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第43話:金の聖光と炎帝竜の傲慢

読者の皆様、こんにちは!


第43話では、ついに人類対炎帝竜イグニアの凄絶な前哨戦が開幕します!


最古の超絶的な力をもつイグニアの圧倒的な絶望感と、それに立ち向かう勇者レオンの一撃! 一方その頃、魔王城では……?


ギャップ満載でお届けします。どうぞお楽しみください!

アクロシア王国の全軍は、炎帝竜イグニアの侵攻を食い止めるべく、急遽西方境域へと進軍を開始していた。


アクロシアは魔法文化に特化した国家ではなかったが、人類最強の呼び声高い宮廷大魔導士バーナードが長年仕えていた。彼は不測の事態に備え、あらかじめ西方砦に大規模な集団転移魔法陣を構築していたのである。しかし、彼の持つ全知識と魔力を注ぎ込んでも、一回の転移で送れる兵数は高々100名程度。大軍勢の輸送には途途もない時間を要した。


転移の順番を焦燥に駆られながら待つレオンは、パーティーの魔導士エリーナへ問いかけた。


「エリーナ、砦へ直接ワープを開くことはできないのか?」


「無理よ。私はあの場所に行ったことがないもの」エリーナは溜息をつきながら説明した。「私の空間転移魔法は、あらかじめ現地で座標をマークしておかないと展開できないの」


「くそっ……!」レオンは悔しげに毒づいた。


「落ち着けレオン。焦っているのはお前だけじゃない」仲間である騎士ロイが静かに制した。


……


西方砦——。


息の詰まるような緊張感が漂う中、魔法陣から次々と現れる兵士たちが、歴史上最悪の脅威へ備えて陣を敷いていく。


斥候部隊は遠見魔法を用いてイグニアの動向を片時も逃さず監視し、随時本陣へ報告を入れていた。


「依然として、あの場所から動く気配はありません!」


「よし……このまま我が国へ侵攻してこないでくれればいいが。せめて兵の展開が完了するまでは……」大将軍は一人祈るように呟いた。


緊迫した監視状態のまま丸二日が経過した。イグニアは火山の麓で微動だにせず横たわっていた。その間に100万近くの兵の転移が完了し、西方砦は防衛陣形を完璧に整えた。


アンド……その時——イグニアがゆっくりと巨躯を動かした。むくっと立ち上がると、巨大な翼を広げて悠然と大空へと舞い上がった。


古の竜には高い知性が備わっている。イグニアは砦の動向をすべて把握していた。人間たちが右往左往する様をずっと観察していたのだ。最初に動かなかった理由はただ一つ——人間たちに最高の準備をさせ、それを真っ向から踏みにじることで自身の絶対的な武威を示すため。ただの暇つぶしの戯れである。


(人間どもの準備が整ったのなら、興じるとしようか)


イグニアは心の中で嘲笑い、攻撃を開始した。


わずか一回の竜の息吹ブレス——。それだけで、特殊な魔導石で強固に構築された西方砦は跡形もなく溶け落ちた。


それだけに留まらず、イグニアの全身から放射される凄まじい熱波により、上空高くを飛んでいるにもかかわらず、地表はまるで火口の中にいるかのような灼熱地獄と化した。


数少ない魔導士たちが、この対イグニア用に開発された[クーリングコート]を総動員して兵士たちに付与し、なんとか焼き尽くされずに踏みとどまっている状態であった。


しかし、反撃は困難を極めた。3年前にワイバーン群との実戦を経て対空戦闘の訓練を重ねていたものの、古代竜イグニアの前には何の役にも立たなかった。魔法も矢も、イグニアが纏う熱の障壁に阻まれて届きもしない。


空を見下ろすイグニアは、必死に抵抗する人間たちを惨めに思い、心の中で冷笑した。


(もう一吹きすれば、この愚かな羽虫どもは一瞬で灰燼と化す。……だが、このような無駄な足掻きを眺めるのも一興だな)


その時であった——。


「[オーレリアン・ホーリーレイ]!!」


極大の聖なる閃光がレオンの剣から放たれ、イグニアの右翼へ猛烈な勢いで激突した!


……


同日、魔王城——。


駄女神ガチャラは、バーニムが作ってくれた大型魔導スクリーンに最新型のゲーム機を接続していた。


「リンちゃん! シルフィリアちゃん! 一緒にゲームしましょ!」


「嫌です」リンは即答した。


「えー! なんでよー! これ最新作なのよ!?」


「私は本を読みますので」リンは手にした古文書を掲げて見せた。


「リンちゃんが本ぉ〜? どうせファッション誌かマンガでしょ〜?」


茶化そうとしたガチャラだったが、リンが手にした巻物が密度の濃い古代高階級魔法の呪文で埋め尽くされているのを目にし、リンのジト目と相まって言葉を呑み込んだ。


「わ、わかったわよ! シルフィリアちゃんと二人で遊ぶからいいわよ!」


急に振られたエルフの女王シルフィアナは戸惑いながら答えた。


「は……はい!」

最後までお読みいただきありがとうございました!


第43話では、炎帝竜イグニアの圧倒的な力と、レオンの決死の[オーレリアン・ホーリーレイ]、アンド魔王城での相変わらずマイペースな日常をお届けしました!


レオンの攻撃はイグニアに届くのか!? 次回の展開もどうぞお楽しみに!


少しでも面白かった、続きが気になると思っていただけましたら、ぜひ作品ページ下の★評価(星評価)、ブックマーク登録、ハート(いいね)、フォローで応援していただけますと大変励みになります!皆様からの★評価が次話執筆の大きなモチベーションになります!


それでは、次回の更新もお楽しみに!

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