世界は続き、加護が舞い降りた
世界は――まだ続いていた。
目覚めた瞬間、
胸の奥からその実感がこみ上げる。
(よかった……ほんとうに……。)
だが――次の瞬間。
「……いやぁああああ!!!
私、召される寸前だった!!」
ベッドの上でリディアは跳ねた。
しかし体力はまだ戻らず、
すぐにふらりと倒れ込む。
「セーフ……セーーーーフ!!
死んでたら2柱にノリで3周目させられてたかもしれない……!」
思い出しただけで背筋が寒くなる。
あの二柱は神か、精霊か……
分類すら出来ない存在だった。
(怖い……笑顔で人を異世界に追加召喚しそう……)
ため息をついたその時――
ふっと、頭の中に言葉が浮かんだ。
【神と精霊の愛し子】
――称号を獲得しました。
「……称号!?
え、ちょ、何それ!?
ステータス画面ある系ですか!?」
慌ててキョロキョロするが、
天井はただの天井。
異世界だからといってRPG式UIが
飛び出すことは、さすがにない。
(でも……さっきの二柱……
“祝福を贈る”って、言ってたな……)
胸の奥に、
ほんの少しだけ温かい気配が宿るのを感じた。
それは魔力とも違う。
虚無を満たすような穏やかな力。
(……たぶん、気合いも増えたはず。)
くすりと笑ったその時――
「……リディア!」
扉が開き、
駆け込む足音が響いた。
「タロウくん……?」
振り返ると、
少し涙をにじませたタロウが立っていた。
「ほんとに……
ほんとに、目が覚めたんだな!」
リディアは
ほんの少しだけ照れながら、
ゆっくりと笑った。
「うん。
世界は、まだ続いてます。」




