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第31話:エルフ族の交渉評議会と、メガネっ娘秘書スーツ

いつもお読みいただきありがとうございます!


第31話は、エルフの幹部会議での交渉(条件提示)と、裏で良からぬ画策をした駄女神様への「お仕置き」編です!

ブラック労働に慣れきったエルフたちと、ホワイト労働基準を叩きつけるリンちゃんの温度差をお楽しみください!



エルフの会議室の扉が開く直前のこと——。


リンが手に持った書類バインダーを整えていると、突然、頭の中にあの脳天気で鬱陶しい女神の念信が割り込んできた!


「リンちゃぁぁん! 今日の夕方、一緒にゲームしようよぉ! 最近全然遊んでくれてないじゃない!」


リンはジト目のまま、淡々とした声で返答する。


「無理です。 busy(忙しい)ので」


「えぇーっ!? なんでよぉー!? 私のランクマッチのレートを引き上げてよぉ! プラチナまで落ちちゃったんだから!」


「私はこれからビジネス交渉に向かうところです」


「ビジネス交渉ぉ?」

女神は2秒ほど絶句したあと、ニヤリとした含み笑いを浮かべた。

「フフフ……ビジネス交渉なら、やっぱりこの衣装を着なきゃダメでしょ!」


ピカァァァン!


まばゆいピンク色の光とともに、空から次元小包が落下してきた……。中身はなんと、横スリットが深々と入った「セクシー秘書コスプレ」!


リンは箱の中の衣装を呆れた目で見つめる。

「勤務時間中に……規定以外の衣装を着用することは組織のルール違反です」


「フフフン! 神の権限を舐めないでよね!」


カタカタカタカタッ! (異空間で猛烈な勢いでキーボードを叩きつける女神の音)


【システム:女神ガチャラにより『一時的従業員服装規定』の改定が完了しました!】


ヴンッ……!


一瞬にして、リンの通常のビジネススーツが「知的メガネをかけた超絶セクシーなスリット秘書服」へと変貌を遂げた!


「特別に許可してあげるわ! この衣装なら交渉力も倍増よ!」

女神は胸を張って誇らしげに言い放つ。


リンは軽く眉をひそめ、無表情のままステータス画面を開いて新しい衣装の効果を確認した。


【メガネインテリセクシー秘書コスプレ:攻撃力+0 / 防御力+0 / 交渉力+0 / 魅力+0】


リンは心底呆れたように小さく溜息をついた……。そしてメガネの位置を正すと、バインダーを胸に抱え直し、そのままの格好で無表情に会議室の扉を押し開けた!


---


【幹部たちの硬直と、空席の玉座】


バンッ!


「メガネセクシー秘書」姿のリンが姿を現すと、会議卓を囲んでいたエルフの幹部たちは全身を硬直させ、息を呑んだ! 持ち前の冷徹な空気感と最高幹部のような威厳が相まって、リンの威圧感は普段の百倍増しに見えていたのだ!


リンは上座の椅子に腰掛け、向かい側にある【豪華な彫刻が施された玉座】へと視線を向けた。しかしそこは……完全に「空席」であった。


「失礼ですが……」リンは淡々とした声で尋ねる。「あなた方の女王様はどちらへ?」


エルフの参謀(老臣)はハンカチを取り出し、顔中から噴き出す汗を拭いながら、恥ずかしそうに震える声で答えた。


「あ、あの……今回の交渉につきましては、女王様はご参加いただくことができず……」


「理由は何ですか?」リンは首をかしげて尋ねる。


「実は……魔王様がお入りになる直前まで、女王様は執務室の『投影水晶』越しに外の様子をご覧になっておりまして……」参謀は頭を抱え、情けない声を漏らした。「魔王様が無詠唱で【ダークエンド】を放ち、わずか一瞬で四次元魔法陣を森全体に展開したのを目撃された瞬間……」


参謀はゴクリと生唾を飲み込んだ。


「女王様が千年にわたり積み上げてこられた古代魔法理論が、一瞬にして崩壊いたしまして……そのまま『玉座で目を見開いたままショック失神』されてしまわれたのです! 先ほど宮廷医たちが慌てて寝室へと運び込んだところでして……」


リンはそれを聞いて2秒間静黙した。

(脆すぎます……。基礎レベルの魔法構造の再構築を見ただけで、脳がショートしてしまうなんて……)


---


【HR翻訳システムと、雇用契約の提示】


リンが黙り込んだのを見たエルフの参謀は、魔王が不機嫌になったと勘違いしてパニックに陥った! 大理石の床に平伏し、絶望の涙を流しながら叫ぶ!


