表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/52

第5話:保護者面談大作戦!

いつもお読みいただきありがとうございます!


第5話です。

魔王のアルバイトを始めた凛ですが、実家の両親に説明(?)をするため、女神を連れて一時帰宅することに。


駄女神の全力の「神聖フィルター演出」と、現金な両親のリアルなリアクションをお楽しみください!

――パッ!


次元を超える眩い光が収まると、そこはリンの見慣れた実家のリビングだった。


テレビでニュースを見ていた父親と、夕食の準備をしていた母親は、手に持っていた皿を落としそうになりながらポカンと口を開けて固まった。

それもそのはず。病院で「眠り姫」状態だと医師に言われていたはずの娘が、いきなりリビングのど真ん中に現れたのだから!

しかも、泣き叫ぶ金髪の美女の首根っこを、片手でひょいとつまみ上げた状態で。


「リ、凛……!? 目を覚ましたの!? ていうか、その格好は……!?」


母親が驚きとうれしさで駆け寄ってきた。

今の凛は黒のスレンダーなボディスーツに身を包み、龍の角と赤・青のオッドアイという完全なる魔王仕様。

(ただし幸いにも、認識阻害フィルターが作動しているため、両親の目には「女子高生の制服を着た普段の凛」にしか見えていない)


「ただいま、お母さん」


凛は無表情のまま淡々と答え、手をポンと離した。

女神は床にドサッと無様に倒れ込んだ。


「ちょっと説明したいことがあって帰ってきたの。実は今、異世界で『魔王』のアルバイトをしてて。病院で寝てるのは、ただのダミーの人形だから」


「「はあぁぁぁぁぁっ!?!?」」


両親の声がハモり、リビングに困惑の嵐が吹き荒れる。


「信じられないなら……女神様、両親に説明と証明をお願いします」


凛は床でヘタリ込んでいる元凶の背中を、足の甲でツンツンと突いた。


---


【偽りの女神、決死の『神聖フィルター』フルドライブ!】


(や、やばいじゃない! ここ、凛ちゃんの元の世界じゃないのよー! こっちの世界の基幹システムには私の美貌補正がプリセットされてないから、放置してたらただの金髪女になっちゃうーーーっ!?)


凛からのリアル物理おしおきを回避するため、女神は全魔力を絞り出し、手動で認識阻害&神聖演出スキルを無理やり起動した!


【スキル発動:最高級・神聖オーラフィルター(マニュアルモード)】


――ヴィン、ヴィン、ヴィーン……ッ!


その瞬間、何の変哲もないリビングが、神々しい金色の後光オーラで満たされた!

空中を舞い散る天使の羽、どこからともなく聞こえてくるパイプオルガンと聖歌隊のコーラス。

風など吹いていないはずなのに、女神の金髪が神聖にふわりとたなびく!


彼女はゆっくりと宙へ浮かび上がり、その表情は「ニートのへたれ女神」から「慈愛に満ちた創世神」へと一瞬で変貌を遂げた。


「オォ、心清き人間たちよ……」


女神の声が、鈴を転がすような神聖な音色でリビングに響き渡る。


「憂うことなかれ。汝らが愛娘・凛は、世界の平穏を保つため、我ら神々に選ばれし偉大なる使命を果たしているのです……。病院にある肉体は、聖なる時停止の眠りにつかせているに過ぎません。バイトの契約期間が満了すれば、必ずや健やかな姿でお手元にお返しいたしましょう。最高神の誇りに賭けてお約束します」


最高レベルの神聖フィルター演出を直撃した両親は、ガクッと膝をつき、感涙にむせびながら深く頭を下げた。


「お、おお……ありがたき幸せ、女神様……! 全て理解いたしました……!」


感涙にむせぶ両親の横で、凛はこれ以上ないほどのジト目を向けていた。

(……演技力だけは無駄にプロ級ですね。よくもまあ、そこまで平然とウソがつけるものです……)


