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第31.5話:駄女神とコミケと、効率ゼロの計画

第31.5話は、魔王領を飛び出して日本のサブカルチャーの聖地「コミケ(東京ビッグサイト)」へ赴く特別編です!

本物の魔王と本物の女神がコスプレ会場に降臨した時、周囲の反応は……!?

駄女神様の自爆っぷりと共にお楽しみください!


それでは、第31.5話スタートです!

丸めた雑誌で駄女神へのお仕置きを満足いくまで終えたあと、リンは約束通りゲームで彼女のランクを引き上げてあげていた。手際よくキーボードを叩いて敵を撃破していると、隣から鬱陶しい声が上がる。


「リンちゃん! 得たチャンスを果たす時が来たわよ!」


リンはジト目のまま画面を見つめる。「何の約束ですか?」


駄女神は腰に手を当て、威張った顔で言い放った。「温度調整魔石のインバーター魔法陣を組んであげる代わりの『重要な条件』よ! 忘れたとは言わせないわ!」


リンは小さく息を吐いた。「で、その条件とは何ですか?」


駄女神は目を輝かせ、スマホの画面(世界的なイベントのサイト)を見せてきた。「明日、日本の『コミケ(Comiket)』に連れて行って! 同人誌を買ってコスプレしたいの!」


リンは即座に拒否した。「断ります。人が多く、気温も高く、1平方メートルあたりの人口密度が高すぎます。時間効率はマイナスです」


「む、無茶言わないでよ! もう条件を呑んだでしょ!?」


リンは無表情で駄女神を3秒間見つめたあと、福利厚生(契約)の前に折れた。「……わかりました。契約上の取引とみなします。ですが、私はコスプレなどできませんし、衣装を作る時間もありません」


駄女神はニヤリと鼻で笑った。「ふふん、その心配は無用よリンちゃん! 今時はリアル志向なの! 衣装なんて作る必要ないわ。ただ『魔王形態』(白髪・オッドアイ、角オフ)に戻って会場に入るだけ……それだけで伝説級のレイヤーだと思われるわ!」


「あなたは?」


駄女神は胸を張った。「私は人気アニメの女神様のコスプレをするのよ! 本物の女神がアニメの女神のコスをする……これぞ次元を超えたコスプレのイノベーションよ!」


---


ณ 会場(東京ビッグサイト)のコスプレエリア。大勢のカメラマンと群衆の中——


派手な衣装の駄女神は目立ちたがり全開でカメラマンにポーズを決めて大はしゃぎ。一方のリンは、白髪オッドアイの魔王形態、漆黒のコートを着込み、冷徹なジト目でアイスティーを手に静かにたたずんでいた。


とあるカメラマンがリンに気づき、目を見開いて叫ぶ!


「な、なんだこのオーラは!? まんま伝説級の神レイヤーじゃないか!?」


一瞬で数十人のカメラマンが押し寄せ、リンを取り囲んだ! パシャパシャパシャ!


「すみません! ウィッグはどこのメーカーですか!? こんな自然で美しいツヤ、どうやって!?」


リンは淡々と答える。「ウィッグではありません」


カメラマンたちは息をのむ。「おおおッ!? 企業秘密ってやつですね! 流石です!」


別のカメラマンが割り込む。「じゃあ、そのオッドアイの赤と青のカラコンは!? 発色が凄すぎます!」


「地目です」


周囲が2秒間静まり返ったあと、歓声が上がった!


「きゃーッ! 完璧な役作り! 冷酷な魔王のキャラ維持100%だーっ!」


そこへ甲冑を着た男性レイヤーが丁寧にお辞戯をして近づいてきた。「あの……伝説のレイヤーさん、ツーショットお願いできますか?」


リンは無表情で。「いいですよ」


パシャ!


撮影が終わると同時に、AIの通知が脳内に響く。


【検知:あなたを架空のキャラクターだと誤解した人数:127名】


リンは小さく頷いた。(了解しました)そして何事もなかったかのように歩き出した。


---


狂乱のイベントを終え、元の世界の部屋へと戻ってきた二人。


駄女神はソファの上で胡坐をかき、買ってきた戦利品(同人誌やグッズ)をテーブルの上にぶちまけて大笑いしていた。


「ギャハハハ! 今日のコミケ最高だったわねリンちゃん! カメラマンに何百枚も撮られちゃった! 私ってば完全にイベントの主役だったわ!」


駄女神が楽しそうに袋の中身をあさり始める……。


……。


3秒間の静寂が部屋を包んだ。


駄女神の手が止まる。顔色が急速に蒼白になり、目が大きく見開かれた!


「チョ……ちょっと待って……」


震える手で袋の中を再びあさり始める駄女神!


「わ、私……笑顔でポーズ取って撮影されてる場合じゃ……」


「一番欲しかった超レアな限定本を買うの忘れてたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」


駄女神はソファを叩きながら泣き叫んだ!


制服姿に戻ったリンは、静かに紅茶を一口すする。ゴク……。


ジト目のまま、淡々と言い放った。


「計画効率:0%です」

本物の魔王と本物の女神によるコミケ参戦記でした!(笑)

目立ちたがることに夢中になりすぎて、本来の目的である限定本を買い忘れた駄女神様……まさに「計画効率ゼロ」ですね!


少しでも楽しんでいただけましたら、ぜひページ下部の【ブックマーク登録】や【フォロー】、【評価(★★★★★)】で応援していただけると今後の大きな励みになります!


次回もお楽しみに! ✨

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