「ひぃぃぃっ! どうかお許しください魔王様! 我々を拷問しようと、首を撥ねようと、魂を吸い上げて邪悪な儀式に使おうと好きにしてください! ですがどうか、街の子供たちや民たちだけはお見逃しをぉぉぉ!」


ヴン……。


リンの視界インターフェースに、AIのスキャン通知がポップアップした。


【精神状態の分析:交渉相手は極度の恐怖により、真の意図を伝達できていません】

【HR翻訳モードを起動します……】

【真の要求の要約:生存条件および労働条件の提示を求めています】


リンは理解したように軽く頷いた。และ厚さ80gの上質紙で作られた書類バインダーを、参謀とエルフ将軍の目の前へと滑らせた。


「理解しました。それでは、雇用契約の明確な条件を確認しましょう」


リンは書類の一点を指差し、ビジネスライクなトーンで告げる。


「私が求めているのは『魔法回路設計および記述エンジニア(Magic Circuit Engineer)』200名の【商用雇用契約】です」


「え……ええっ!?」参謀は目をパチクリさせた。「こ、雇用……!? 奴隷として連行したり、生贄に捧げたりするのではないのですか……!?」


---


【常識を破壊するホワイト労働条件】


リンは自分が提示している条件が、この世界の常識を根本から破壊しているとはつゆ知らず、淡々と労働条件の説明を続けた。


「具体的な勤務条件は以下の通りです」


・勤務時間:08:30〜17:30(月曜日〜金曜日勤務)

(リン:週休二日制は基本中の基本です)


・勤務場所:室温24度に調整されたR&Dビル(個別の温度調節魔石完備)

(リン:R&Dビルに温度調整装置がないと作業効率が落ちますからね)


・福利厚生:社会保険完備、傷害保険、業績に応じた特別賞与ボーナス、および24時間利用可能なフリードリンク(お茶、コーヒー)とカップ麺コーナー完備。


・残業代(OT):時間外労働が発生した場合、通常時給の1.5倍を支給します。


---


【エルフ評議会の脳内ショート】


しーーーん……。


会議室内は先ほど以上に静まり返った。参謀は震える手で老眼鏡をかけ直すと、「福利厚生」の項目を何度も何度も読み返した!


「な……なんだこれは!? 週に二日も休みがあるのか!? 部屋に魔法の冷暖房が完備されていて……その上、規定時間を超えて働けば給料が1.5倍になるだと……!?」


参謀は顔を青ざめさせ、エルフ将軍を振り返った。


「将軍……我が森では、上級魔導士ですら結界維持のために14時間ぶっ通しで働かされ、休みもなく、評議会からは『名誉ある務め』という言葉しか貰えんというのに……!」


エルフ将軍は顎が外れんばかりに口を開ぐり、手に持った長剣をカタカタと震わせた。その瞳は驚愕と、猛烈な申し訳なさで満ちあふれていた……。


(俺……俺は、こんなホワイトな未来の雇い主に向かって、数千の兵で矢を射ち込ませていたのか……!?)


---


【交渉成立と、静かな退場】


リンは指先でメガネのフレームをクイと押し上げると、ジト目で周囲のエルフ幹部たちを見渡しながら尋ねた。


「何かご質問はありますか?」


しーーーん……。


誰も口を開く者はいない。息をすることすら忘れたかのように、幹部全員が口を開けたまま化石のように固まっている!


ピンポン……。AIのシステム音がリンの脳内に響く。


【すべての応募者が『みなし承諾』状態に入ったことを検知しました】


リンは静かに頷いた。「了解しました」


パタン!


リンは机の上で書類バインダーを閉じると、胸元に抱え直して立ち上がった。メガネ秘書服の乱れをサッと整えると、そのまま回れ右をして会議室を後にした。


後に残されたエルフの幹部、参謀、และ将軍は、ポカンと口を開けたまま、虚無の瞳でその場に呆然と立ち尽くすしかなかった——。


---


【おまけ:厳格なる規律処分】


ブワッ!


エルフの城門を出るやいなや、リンは事前通告なしで女神の『異空間』へと直接ゲートを繋いで乗り込んだ!


ソファの上であぐらをかき、お菓子を食べながら呑気にゲームをプレイしていた女神は、跳び上がらんばかりに驚いてコントローラーを取り落としそうになる!


「り……リンちゃん!? なんでここに来られるのよぉ!?」


リンは部屋の中央に仁王立ちし、右手には「固く丸められた分厚い雑誌」をまるで鉄パイプのように握りしめていた。冷徹なジト目の奥で、メガネをクイと押し上げる。


「先ほどの衣装の件です」


「た……タイムッ! まずは言い分を聞いて——」


バシィッ!


「ぎゃあぁぁぁぁっ!?」


バシィッ!


「リンちゃん! お尻叩くのは反則でしょぉぉっ!?」

女神は悲鳴を上げ、ソファの上に駆け上がって全力で逃走を図る!


バシィッ!


リンは規則正しい足取りで追いかけ、丸めた雑誌を容赦なく振り下ろした。


「これはお仕置きです」


神の威厳など微塵もなく、部屋中を泣き叫びながら逃げ惑う女神!


「お仕置きってレベルじゃないでしょぉぉぉ! 助けてぇぇぇ!」


リンは無表情のまま、一切の慈悲もなく雑誌を手に追い続けるのだった。


「処分です……どうか大人しくお仕置きを受けてください」


「誰がおとなしくお尻叩かれるかぁぁぁぁっ! たすけてぇぇぇぇっ!」


---

エルフ側のブラック労働環境と、リンちゃんのホワイト労働基準(+福利厚生)の温度差が炸裂した第31話でした!(笑)

そして調子に乗った駄女神様には、しっかりとお尻叩きのお仕置きが下されましたね!


少しでも楽しんでいただけましたら、ぜひページ下部の【ブックマーク登録】や【フォロー】、【評価(★★★★★)】で応援していただけると今後の大きな励みになります!


次回もお楽しみに! ✨

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