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呪華ノ鎖  作者: 雪ねこ
第四章
142/154

長い説教のあとで

テーブルの上に、思わず突っ伏していた。


あの後もぐだぐだと、クローディアスの長い説教をくらっていたのだ。


疲れた。

自業自得なのは分かっている。

それでも、本当に疲れた。


「あの時だってレイン様は無茶をして」

「動く前に必ず相談してくださいと何度言ったら分かるんですか」

「護衛の意味を知っていますか?」


もっともな正論ばかりが浴びせられ、逃げ道が無いままひたすらに聞いていた。


ひたすらに「はい……」「はい……」と返事を繰り返すだけ。

姿勢を正し、膝の上で拳を握りながら。


洒落にならない悪戯をしでかした子どものように。


ただただ説教を受ける時間だった。


ノクスはその様子を眺めながらクッキーを口に運び、セレナも相変わらず紅茶を飲んで素知らぬ顔をしていた。


クッキーを齧る音。

紅茶を口に含む音。

そしてティアの静かな寝息。


そんな静かな空間に、ひたすら続く俺の情けない返事と、クローディアスの説教の声だけが響いていた。


俺が少しでも上の空になりそうな気配を感じ取れば、さらに説教に熱が入り、説教の時間が長引く。

ほんの一瞬でも視線を逸らしたり、意識が別のことに向いたりすることも許してくれない。


そんなことを繰り返した結果。

今に至っていた。


「いや~……、本気で怒った黒犬くんってこんななるんだぁ……。こっわぁ」


さくりとクッキーをまたひとくち齧りながら、ノクスが呟いた。

そのまま皿の上からもうひとつ摘み上げると、俺の口元へと差し出してきた。


「食べる?」


「……ん」


拒むこともせず、そのまま口を開いた。

口の中にクッキーが押し込まれると同時に甘い味が口の中に広がり、少しだけ疲れが緩んだ気がした。


そんな俺の様子を見て、ノクスの目が細められた気がした。


「……落ち着いたところで、話を戻してもいいですか?」


「あぁ。ルーとなにを話していたか、だったよな」


セレナの問い掛けに顔を上げて、座り直した。


クローディアスの説教が途中で割り込んだお陰で、すっかり話が逸れてしまった。

そういえば夜中にこの部屋にノワールを招き入れて、なにを話していたのか問われていたところだったと思い出す。


俺は静かに、あの夜ノワールとどんな会話を交わしたのかを、三人に説明した。

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