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【最終話】銀の誓い、愛の鐘が鳴る日
光が溢れる大聖堂。
天井から差す聖光は、まるで祝福そのもののように私たちを包んでいた。
金色に縁取られた長いバージンロードを歩きながら、胸の奥が熱くなる。
十四歳で王宮に入り、王子妃教育に追われた日々。
迷い、戸惑い、逃げようとしたこともあったけれど――
今、隣に立つ人を愛している。
アイキムがそっと私の指へ指輪をはめる。
蒼い宝石が光を反射し、微かに震えた。
「リディア。
君を守り、愛し、共に歩むことを誓う。」
いつだって静かに、優しい声で私を包んだ人。
胸が甘く痺れる。
「……誓います。
あなたと、これからの未来を。」
指先が触れ合うだけで、
世界が泣き出しそうなほど幸せになる。
「誓いのキスを――」
アイキムの手が私の頬へ。
そっと触れ、見つめ合い…
……やわらかく唇が重なる。
世界が、光で満ちた。
教会の鐘が鳴る。
幸せを告げる、祝福の音。
大聖堂に響く鐘の音は、
世界の“祝福”そのものだった。
アイキムが繋いでくれた手に
私は、ギュッと握り返す。
―これが、私の選んだ幸せ。




