30/78
山川の庄
山川の庄に戻ってきた
疲れ果てた隊員たち、出陣の時に150人居た部隊は
75人まで減り、うち約50人が負傷して村まで帰還した
村の入り口まで村人が出迎えていた
走り出し抱き合う家族、恋人、兄弟たち
姿が見えず迷い探す人、泣き崩れ座り込む人
おタカとその家族もまた和希に近寄る
(おかえりなさい)おタカ
優しい笑顔で主人に話しかける
(すまぬ)和希
(兄上、勇殿は私を守って討ち死にした)和希
笑顔から厳しい顔になり今にも泣きそうだった
(出陣に際に兄は、お前の旦那は死んでも守ると)おタカ
(そう言い出て行きました)おタカ
(お役にたったのですね)おタカ
言い終わると笑顔で私に抱きついた
数分の時間が過ぎた顔は見えないがおタカの目から大粒の涙が
肩を濡らしていたのを和希は気づいていた。




