第1節の競技決定
「ちょっといいか?」 食堂でさっさと夕飯を済ませ、部屋付きのバスルームでシャワーを浴びた後くつろいでいると、ドアがノックされて、出てみると鬼島がいた。
「あ、ああ、ま、入るか。あまり綺麗にはしてないけど、よかったら。」 来て二日目で、元から綺麗だったこともあり、まだ1度も掃除していなかったので、一応謙遜した。
「じゃあ、ちょっと邪魔するな。」 で、部屋に丁度2つあった椅子に、テーブルを挟んで向き合って腰かけた。
「ズバリ、1発目の競技は何になると思う?」 鬼島が俺の目を見ながら訊いて来た。
「さあな。6以下ってことは、各マーク5つづつで、4×5=20候補あるからな。」
「そうだな。20分の1だからな。ところで、何と何があったか、憶えてるか?」
「まあ、だいたいな。」 正直、半分くらいしか覚えていなかった。そんな自信無さげを見抜いてか、鬼島はにやり笑って、
「スペードが、かくれんぼ、ダーツ、鬼ごっこ、雪合戦、缶蹴り。ハートが、集合ゲーム、ジャンケン、大声伝達ゲーム、フルーツバスケット、双六。クラブが、玉入れ、三角ベースボール、駅伝、ボーリング、綱引き。ダイアが、あみだくじ、スロットマシン、リスクボックスソフト、スイカ割り、ルーレットだ。」 まじかよ、全部憶えてやがる。目を丸くしてる俺に、鬼島は更に続けた。
「正直、何だこりゃ?ってのもあるけど、競技内容がおおよそ分かるのもある。おおよそ、スペードは、バトル系。クラブは、スポーツ系。ダイアは、ギャンブル系。ハートは、それ以外ってとこだが、他の連中とチームの顔ぶれからして、知的勝負が出来る物ほど有利で、体力勝負になるものほど不利だ。」 そう云われて、教室での女子達の様子を思い出していた。
「クラシックが得意なん?」
「聴いたことある曲やったら、だいたい弾けるえ。」
「ほな・・・」 御藤さんがリクエストした曲は、40歳の若さで不慮の事故で亡くなった人気シンガーソングライターの代表曲だったが、女川さんも大好きだった様で、それをきっかけに、ドレミの演奏に合わせて3人で仲良く歌い出した。随分楽しそうだった。それにしても、ドレミは演奏だけじゃなく、歌もかなり上手い。結局関西弁の2人のぺちゃくちゃの話しを交えながら、休憩時間はずっと3人で歌っていた。大人しい女川さんも、名前通りなのか音楽が大好きな様で、歌っている時は明るかった。鬼島も俺も、それを邪魔することなく、見守っていた。まあ、時々曲に合わせて、勝手に鼻歌程度に口ずさんだりはしていた。鬼島もまんざらでもない様で、音楽の流れる教室で和んでいるみたいだった。




