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1人が楽だと思っていたのに、あなたと2人が楽しすぎて  作者: あぽぉ


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14/21

美希お嬢様のお家で勉強会

翌日の昼休み。

「島崎くん、昨日はお騒がせしました。無事に仲直りできました」

「おう、よかったな。結局、何が原因だったわけ?」

「それは……友達を悪く言われて」

「お前、友達いないんじゃなかった?」

「あー、まぁ、そうだけど」

「なんだそりゃ」

あなたのことですとは言えない。


「そ、それよりさ、そのパン初めて見るけど、また新作できた?」

「よくぞ聞いてくれた。これは昨夜思いついた、イエローさん剣士3度だ!」

「何その厨二病っぽいネーミング」

「バカにすんなよ? これは、一つのサンドイッチの中に、卵サンドとチーズサンドとバナナサンドの部分があってな。一つで3度美味しいってわけだ。サンドイッチだけに」

ドヤ顔すごいな。

「今度はダジャレ? なんか急にクオリティ下がってない? 確かに卵とチーズとバナナの黄色で揃えたのはいいけど、どれもよくある具材というか。生ハムメロンデニッシュに比べたらパンチが弱いというか」

「そんなにダメ出ししなくてもいいだろ」

あ、拗ねちゃった。

「あー、ごめんごめん。美味しそうだよ? 一個ちょうだい、イエローさん剣士」

「やだだっ」

そう言って私に背を向け、さっさとイエローさん剣士サンドを食べる彼。

「島崎くん、ごめんってばー。拗ねるなよー」

その後、なんとか彼を宥め、ご機嫌を直してもらいました。

いつもクールな彼だけど、子供っぽい一面もあるんだなと、可愛く思えたのは内緒だ。


その日の放課後。

いつものように、勉強会のために図書室に向かうと、図書室の前に美希さんたち3人が立っていた。

「あ、春野さん。今日、図書室使えないみたい」

佐々木さんが困った様子でわたしを見る。

「どうしようか。今日は自主勉強とするかい?」

と小林先輩が言うと、美希さんが手を上げた。

「ねぇ、もしよかったら私の家でしない? 学校に近いのよ」

「え、そんな急にご迷惑じゃない?」

「親は仕事でまだまだ帰って来ないし、全然大丈夫よ」

「んー、じゃあお言葉に甘えちゃう?」

そう言って佐々木さんが、私と小林先輩に問いかける。

「親御さんのいない時に、女子ならまだしも、僕がお邪魔してもいいのかな」

小林先輩が心配そうに伺う。

「全く問題ないですよ。昔から男友達もよく家に連れてきてましたから」

それって、島崎くんのことかな。

「じゃあ、お邪魔するね」


てなわけで、私たちは美希さんの家で勉強することにした。

同級生の家にお邪魔するなんて、いつぶりだろう。

美希さんの家までは本当にあっという間で、学校から歩いて10分もかからない所にあった。

そして、とても大きかった。

立派なお庭もあり、住宅街でひときわ異彩を放っている。

なんとなくそんな予感はしていたけど、やっぱりこの子、お嬢だったか。

大きな玄関の扉を開けると、黒いゴールデンレトリバーがお出迎えに出てきた。

「ツムギ、ただいま」

「え、ツムギ?」

私と同じ名前だと知っている佐々木さんが、私と同時に驚く。

「何? 可愛い名前でしょ?」

そう言って、美希さんはゴールデンレトリバーの頭を撫でる。

「私も、つむぎって名前」

私が呟くと、少し間を置いて、美希さんと小林先輩が驚く。

「そうなの?」

「すごい偶然だね」

「ツムギ、あのお姉さんもつむぎって言うんですって」

美希さんがツムギにそう言うと、ツムギは私の方を見ながら尻尾を振ってみせた。

「よろしくね、ツムギちゃん」

「ねー、春野さん。今日からつむぎちゃんって呼んでもいい?」

「え、うん」

「やった。可愛い名前だから、前から下の名前で呼んでみたいなって思ってたんだよね」

嬉しそうに笑う佐々木さん。

「じゃあ、わたしもいいかしら?」

と手を上げる美希さん。

「美希さんもどうぞ。好きに呼んで」

「やったー! よし、むぎちゃん、かなっぺ、こば先輩、我が家へようこそ」

「なんか、私と先輩まで好きに呼んじゃってますけど」

「まぁ、いいんじゃない」

呆れた様子で美希さんを見る佐々木さんと小林先輩。

「あと、むぎちゃん、さん付けはもうやめてよね? 美希って呼んでちょうだい」

「え、うん。わかったよ、美希」

なんか、この人、島崎くんに怒鳴られてから、キャラ変わった?

それとも、彼の前では猫被ってたのか?

まぁ、楽しそうだからいっか。


その後、美希さんの部屋へ通された。

ツムギも私たちについてきて、部屋に入ると私の横に落ち着いた。

同じ名前と知り、仲間意識を持ってくれたのかな?

「飲み物持ってくるわね」

「あ、私も行くよ」

と美希と佐々木さんが出て行ってしまい、部屋には私と小林先輩の2人きりに。

どうしよう。

何話していいかわかんない。

気まずさを紛らわせるため、ツムギをなでなでしていると、小林先輩が口を開いた。

「ねぇ、春野さん、ずっと気になってたんだけどさ、カバンにつけてるそれ、ニャンタ先生だよね?」

「え、あ、はい。そうですけど、知ってるんですか?」

「うん。夏目友人本はアニメも漫画も読んでて、大好きでさ」

「ほんとですか? 私もです。いいですよねー」

「うちの学校の人で、アニメの話できる人に出会ったことなかったから、嬉しいな」

その時、美希たちが飲み物を持って部屋に戻って来たので、話はそこで打ち切られてしまった。


勉強会を終え、途中まで同じ方向だということで、小林先輩と一緒に帰った。

もちろんアニメの話になり、大いに盛り上がった。

楽しかったな。

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― 新着の感想 ―
美希がつむぎじゃなくて、むぎと呼んでいるのは犬のツムギと区別するため? そのへんの説明は、省略?  つむぎが「好きに呼んで」と言ったから、好きに「むぎ」にしたということ? それともただの脱字?
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