作戦名:恋の一点突破《Operation T》
祝勝会が明けた翌朝、
王国騎士団の訓練場に全力疾走で駆け込んだ青年がいた。
――勇者タロウである。
「伯爵家のルクレツィア嬢に……
お茶デートのお誘いが成功しました!
でも、ここからどうすればいいのか……!」
息を切らしながらの告白に、訓練中の騎士たちが一斉に動きを止める。
まるで戦場の緊張が戻ったような静寂。
だが――騎士団長アルケイドが立ち上がった。
「……話せ。恋は戦場だ。」
そこから空気が一変する。
「まずは花束だ、男なら花束だ!」
「毎朝届けろ!」
「字が震えていたら誠実さの証!」
「“努力する男”は強い!」
タロウが恐る恐る提案する。
「……デートまでのカウントダウン数字をメッセージカードに入れようかと……」
数秒間――沈黙。
そして訓練場が爆発した。
\\ 天才かよ!! //
「宝石を贈れ!瞳の色の宝石だ!」
「手紙もいい!本音さえ書ければそれで武器になる!」
「ドレスを贈るんだ!小物も忘れるなよ!!」
副隊長は伯爵邸への地図を開き、赤線でルートを引き始めた。
「その道を行け。迷うな。俺たちは安全確認のため尾行する」
“共に戦った戦友として、勇者の恋を支える”
ただ、それだけの話だった。
タロウは深く息を吸い、騎士たちを見渡す。
「魔王を倒せたのは……
ここにいる皆さんの力があったからです。
だから今度は――
“勇者”ではなく、
俺自身として誰かの幸せを守りたいんです」
その言葉に、誰もが剣を掲げた。
\\ 作戦開始!! //
朝日を背に、王国騎士団は動き始めた。
“勇者ではないタロウ”の未来を、
戦友として――本気で後押しするために。




