機械の歩き方
とうとう、休めと言われた。
むしろ休めと言われただけの方が不思議だ。どうして追い出さないのだろう?明らかにうちの行動は可笑しいはずなのに。
「はやく、はやくこの隊から出たい。」
1人の呟きは自分の真っ白な部屋に吸い込まれて行った。
よく考えるとうちの部屋にはベッド以外のものが無い。それはうちの物がすくないからではなく、すべてあの皆が集まる部屋に置いてあるからだ。うちのCDも着替えもそこにある。あの部屋は恐ろしく広いし人が来ない。だからあの部屋はうちらの隊の全員の部屋とも言えるだろう。
それだけ、うちがあの隊に心を許している。
「だめだな折角の休みだ。新しいCDでも買いに行こう。」
今はあれ以上思考を働かせたらいけない気がした。
**************
「う〜〜〜ん。これもいいなぁ、どれにしようかなぁ。あ!ブレイドはなんのアイスがいい?」
どうしてこうなった!
うちは今から15分前目当てのCDを買い、さぁ帰ろうというときにサイに遭遇してアイス屋に連れ込まれた。
「うちはバニラがいいなぁ。」
「分かった!僕はイチゴで!」
そして2人で座ってアイスを食べていた。
「美味しいね!」
「うん、美味しいね。」
サイはずっとニコニコしている。心配じゃ無いんだろうか。
「ねぇ、うち最近遠距離で外しまくってるんだけど大丈夫かなぁ。」
そう言うとサイは
「ぅん?大丈夫だよ!そうゆう時は誰にでもあるからね。」
「でも、うちもしかしたらこの隊やめさせられるかもよ?」
「大丈夫だよ!」
とサイは言った。うちの目を見ながらもう一度言った。
「大丈夫だよ!隊長がそんな事させないよ。」
「なんで隊長が?」
普通むしろ逆でしょ。
「凄く間抜けな顔してるよ。隊長は全然疑って無かったからね!」
「あんなに変なミスしたのに?」
「うん、全然。ついでに言うと僕は少し心配してるけど隊長が何とかしてくれると思うから問題ないよ。」
サイは最後のアイスを食べ切りながら言うと席を立ち居なくなってしまった。
気分転換に来たのに意味が無くなってしまった。
隊長はうちを信じているのだろうか。
結局2日間も使って色々なことをしたのになにも変わらなかった。だから最後の1日はダラダラ過ごすことにした。
その間にも皆は任務に行っていて、凄く大変そうだった。今は戦場にはサイと隊長しかいない。うちの代わりは隊長がやっているらしい。でも、何でかサイより隊長のほうの怪我が多いようだ。遠距離はそんなに喰らわないはずなのにな。
あーあ、つまらない。でもそれも今日で終わり、明日からまた任務だ。そして明後日にはさようならだ。
あ、シャイちゃんの所に書類おかないとなぁ。すっかり忘れてた。
シャイちゃんの机に行こうと扉を開けると人が寝ていた。
近付いて誰か確かめた瞬間、うちの喉が小さく震えていた。そこで寝ていたのは隊長だったのだ。
なんで此処に?いや、それよりチャンスじゃないのだろうか?此処だったら完璧にばれるが完璧に殺せる。そう、うちはこれを殺さないといけないのだ。
一歩近づく。もう少しもう少し…ハンドガンを眉間にくっつけるように構える。
さぁ、後は引くだけだ。隊長は起きないから大丈夫。
あと少しの時に足元の書類から音がなった。
まずい!と思ったときにはあり得ない力でソファーに押し付けられていた。
「おぃ、てめえ誰だ。銃向けて何のつもりだ。」
「隊長うちです!物音にびっくりして思わずハンドガンを向けてしまいました!」
我ながら苦しい言い訳だ。絶対ばれる。だいたいびっくりするだけならくっつくほど銃口を向けなくても良いはずだ。
「あぁ、ブレイドかよ。あんまりびびらせんなよ。」
「え、あ?すいません。」
あれそんだけ?まぁ誤魔化せたならよかったか。
「では書類もおいたので出ます。すいませんでした。」
「明日からまたよろしくな」
明日…来て欲しくないなぁ。
扉をしめるとき隊長は何かの紙をじっと見ていた。




