第42話:炎帝竜の覚醒と、アクロシアの戦鐘
読者の皆様、こんにちは!
第42話では、ついに古代竜の一頭・炎帝竜イグニアが覚醒! アクロシア王国に激震が走り、開戦の鐘が響き渡ります。
人族の危機により突如として休暇申請をすることになった勇者レオンと、魔王城で呑気に宴会を催しつつ首をかしげるリンちゃん。それぞれの動きに注目です!
どうぞお楽しみください!
「休暇……ですか? 何かあったのですか?」
レオンから突然の休暇申請を受けたリンの分身は、首をかしげて静かに問いかけた。
レオンは苦渋の表情を浮かべ、真剣な面持ちで答えた。
「王国から緊急の招集がかかりまして……大きな事態の対応に追われるため、しばらくの間、アルバイトに来られそうにないんです」
リンの分身は優秀な従業員を一時的に失うことを惜しむように、ほんの少しだけ寂しそうな表情を浮かべたが、すぐに頷いた。
「承知いたしました。本体の方へ伝えておきますね。あちらでのご武運をお祈りしております」
……
時間を少し遡る。
大陸中央に位置するアクロシア王国は、豊かで広大な領土を誇る大国であったが、一つだけ重大な懸念を抱えていた。それは西方の遥か彼方にそびえる巨大な火山である。人々の居住区からは遠く離れているため、通常の噴火であれば大きな問題にはならない。だが、真の時限爆弾はその地下深くに眠る存在であった。
古の六大竜の一頭、炎帝竜イグニア——。光竜アウレリアや地竜テラティアと同格の絶対的上位存在である。
アクロシア王国はその危険性を重々承知しており、西方に強固な砦を建設して斥候部隊を常駐させ、昼夜を問わず火山の監視を続けていた。
そしてついに、人々が最も恐れていた瞬間が訪れる。
イグニアが、幾千年の眠りから目覚めたのだ。
アクロシア全土を激しい大震動が襲い、西の空は灼熱の赤に染まり上がる。かつてない規模の凄まじい大噴火とともに、火口から悠然と姿を現したのは、遥か遠方の砦からでもはっきりと視認できるほど巨大な竜の影であった。
「ほ、炎帝竜が目覚めたぞ! 至急、王都へ伝送魔法を送れ!」
砦の兵士たちが蒼白な顔で叫び、緊急の報告が王宮へと届けられた。
報告を受けた王宮の玉座の間にて、大将軍が一歩前へ踏み出し、腰の剣を抜き放って力強く命じた。
「全軍に通達! 直ちに全兵士を集結させよ! そして勇者パーティーを至急呼び戻すのだ!」
開戦を告げる警鐘が、王都全体に響き渡る。
ゴーーーン、ゴーーーン、ゴーーーン!
大武器庫の重厚な扉が一斉に開かれた。何万もの兵士たちが手際よく鎧を着用し、騎士たちは軍馬に跨る。軍属の魔導士たちが呪文を詠唱して魔法陣を展開し、魔導兵器のコアへと魔力が充填されていく。各将軍たちが次々と配置につき、戦場の緊張感は最高潮に達した。
アンド……。
レオンはアウレリアの剣をその手に握り締め、出撃広場へと足を踏み入れた。
目の前には、真剣な面持ちの勇者パーティーの仲間たちが彼を待っていた。
レオンは赤く染まった異様な空を見上げ、呟いた。
「イグニア……」
その手は、アウレリアの柄を力強く握りしめられていた。
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場面は変わり、魔王城——。
駄女神ガチャラのわがままな要望に押し切られる形で、リンは再び宴会を催していた。会場が賑やかな熱気に包まれる中、ふと周囲を見回したリンは、いつもあるはずの勇者レオンの姿がないことに気づいた。
リンはすぐさま、人間界にいる自身の分身へ念話を飛ばした。
(勇者はもう帰ったのですか?)
分身からの返答が即座に脳内へ届く。
(はい。それとレオン様から、王国からの緊急招集のため、しばらく休暇をいただきたいとの伝言がございました)
リンは眼鏡のブリッジを指で押し上げ、二色の瞳を静かに細めながら心の中で呟いた。
(王国の緊急招集……何かあったのでしょうか……)
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最後までお読みいただきありがとうございました!
第42話では、炎帝竜イグニアの覚醒による人族側の緊急事態と、勇者レオンの切実なシフト休み申請をお届けしました!
異世界側の本格的な戦争の気配と、魔王城側のマイペースな雰囲気のギャップをお楽しみいただけていれば幸いです。
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それでは、次回の更新もお楽しみに!




