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1人が楽だと思っていたのに、あなたと2人が楽しすぎて  作者: あぽぉ


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19/20

夏祭り

今日は、美希たち勉強会メンバーで、夏祭りに行くことになった。

今まであまり祭り事は好きではなかったけど、今年は行ってみようと思えた。

美希と佐々木さんは浴衣を着るって言ってたな。

一人だけ私服だと目立つかな?

面倒だけど、着ていくか。


そして、夏祭り会場に到着。

「わー、むぎちゃんの浴衣もかわいいわね」

「二人もよく似合ってるよ」

「こば先輩、3人も浴衣美人を連れて、贅沢ですねー」

美希が、小林先輩を揶揄うように言う。

「いやー、ほんとだな。ちょっと恥ずかしいかも」

ほんのり頬を染めて、頭を掻く小林先輩。

「とりあえず、何か食べようよ。お腹すいちゃった」

佐々木さんがお腹をさする。

「そうね。私もお腹を空かせて来たからぺこぺこよ」

「焼きそば食べたいな。や、イカ焼きもいいな」

「私、ベビーカステラも食べたいわ。あ、でもアイスクリームも捨てがたいわね」

「もー、小林先輩も美希も欲張りね」


「それじゃあ、手分けして買いに行く? 屋台、行列できてるし」

私の提案にみんな賛同し、私たちは二人ずつに分かれて買い出しに向かった。


私は小林先輩とベビーカステラの屋台を探す。

「あ、見て春野さん。射的の景品にニャンタ先生のぬいぐるみがあるよ」

「ほんとだ。可愛い」

「ちょっと待ってて」

そう言って小林先輩は、射的の店員さんにお代を払う。

そして、あっという間に景品をゲットしてしまった。

「はい、春野さん」

「あ、ありがとうございます。射的上手なんですね」

「いやー、たまたまだよ」

私たちは、再びベビーカステラの屋台を探す。

「ごめん春野さん、ちょっとトイレ行ってくるから少し待っててくれる?」

「はい、わかりました」

私は邪魔にならないところへ移動し、小林先輩を待つ。

流れる人並みを見ていると、私の前を目つきの鋭い一人の男性が通りかかった。

「お、可愛い子はっけーん! あんた1人? 俺と一緒に回ろうよ」

その男が、私に近づき、腕を掴んできた。

「行きません。離してください。人を待ってるんで」

腕を振り払おうとするが、男はさらに強く腕を掴んできた。

「いいじゃんかー。俺と来た方が絶対楽しいから」

その時、私の腕から男の手を誰かが引き離した。

小林先輩。

「またナンパなんかして、女の子困らせてるのか。小林」

小林? この男も小林って言うの?

てか、知り合いなの?

「悠太じゃん。え、この女、ゆうたの彼女?」

「違うよ。でも大事な友達だから、傷つけたら許さない。行こう、春野さん」

そう言って小林先輩に手を引かれながら、その場を離れた。

男は何か文句を言っていたけど、追いかけては来なかった。


「ごめんね、怖い思いさせて」

「助けてくれてありがとうございます。さっきの人、知り合いなんですか?」

「同じクラスなんだ。女の子にちょっかいばかり出して、困ったやつだよ」


そうして、やっとベビーカステラの屋台にたどり着いた。

「僕がおごるよ」と、四人分のベビーカステラを小林先輩は買ってくれた。


優しくて、気配りもできて、頼もしくて。

この人、モテるんだろうな。

ベビーカステラの屋台の近くに、赤髪の彼を見た気がしたのは、彼もいてくれたらと考えてしまったからかもしれない。

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