第25話:魔王城のリフォームと、スマートシティ構想の誕生
魔王城のジメジメした環境を打破するため、200IQの合理的思考が次に向かったのは……なんと『スマートシティ開発』!? 目立ちたがり屋の女神様も乱入し、大金のドタバタ劇が繰り広げられる第25話をお楽しみください!
ゴシック様式の薄暗さが残る魔王城の大広間。
白髪オッドアイの少女——魔王リンは、漆黒の玉座の上で脚を組み、湿気を含んだ天井を見上げていた。
*ぽたん…… ぽたん……* と水滴の落ちる音が静寂に響く。
彼女の脳裏に、先日異次元から訪ねてきた母親の言葉が蘇っていた。
「リンちゃん…… このお城、なんだか暗くて湿っぽいじゃない。メンタルヘルスに良くないわよ?」
母親の助言と、現在カップ麺および乾燥野菜ビジネスによって魔王領にもたらされている巨額の資金。ジト目のリンは顎に手を当て、頭脳を高速回転させた。
(……母様の言う通りです。現代の魔王領において、お化け屋敷のような湿気を放置しておくのは非合理的です。城、および周辺地域の都市計画を全面改修する時が来ました)
現在のリンが有する開発リソースは、まさに完璧の一言に尽きる。
* **労働力(Labor Force):** 圧倒的腕力を誇り、24時間年中無休で稼働可能な獣人族。
* **エンジニア(Engineers):** デジタルクラフトビール醸造機に引き寄せられ、一族ごと移住してきたドワーフ族。
* **資金(Capital):** カップ麺の爆売れと蓄えによる潤沢な資金。
* **チーフプランナー(Chief Planner):** スマホに宿る200IQの極めて優秀なAI。
リンはスマホを掲げ、淡々とした声で音声を呼びかけた。
「再生可能エネルギーを活用した、スマートシティ仕様の都市改修計画および建築設計図を出してください」
わずか0.5秒の処理。
画面には、近代的なデザイン、地下排水システム、魔導照明の配置まで計算し尽くされたハイテク都市計画図が表示された。ビールジョッキを片手に画面を覗き込んだドワーフの棟梁は、あまりの衝撃に目を丸くして固まった。
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### ** 目立ちたがり屋の女神と伝説の個人財庫**
一同が意気揚々と作業にかかろうとしたその時、大広間の空間が *シュイン!* と歪み、次元の扉が開いた。
中から飛び出してきたのは、例の調子乗りな女神であった。
「リンちゃん! 都市をリノベーションするって噂を聞いたわよ! 私の【光の女神の神殿】も建ててちょうだい!」
リンはジト目で女神を二秒間見つめた後、無感情な声で返答した。
「不要です」
「ええぇぇぇーーーーっ!?」
女神は絶叫し、その場で床に転がって駄々をこね始めた。
「建ててよ! 建ててちょうだいよぉ! 私、一応世界を守る女神なのよ!?」
「神殿が欲しいのでしたら、予算を出してください。資材費も人件費も、すべてお金がかかります」
「お金なんてないわよ! じゃあ……じゃあ、せめて私の銅像だけでも作って!」
リンは無表情のままスマホに問いかけた。
「AI、高さ20メートルの金ピカの像を作る場合、予算はいくらになりますか?」
> **AI:**『【概算予算:2,850,000ゴールドとなります】』
「却下です」リンは即答した。
「ぐ……じゃあ……5メートルなら!?」
> **AI:**『【650,000ゴールドとなります】』
「却下です」
「……50センチは?」
> **AI:**『【7,200ゴールドとなります】』
「却下です」
「……じゃあ壁に貼るイラストだけでも……」
「カラーインクが切れました」
「ひどいいぃぃぃぃぃぃっ!」
女神は床をバンバンと叩いて大泣きした。しかし、リンがまったく無関心な様子で銅像プロジェクトの画面を閉じようとしたその時、女神の「チヤホヤされたい欲」が限界を突破した!
彼女は慌てて最高神の個人資産ウィンドウを開き、莫大な金貨を魔王領の口座へ高速で送金したのである!
*ピコーン!*
> **AI:**『【システム通知:3,500,000ゴールドの送金が確認されました。魔王領の口座へ入金完了いたしました】』
リンはスマホの画面を見つめ、ジト目をほんの少しだけ動かした。
「……本当に振り込んできました。しかもチップ付きです。分かりました。約束通り、神殿と20メートルの金ピカ像を建設します」
女神様の「ちやほやされたい欲(承認欲求)」は本当に何物にも勝りますね! 20メートルの金ピカ像のためだけに、なんと個人財庫から350万ゴールドも叩き出すとは……! まんまと魔王リンに、魔王領の開発資金としてちゃっかり巻き上げられてしまいましたね!
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次回もお楽しみに!




