第22話:似非学者、(自称)盛大な式典、そして月収1000万円の福利厚生
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第22話は、ついにリンの「元の体の真相」が判明!?
ポンコツ女神へのファッション誌によるおしおきタイムと、月収1000万円という破格の福利厚生を備えた「完璧すぎるパートタイムスケジュール」のお話です!
ぜひお楽しみください!
人間界にあるリンの家のキッチンにて。
ポンコツ女神は、食器棚に組み込んだ次元基盤システムの調整に必死になっていた。現在の彼女は、厚底眼鏡に白い白衣をまとった「学者風コスプレ」姿。細い指を光速で動かし、ホログラムキーボードを叩き続けている。
「その衣装……プログラミングの効率、本当に上がるんですか?」
隣でコップを手にしたリンが、死んだ魚の目で尋ねる。
「もちろんでしょ! 学者スーツはIQを200%引き上げるんだから!」
女神がドヤ顔で眼鏡を持ち上げた直後、リンは指先でシステムウィンドウをサッと操作して確認した。
> **【衣装によるボーナス効果:0%】**
> **【理由:着用者の完全な思い込み】**
「効果ゼロじゃないですか」
「効果は心から出るものなのよ!」
女神は赤面して誤魔化したが、実際のところ、次元扉のコード以外にも彼女の頭の中は大混乱に陥っていた。……そう、今日こそはリンの元の体が完膚なきまでに破壊され、二度と普通の人間には戻せないという真相を「カミングアウト」すると決めた日なのだ!
*(いい?……セリフの構成はこんな感じよ!『リンちゃん聞いて……? 元の体は別に適当に処分したわけじゃないのよ! 私がちゃんと式典を執り行なって、最高神級の加護まで授けて盛大にお祝いしたんだから! それに今だって死んでないし、この魔王の体はSSR+クラスの超美少女で、胸もサイズアップして肌もピチピチ! 天才少女のリンちゃんにピッタリなんだから~! ね? 怒る要素なんてないでしょ……?』……オッケー! 持ち上げて褒めちぎる! これで私は助かる!)*
女神は心の中で完璧にシミュレーションを終えると、深呼吸をしてすべての罪を白状したのだった……。
◇◇◇
*——フッ!*
場面は一転し、異世界の魔王城大広間。
学者コスプレ姿の女神は、漆黒の石畳の上に「正座」で平伏していた。額は床に押し付けられ、眼鏡は鼻の頭に引っかかり、まるで濡れネズミのようにガタガタと震えている。
その目の前には、黒い玉座で脚を組んで座るリンの姿があった。……白銀の髪を輝かせ、オッズアイの瞳を鋭く光らせた魔王の姿。長くなった漆黒の爪が、肘掛けを*コン…… コン…… コン……*と一定の拍子で叩く音が、心臓に悪い響きを立てる。
告白を聞き終えたリンは、一言も発しなかった。ただ、人生で最も冷徹な「恐ろしい無表情」を浮かべ、死んだ魚の目で女神を睨みつけている。その威圧感は、大広間全体を寒気に包み込むほどだった。
「あの……リンちゃん? その……目を合わせましょ……?」
女神はチラリと視線を上げたものの、あまりの恐怖に耐えきれず、すぐに床の石畳へと目を逸らした。白衣は冷や汗でビショビショである。
リンはゆっくりと立ち上がると、手にしていたファッション誌を固く丸め、頑丈な紙筒を作り上げた……。
「キャァァァァァ! お母さま助けてぇぇぇ!」
リンが玉座から一歩踏み出した瞬間、女神は悲鳴を上げて四つんเฉい(よつんばい)で全力疾走した!
魔法の詠唱も、派手な光線もない! そこに繰り広げられたのは、魔王の肉体を持った女子高生が、紙筒を手にポンコツ上司を物理力だけで追い回す惨劇だった!
