異世界トリップ×魔法のお話『練習用』
大壺にエルフの涙、ウィリス国の聖なる大地の砂、クロッツェの葉を3枚入れてアリスティア滝の水で15分煮込む。そして、最後に蜥蜴人間の鱗を2枚ほど入れるのだが。
「むっ?」
ない、今、手に持っている小瓶に蜥蜴人間の鱗が入っているはずなのだが透明な小瓶の中は空っぽだ。私はこの物が散乱し、薄暗い部屋で一応、探したが見つからない。確かあれは、光り輝く緑色で見つけやすいはずなのだが、この部屋のどこをどう見てもない。
「はぁ」
屋敷から出て街へ買いに行くのも面倒くさいな。だが、蜥蜴人間の鱗は今、急速に欲しい。仕方が無い、ここは召喚して鱗をもらうか。別に貰ったら屋敷から放り投げ、さよならすれば良いだけの話。
「さてと」
指先一つ動かせば物は自ら動き、直径1mくらいの魔法陣が描けるスペースを作ってくれる。これだから、魔法と言うのは大変便利だ。私は手近にあったチョークで、その空いたスペースに複雑な円と文字を書く。
「こいっ!」
描き終えた円の中心に立ち、右腕を前に突き出すと私が愛用する先端に水晶玉が付いた杖を呼んだ。そう、これは召喚するために必要な道具である。確か、最後に使ったのは3年前くらいで、使え終えた時適当に置いたため自分自身、どこに置いたのか覚えがないから、こうして呼ばないと私の手元に来ない。
ガタガタ…ガタゴト……メシッガガガガ、ゴリッ
杖は本が乱雑に置かれた山の中から歪な音を出し部屋に響かせながら私の手元に収まる。
「よし」
そして、私は召喚の呪文を唱えると、目の前に人が三角座りをしたくらいの大きさの竜巻が起こった。その竜巻の中には黒い影が見える。これが、蜥蜴人間だ。次第に竜巻は晴れて行き、中から出て来たのは。
「痛っ!」
「なっ!人間だと」
蜥蜴人間ではなく人間が出て来てしまった。
異世界トリップ×魔法のお話の冒頭部分の練習用なので中途半端にお話が終わっています。しかも、短い。