し折るのは文字通り骨が折れそうだ、と、くだらない駄洒落を考えるのと同時に、そんな筋肉量で、あの巨体を支えられるものなのか? と、疑問に思った。


 考古学者に見せられたミニチュアと、この白骨の決定的な違いは、前肢を支える胸骨の背骨側に、骨盤のような大きな蝶型の骨があることだ。

 この骨は、アレか? 蝙蝠翼を支える部分か。


 人間が骨盤を砕かれたら、歩くどころか立ち上がることさえ出来なくなる重要な骨だ。

 敵前逃亡を躊躇わなかった黒トカゲの再逃亡を阻止するには、狙い目かもしれない。

 黒トカゲを、ぶん殴ることしか考えていない俺としては、飛ばれると困るのだ。

 とはいえ、ドラゴンの骨格が、飛行に適しているとは思えないんだよなあ。


 鳥類は空を飛ぶため、体を軽量化するのに骨までスカスカで、鳥の骨は簡単にポキポキと折れる。

 肋骨らしき弧を描く太い骨をコンコンとノックする。

 ドラゴンの骨は、密度がギッチリと詰まっている様子で、いかにも硬そうだ。

 そもそも、あの薄っぺらい皮翼で、あの巨体を飛ばせられること自体が、物理法則に反しているように思う。


 周囲を見廻すと、翼のものらしき細くて長い骨を見つけた。

 腐り落ちて自然へと還ったのだろう、翼の皮膜は無い。

 こんな翼で巨大生物が飛ぶなんて無理だろ。

 骨が俺の腕よりも細い。


 すると、トカゲ族は、何らかの不思議ちゃんパワーで自重を軽くする方法か、翼を強化する方法を持っているわけか。

 黒トカゲが落下中に、まともに飛べていなかった理由としては、俺という想定以上の負荷(ウェイト)が掛かって、不思議パワーに不具合が出たか、最大積載量を超えた可能性が考えられるな。

 だとすれば、鎖分銅みたいな重石を巻き付けてしまえば、飛べなくできるかも知れん。



文明回帰⑨です。


鳥ガラ!?

次回、イメトレ!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。