「ちょっと話を聞いてぇぇぇ!」
*——ビシィッ!*
「事故だったのよぉぉ!」
*——ビシィッ!*
「わざとじゃないのぉ!」
*——ビシィッ!*
「痛い! お尻がぁぁ!」
*——ビシィッ!*
お仕置きの追いかけっこは30分以上も続いた。宇宙破壊級のボスをも沈めた例のファッション誌は、ここでもGM女神を見事におとなしくさせたのだった。
◇◇◇
ファッション誌によるお仕置きタイムが終わった後、ポンコツ女神は罪滅ぼしのために人間界側の事態収拾へと取りかかった。
まずは病院側の処理である。女神は精神を集中させ、ベッドで寝たきりになっていた「クソ雑魚人形アバター」を奇跡的に意識回復させた。主治医は人間離れした回復速度に首をかしげていたが、無事に退院手続きを完了。こうして魔王姿のリン(人間フィルター適用済み)へと、人間界での生活権が完全に引き継がれたのである。
すべてを解決したその日の夕方、女神はリンの手を引いてリンの家の食卓へと上がり込んだ! 当然ながら「女神オーラ」を全力全開で発光させており、あまりの眩しさに隣の家の犬が吠え出すほどだった。
お母さんの手料理を口いっぱいに頬張りながら、女神は白衣を着て作成した「時間固定ポータル(Time-Anchor Portal)」のスケジュール表をホログラムで広げ、リンの両親に見せた。
「お父様、お母様! これが新学期からのリンちゃんの勤務スケジュールです!」
> **⏰ リンの日常スケジュール(登校モード)**
> * **08:00 - 16:00 :** 人間フィルターを着用し、普通に高校へ通学(死んだ魚の目で青春を満喫)。
> * **17:00 :** 放課後・帰宅後、家の裏の扉をくぐって魔王城へ出勤。
> * **特殊時間同期(Time-Sync)システム :** 人間界から扉をくぐると、異世界側は朝の08:00(昼間)にセットされる。また、異世界で夕方17:00までに帰れば、人間界の時間も「17:00」のまま固定!
> * **休息時間 :** パート勤務終了後、人間界の自分のベッドで寝るのも、魔王城の超豪華な羽毛ベッドで寝るのも自由。人間界に戻ってくる時間は常に17:00!
>
>
お父さんは眼鏡をかけ直し、スケジュールと記載された報酬額をじっと見つめた。その瞳に、資本主義への強い感銘が宿る。
「おお……ということは、娘は昼間に普通に学校へ行き、放課後にドアをくぐるだけで仕事ができて、人間界での生活時間を一秒たりとも無駄にしない。しかも帰ってくれば、こうして家族と一緒に夕飯を食べて寝られるということですね!?」
「その通りですお父様! 完全なるウィンウィンの関係です!」
「しかもリンの口座に直接振り込まれる給与は……手取りで【月収1000万円】……非課税ですか!?」
「ええ! 世界を救う魔王様の福利厚生ですから、これくらい朝飯前です!」
お父さんは即座にリンに向き直り、両手の親指を立てて100%の賛同を示した。
「リン! 父さんはこのお仕事を100%支持するぞ! 月収1000万円で人生の時間も削られないなんて、こんな優良物件、一生探しても見つからん! 魔王の仕事を全力で頑張るんだ! お母さんに毎日特製カレーの弁当を作ってもらうからな!」
魔王の姿のまま無表情でご飯を食べていたリンは、すっかりお金に目がくらんだ父親を見つめながら、心の中でつぶやいた。
*(……まあ、これだけの福利厚生があって、毎月1000万円が口座に振り込まれて、マンガを読む暇もたっぷりあって、この体なら病気にもならないなら……元の体が粉砕・消失したことくらい、もうどうでもいいですかね。このポンコツ女神と同じ船に乗ってしまったと諦めましょう)*
こうして、女子高生とパートタイム魔王を兼任するリンの波乱に満ちた新学期が、明日からいよいよ正式にスタートするのだった!
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最後までお読みいただきありがとうございました!
今回の教訓:学者スーツはIQを上げないし、ファッション誌はやっぱり最強の武器でした(笑)。
そして月収1000万円の破格すぎる福利厚生により、お父さんからも無事に(?)認可が下りたリンちゃん。
次回からは、いよいよ人間界での新学期スタート!
異世界側では『エアコン(?)』の開発プロジェクトが動き出します!
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次回もお楽しみに!




