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ヒロインの代わりに魔王討伐しちゃったわ  作者: ChaCha


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37/81

一点突破、魔王までの道

前線基地の作戦室。

騎士団長アルケイド、魔術師団長セバスチャン、

さらに各部隊の隊長たちが地図を囲む。


黙っていても、空気は重かった。

魔物の数は想定より多く、

前線部隊すら壊滅寸前まで追い詰められた。


「魔王アクロンへ辿り着く前に、

 兵が尽きてしまう。」


「魔物の群れは“増え続ける”。

 正面からの突破は不可能。」



誰もが頭を抱えていた。

しかし――

地図の北端、魔王城の一点を指しながら

セバスチャンが低く言う。


「だが、狙うべきは

 “魔王アクロンただ一人”だ。

 その核を討つことができれば、

 魔物の暴走も止まる。」


「……つまり、

 “魔王に辿り着く道”をつくれれば良いわけだな?」


議論の方向が変わった。

全ての魔物と戦う必要はない。

戦うのではなく――

“通り抜けるための道”を確保する。


その中心に立つべき者が決まる。


「――リディア。

  お前の聖魔法と精霊魔法、

 魔術師団の力を合わせれば――

 広域バリアとして展開できるはずだ。」


魔術師団長の言葉に

部屋の誰もが息を呑む。


リディアは迷いなく首を縦に振った。


全員がリディアを見る。

彼女は静かにうなずいたのち、口を開いた。


「バリア展開にほとんどの魔力を使うことになります。

 その間、前線に立つ騎士の皆様へ補助魔法や治癒魔法を施す余力がなくなります。

 ……それが一番、怖いです。

 共に戦う皆さんの命を守れなくなるかもしれない。

 だからこそ――

 みんなが生きて帰れる方法を考えたいのです。」


その言葉に、作戦室は静まり返った。

自分の役割と責任を理解しながら――

“誰かの命”を最優先に願う声。

それは、幼くして使命を背負った者だけが持つ強さだった。


セバスチャンは深く息を吐き、

地図の中央を指した。


「……だからこそ、護衛の配置が重要だ。

 魔術師団とリディアを中心に、

 円陣を組む。

 道は一つ――

魔王城へ向かう一本道のみ。」


アルケイド団長が剣を構える。


「――リディア殿が“道”を作る。

 我々騎士団はその“盾”となる!」


「第一隊、先頭左翼に配置!」

「第二隊、右翼から防衛!」

「第三隊、後衛補填!」

「ヒキャル、お前は直属護衛だ!」

「侍従シン、補佐として前衛へ!」


セバスチャンが続けた。


「タロウ。

 突破の刃となるのは――君だ。」


タロウは剣を握りしめ、

深くうなずいた。


「一気に……道をこじ開けるんですね。」


「そうだ。

 道を作るのは“一度きり”だ。

 この突破で――決まる。」


誰も迷ってはいなかった。

この方法しか、生きて帰る道はない。


――一点突破。

魔王アクロンのみを討つ。

作戦はついに定められた。

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