白き空間、祝福の声
意識の底――
どこまでも白く、静かな場所に
リディアは立っていた。
空もなく、地面もない。
境界のない白の世界。
けれど、そこは不思議と怖くなかった。
(……ここは、どこ?
私は……まだ、生きている?)
ふいに――眩しい光が現れた。
“目が痛くなるほど輝く二柱の光。”
輪郭は人のようで、
けれどまったく人には見えない。
その二柱は、やけに気さくに話しかけてきた。
「いやー、まさか魔王倒しちゃうなんてね!!」
「ほんとほんと!
この子、どうすんだ?魂どこへ送る?」
リディアは戸惑いながら、静かに尋ねた。
「あの……
もしかして……召されちゃいました?」
一瞬。
空気が凍った。
“ごくり……”
……という音すら聞こえた。
そして――
二柱が同時に、満面の声で叫んだ。
「「生きてまーす!!!」」
「……ほっ。」
「いやあ、君すごかったよ!!
びっくりした!
あれはもう奇跡よ?」
「祈る気持ちと気合い、あの二つがあれば魔法なんて軽く超えるんだよねー!!気持ちよかったわぁ!!」
光の柱が軽く拍手する。
そのまま畳みかけてくる。
「祝福ね、祝福!
君には今後の人生、いい加護つけてあげるよ!」
「いやーおめでとう!!」
リディアは少し遠慮がちに手をあげた。
「……えっと……
私、天寿を全うしたい派なんですけど」
すると――
なぜか更にテンションが上がる光の柱。
「3周目いく???」
「いや、いやいやいや!!」
リディアは即否定した。
「いやもぅほんと充分です!!
今の人生を、ちゃんと生きたいです!」
二柱はあっけらかんと笑った。
「おっけー!
時間切れ、そろそろ戻ろっか!!」
「じゃあねー!
次、願う時はもっと派手に祈って!
遠慮なく送信していいからねー!!」
――ポンッ
光が弾けた。
⸻
そして――
意識が浮上する感覚がして目が覚める。
白い天井と柔らかな陽光が
目に映った。
世界は――まだ続いていた。




