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黒白雪  作者: 泉野 戒
11/13

2-5

どうしてこんなことになっちゃったんだろう。

もともと悩んでたのはあっくんのはずなのに。いつの間にかわたしが悩んでて、わたしがあっくんに相談するなんて。自分から相談しに行ったとは言え、なんか腹が立つ。

それに、あんなことを言われるなんて……。

あんなこと……。

あんな……。

好き……とか……。

……あっくんのばか。

わたしはそんなこと言ってもらうために相談したんじゃないのに。あっくんはわたしのこと、なんにもわかってない。

だいたい、わたしがわたしらしくないことに気づいたのが、警官と話してる時だったっていうのが信じられない。わたしがヒトを助けたのには何も感じず、当たり前のこととして受け流して、わたしがヒトに冷たくしてるのを見て、初めて違和感を覚えるなんて。

あっくんの中のわたしは、どれだけ美化されてるんだろう。わたしなんて、れーちゃんを見捨てようとした汚い女なのに。りっちゃんがいなければ、れーちゃんを殺していたのに。

あっくんはどうして、中沢くんとか、わたしとかみたいなヒトとばかり仲がいいんだろう。そういうヒトと惹かれ合う何かがあるのかな? にしても、もう少し友達を選んだほうがいいと思う。

あっくんの為にも注意したほうがいいのかもしれないけど、きっとあっくんは、わたしが言ったって信じないだろう。

中沢くんが、わたしと同類だなんて。

「はぁ……」

理解してもらえない。まあ、いつものことだし、わたしは全く苦にしてないけど。

でもなんとなく気分が重苦しくて、わたしは椅子に背中をもたれさせた。

机の上のミルクティーを手に取って、一口すする。

「……ほ」

少し落ち着く。

気分がすっきりするまで、しばらくこうしていようっと。



わたしと中沢くんは、似通ってるところがあった。ヒトの命を簡単に奪ってしまえるところとか、ヒトを道具のように使うところとか。

ヒトを使えば、自分が死んでからもヒトを殺すことができる。中沢くんの計画は失敗してしまったけど……。

もし成功しても、中沢くんの計画には誰も気付かなかったと思う。中沢くんと同じ欠陥を持ってる、わたしじゃなかったら。

わたしは、中沢くんの言葉を思い出した。

『全部わかってます。――これからどうなるのかってことも、全部わかってます』


(無意識殺人 終)

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