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どうしてこんなことになっちゃったんだろう。
もともと悩んでたのはあっくんのはずなのに。いつの間にかわたしが悩んでて、わたしがあっくんに相談するなんて。自分から相談しに行ったとは言え、なんか腹が立つ。
それに、あんなことを言われるなんて……。
あんなこと……。
あんな……。
好き……とか……。
……あっくんのばか。
わたしはそんなこと言ってもらうために相談したんじゃないのに。あっくんはわたしのこと、なんにもわかってない。
だいたい、わたしがわたしらしくないことに気づいたのが、警官と話してる時だったっていうのが信じられない。わたしがヒトを助けたのには何も感じず、当たり前のこととして受け流して、わたしがヒトに冷たくしてるのを見て、初めて違和感を覚えるなんて。
あっくんの中のわたしは、どれだけ美化されてるんだろう。わたしなんて、れーちゃんを見捨てようとした汚い女なのに。りっちゃんがいなければ、れーちゃんを殺していたのに。
あっくんはどうして、中沢くんとか、わたしとかみたいなヒトとばかり仲がいいんだろう。そういうヒトと惹かれ合う何かがあるのかな? にしても、もう少し友達を選んだほうがいいと思う。
あっくんの為にも注意したほうがいいのかもしれないけど、きっとあっくんは、わたしが言ったって信じないだろう。
中沢くんが、わたしと同類だなんて。
「はぁ……」
理解してもらえない。まあ、いつものことだし、わたしは全く苦にしてないけど。
でもなんとなく気分が重苦しくて、わたしは椅子に背中をもたれさせた。
机の上のミルクティーを手に取って、一口すする。
「……ほ」
少し落ち着く。
気分がすっきりするまで、しばらくこうしていようっと。
*
わたしと中沢くんは、似通ってるところがあった。ヒトの命を簡単に奪ってしまえるところとか、ヒトを道具のように使うところとか。
ヒトを使えば、自分が死んでからもヒトを殺すことができる。中沢くんの計画は失敗してしまったけど……。
もし成功しても、中沢くんの計画には誰も気付かなかったと思う。中沢くんと同じ欠陥を持ってる、わたしじゃなかったら。
わたしは、中沢くんの言葉を思い出した。
『全部わかってます。――これからどうなるのかってことも、全部わかってます』
(無意識殺人 終)




