未来の砂を進む
「と言うわけなんだよ。ベクトル大将は最後に逃げて欲しいと言ったけど笑ってるばかりで逃げはしなかった。」
「…そうか。」
壁越しに会話が聞こえてくる。
ぴったりと壁にくっ付いてるとアイスト中将にサイバーが声を潜めて焦ったように話しかける。
「アイストさん!このままじゃシャイちゃん死んじゃいますよ!」
「でも逆にロスはどうするんだい?少し落ち着きな。あー、でもシャイがこんなタイミングで打ち明けるのは予想外だ。」
アイスト中将も焦っている。しかしどうしようもない。
門に待たせているアニータも少し心配。
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「お前は俺をどうしたい?もうそんなことは関係ない。」
「ロス…」
「もう隊長は死んだんだ。…死んだんだよ。」
シャイニングの方へ銃をむける。…まだ迷っているようにさだまっていない銃はまるで心をうつしているようだ。
そんなときに一つ思い出した。
あの会話の続きだった。前日の夜に話した内容の続きだ。どうして忘れていたんだろう。
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「はあ…。」
「あ!お前またテキトーに流そうとして!」
「いや、隊長。急過ぎて全然文脈ないし。」
「そんなこと言うなよ、ロス。だいたいお前にとっての心の在りどころはここなんだから。」
ニコニコしながら頭を混ぜるように撫でてくる手をうっとおしく思うが手で払うのも面倒なので放っておく。
「心の在りどころ、ですか。」
「そうだ。お前は今こそ落ち着いてはいるがここに来たばかりのころはひどかったぞ。誰も信じない、と顔にかいてあった。」
隊長が撫でるのをやめて静かに言う。
「お前は俺を隊長だと言うが本当の隊長はお前だ。これからお前がつくった隊がお前の心の在りどころになるから。お前の才能も努力もきっと分かってくれるやつがくるよ。」
「隊長が隊長だと名乗ったんですよ。」
「そうだったな。…お前はお前が思っているより好かれてるよ。少なくとも俺は1人知ってる。いい友達じゃないか、ロス。大切にな。」
そうか、もう隊長がいなくなると会話から何と無く察していたんだ。だけど忘れたくて悲しくて無かったことにしたんだな。
友達、か。
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バンッ!
「何固まってんだよ。シャイニング、目を開けろ。」
ロスが撃ったのは向かいにいた憲兵隊だった。
「シャイニング走れ!西門に行け!」
ロスがそのまま近くにいた奴らを蹴っ飛ばし、銃を憲兵隊の1番偉い大佐に突きつけながら言った。
「ロスは⁈ 」
「…いいから行け!間に合わなくなるぞ!」
「置いては行けないよ!」
そう言うとロスは舌打ちをした後苦い顔をしている。
「何故だ!俺に逆らったら殲滅部隊にはいられなくなるぞ!」
銃を突きつけられてるやつが言う。あ、居たんだった。忘れていたよ、面倒くさいやつだな。
「俺にはもうあそこはいらない。俺にとって大切な物は隊長じゃなくてあいつらが持ってる。…シャイニングさっさと行け!」
蹴りとばされた奴も段々回復してきて囲まれつつある。でもロスを置いては行けない。どうする⁉︎
その時、ドアが凄い音を立てながらあいた!
「僕らは柳箕廻隊だ!隊長をたぶらかしてシャイちゃんを襲ったやつの首をとりにきました!」
ザシュッ‼︎ ザッ!
一気に2人の首をはねる、サイ。
パンツ!
ロスはその時には1番偉いやつの頭を撃ち抜く。
「遅い、サイバー!何分かかってんだよ!」
バンッ!バンッ!
またロスは銃を構えようとするやつの手を叩いて落とす。そのままもう一人の方に投げてから心臓に二発撃った。
あっという間に全員殺したときにアイストが顔を覗かせた。
「シャイニング無事?」
「アイスト!何故ここに?」
不思議に思い問いかけるがロスに遮るように担がれた。
「話は後にした方がいい!ブレイドは?」
「はい、ここに!もうすぐ増援が来ます!先に逃げて下さい!」
「チッ!お前も行くぞ。足止めはいらないからな。アイスト、準備は?」
「バッチリだよ!」
ロスはそのまま走り出した。
アイストはブレイドが背負っている。アイストは足も早くないらしい。
そのまま建物中を凄いスピードで走り出す。
西門にも何人もの憲兵がいたがロスは気にせずに走る。横を通り抜けていくものが銃弾じゃないことを祈る。
向かいから同じく凄いスピードで走っている車がいた。
キキッ!!
「はやく乗って!」
「ん。」
「アニータナイス!」
「ビースト中将助かりました。」
3人は飛び乗るように乗った。
「よし!じゃあ行くよ!」
そのまま凄いスピードでバックしながら進む。
「あ、門が閉まりかけてるよ!」
思わず声をあげる。
「よし、ブレイド。あの赤レバー下に下げれる?」
アイストが言った方向に赤レバーがあるらしい。
「はい、余裕です。」
バンッ!
門が閉まりかけたまま止まる。
「よし!このまま突っ走るよ。」
『おぉ!』
そのままシャイ達は脱出に成功した。




