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ヒロインの代わりに魔王討伐しちゃったわ  作者: ChaCha


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39/81

光が拓く、魔へ至る道

夜明け。

空はまだ薄く青く、

静寂の中に血の匂いだけが残っていた。


リディアと魔術師団は隊の中央。

その周囲を――

騎士団が円を描くように固めていた。


「これより――

 “一点突破作戦”を開始する!」


アルケイド団長の号令が響く。

タロウは先陣、

ヒキャルとシンはリディアの護衛として立つ。


そして――


「リディア殿、始めよ!」

「……はい。」


リディアは杖を大地に叩きつけた。

ドンッ――ッ!


地面が揺れ、

無数の光の筋が走る。


――術式展開開始。


円の中心から、巨大な魔法陣が広がった。

一つ、また一つ――

幾層にも重なる円が大地を覆い、

まるで世界そのものを染め上げる。


〈聖魔法:加護の大環 〉

〈精霊魔法:精霊よ道を示せ 〉


杖を振るたび、

光と風が混ざり、

道が――現れた。


「――行け、タロウ!」


光で形づくられた道が、虹色に輝き

魔王城の方角へ

ひと筋に伸びていく。


その瞬間――

魔物の咆哮が響いた。


「ギィィアアアアアッ!」


森から無数の影が迫る。

殺気は濁流のように襲いかかってきた。


しかし――騎士たちの剣が一斉に抜かれた。


「リディア殿を――護れ!!」

「前衛、突撃せよッ!」


剣がぶつかる音。

風が切れる音。

血の匂い。



リディアは魔力を注ぎ込みながら、

静かに、祈るように呟く。


「どうか……

 皆さんが生きて帰れますように……」


杖を掲げる。


――第二詠唱、開始。

〈聖域展開:祈りの翼〉


光が爆ぜた。

それはもう魔法ではなく、

“祈り”そのものだった。


無数の魔物がバリアに弾かれ、

騎士たちと魔術師団が前進を後押しする。


(……なんて光だ。

 この人を――護らねばならない。)


(絶対に、傷つけません。

 誰ひとり――近づけさせません。)


指し示される光の道へタロウは足を前にだす

「俺が――!」


タロウの足元から風の魔法が爆発。

瞬時に加速し――

光の道を駆け抜けてゆく。


勇者タロウ、先陣突破。

その姿は、

希望そのものだった。


リディア

(……頼んだよ。タロウくん。)


光の道はすでに――

魔王城へ直結していた。


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