凛は静かに拳を握りしめた。


「ですが女神様……」父親が心配そうに尋ねる。「魔王のお仕事というのは、女子高生の凛には少々過酷すぎるのでは……?」


「おーほっほっほ! ご安心ください、お父様!」


女神はまばゆい笑顔を振りまき、後光をピカピカと明滅させた。


「名目は『魔王』ですが、やる事と言えば玉座に座って偉そうにふんぞり返っているだけ! それに凛ちゃんには私が超・チートスキルを授けましたから、世界中の誰も彼女に傷一つつけられませんわ!」


女神は身を乗り出し、魅力的な条件をまくしたてた。


「さらに! 新学期に復職(復帰)した際にお渡しする報酬は、一生遊んで暮らせる額のドカンとした大金! 労働環境もホワイトそのもの、異世界労災保険完備、有給休暇もしっかり付与されます!」


さらに畳みかける!


「それだけではありません! 本日より『次元超越・手料理仕送りシステム』を特別導入いたします! お母様の手料理をいつでも魔王城へ送れる専用ポータルを設置しましょう。侵略者が来ない平和な日は『1時間単位の有給』を取得して、ご自分の部屋のベッドでマンガを読みながらゴロゴロすることも可能ですわ!」


「「一生遊んで暮らせる大金」」

「「実家の部屋でゴロゴロできるホワイト労働」」


そのパワーワードを聞いた瞬間、両親の目がドルマーク(¥)に変わった。


「凛……ッ!」母親が凛の手を固く握りしめ、瞳を輝かせる。「こんな優良企業、今の時代どこを探してもないわよ! お母さんのご飯も届けられるなら安心だし! しっかり魔王のアルバイトに励みなさい。女神様に迷惑かけちゃダメよ!?」


「そうだぞ凛! パパも全力で応援するからな! がんばれ、我が家の稼ぎ頭!」


凛は死んだ魚の目になり、一瞬で女神に買収された両親を見つめた。


(……最初は『娘が寝たきりなんて』って悲しんでたくせに、大金と聞いて一気に現金化しましたね……。これで『サボるな』っていう親からの圧まで増えたんですけど……。ハァ、まあいいです。漫画の全巻大人買い資金のために働くと割り切りましょう……)


親との話し合い(?)を終えた凛は、首縄をつけるように女神を引っ張り、早々と魔王城へと転移で戻っていった。

後に残されたのは、眩いばかりのうさん臭い後光の余韻だけだった。


---


【神のゲーミングPCと、暗黒のシステム設定】


神界の自室に戻った女神は、高級ゲーミングチェアに深々と体をうずめた。

目の前に君臨するのは、虹色のRGBライティングがギラギラと輝く『神スペックゲーミングPC』である。


かつて神々が世界の基幹コアとして創り出した宝珠――。

女神はそれを「いちいち手動で世界を管理するの面倒だし」という理由でリビルドし、放置レイドバトルやネットサーフィンを楽しむためのPCへと改造していたのだ。


彼女は世界のバックエンド設定画面を開き、慣れた手つきでクリックしていく。


【世界基幹制御システム:常設次元孔の作成】

【接続先:魔王城 ↔ 如月家キッチン】


「よしよし。それと……っと」


【基幹システム設定メニュー(神権限)】

[✓] 外見固定システムの常時適用:『全宇宙一の美貌モード(常時ON)』

[✓] 異世界生物に対する自動・神聖認識フィルターの有効化


「ヒヒッ……これでよし! 何が起きようと、異世界のバカどもには私が『気高く美しい絶対の女神』にしか見えないわ! さて、凛ちゃんの仕送りポータルも設定したし……あとはオート放置に任せて、私はMMOのレイドボスでも狩りに行きますかー!」

ご覧いただきありがとうございました!


娘のピンチから一転、破格のホワイト条件と大金に一瞬で買収されてしまった両親でした(笑)

これで凛も、名実ともに「実家公認の出稼ぎ魔王」となります!


次回・第6話からは、いよいよ【勇者レオン視点】のストーリーがスタートします!

貧しい村の少年から、いかにして「光の勇者」となったのか……過酷で熱い(?)彼の半生をお楽しみに!


少しでも「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、

ページ下部の【★★★★★評価】やブックマーク登録、感想などをいただけると執筆の凄まじい活力になります!


よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