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第17話:魔王の秘密と、二十一歳のレオン

いつもお読みいただきありがとうございます!

第17話をお届けします。


今回は魔王リンの驚愕の(?)秘密の発覚と、レオン視点のお話です。

お楽しみいただければ幸いです!

賑やかな宴の席。酒の香りとご馳走の匂いが漂い、あちこちから楽しげな笑い声が響いていた。

酒杯を何杯も空け、すっかり上機嫌になった魔族の頭領・ガスカールが、ふと大声で声を張り上げた。


「ハッハッハ! 酒も美味けりゃ飯も美味い! ……ところで、魔王様の父上と母上はどうして普通の人間なんですごさいますかね?」


それを聞いたリンは、手にしていた茶杯を「コトン」と静かに置いた。

そして、死んだ魚のような冷ややかなジト目でガスカールをじっと見つめると、まるで今日の天気でも話すかのような淡々とした口調で言い放つ。


「私、人間だし」


「……へ?」


カチャン! と酒杯が手から落ちる音が響く。

ガスカールをはじめ、その場にいた魔族や部下たちは目を丸くしてフリーズした。静寂が場を包み込む。


リンは隠す様子もなくあっさりとネタばらしを始めた。自分は一度死んだ身であり、女神に雇われて彼女の分身に乗り移り、魔王役を引き受けたのだと。隣に座る女神も満足そうにコクコクと頷いている。


「と、いうことは……今の魔王様のお体は、女神様の分身ということでございますか?」

ガスカールが引きつった声で尋ねる。


すると女神はぶんぶんと首を振り、困ったような顔で説明を付け加えた。

「それが……ちょっと違うのよね! リンちゃんが乗り移った後、ただの分身スキルが『女神の分身スキル』にグレードアップしちゃって……」


説明している当の女神自身が混乱し始め、頭をかきむしる。

「まあ要するに! 今のリンちゃんと私はほぼ同一人物で、意識だけが別々なの! それにね……私が死なない限りリンちゃんも死なないし、リンちゃんが死なない限り私も死なないのよ! だからお父様、お母様、リンちゃんは絶対に安全ですから安心してくださいね!」


その規格外すぎる裏事情を聞かされたガスカールと部下たちは、顔を見合わせた後、割れんばかりの大歓声を上げた。

「不死身! 俺たちの魔王様は不死身だーっ!」


◇◇◇


レオンが二十一歳だった頃——。


当時、彼はパーティの仲間たちと共に最高ランクである「Sランク」へと上り詰めていた。

世界で最も過酷と称されるダンジョンへと挑み、古代の魔物どもを退けながら深部へと突き進むこと数日。ついに最下層に位置するボス部屋の巨大な扉の前に辿り着いていた。


万全の準備を整え、呼吸を整える。扉が重々しい音を立てて開くと、レオンは鋭い号令とともに先陣を切った。ロイたち仲間も寸分の狂いもない連携でそれに続く。

階層主との戦闘は苛烈を極め、洞窟全体を揺らすほどの激闘が繰り広げられた。


一瞬の隙を見逃さなかったレオンは、剣に莫大なオーラを収束させ、眩い光を放つ。

そして、光速の連撃を一閃させた。


【極光・九連閃オーロラ・ナインフォールド・フラッシュ


九条の光の刃がボスの巨躯を微塵に切り刻み、一瞬にして灰へと変え、激闘の幕を閉じた。


◇◇◇


しかし、時を同じくして——人間の住む大都市にて。


警鐘の音が大気を揺らし、地鳴りのように鳴り響いていた。

悲鳴と混乱が街の至る所に満ちあふれる。

城壁を打ち破り、数十万もの狂乱した魔物の群れが、溢れ出す津波となって街へと押し寄せていた。

ここまでお読みいただきありがとうございました!


あっさりと明かされた魔王の不死身の秘密(笑)と、緊迫する人間の街の大ピンチ!

21歳のレオンはこの状況をどう乗り切るのか……!?


少しでも「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、

ページ下部の【ブックマーク登録】や【評価(★★★★★)】をいただけますと、執筆の大きな大きな励みになります!


次回もどうぞお楽しみに!

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