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彼の愛が重すぎる  作者: 只野優子
9/10

苦手意識

突然抱きしめられパニックになった優子は…

”どん!”


抱き締められ咄嗟に突き飛ばしてしまった。一瞬驚いた顔をした彼は直ぐに真剣な表情で深々と頭を下げて謝罪した。今と違い当時はスキンシップなんてしない時代だったのだ。それに私は男性に対し不信感を持っていた。それは私の学生時代受けた誹謗中傷が心の傷になっている。


「申し訳ない。こういった行為(スキンシップ)は日本人は慣れていないのですね… もう許可なく触れませんので許していただけませんか」


必死に謝罪する彼に過剰反応した事を少し反省し、謝罪を受け入れまだお試し期間なのだから適切な距離を持って欲しいとお願いした。

そして少し気まずくなっている所に給仕の女性が次の料理を運んできた。深呼吸し心を落ち着けせ、彼に食事を勧め私も食べ始める。さすが高級ホテルに入っている料亭だけある。どの料理も平凡な私の舌でも繊細な味付けだと分かった。


『この蕪蒸し出汁が効いててほっこりする』


そう思いながら黙々と料理を味わっていると、やっと穏やかな表情になった彼が


「私の見当違いかもしれませんが、優子さんは男性が苦手ですか?」

「!」


確信を突かれドキッとし表情を上手く作れない。そう彼の言う通り私は男の人に苦手意識がある。

その理由は自分の容姿に自信がないからだ。今は努力(ダイエット)し標準体型に近いが幼少期から肥満児で、学生の頃は”ブタ!”や”デブ!”と言われ男子に揶揄われた。それでも父に鍛えられ打たれ強かった事と、友人に恵まれ不登校やぐれる事無くきた。そんな中で育った私は男性は自分を非難するモノなのだと刷り込んでしまい、悪意のない男性に対しても身構えてしまう様になった。

しかし高校生になり周りの女子が彼氏ができ始め、自分も人なりに恋愛してみたくなり、自転車で通っていた高校を(自転車の)倍の時間をかけて歩いて3年間登校し、見事25㎏のダイエットに成功。標準体型になって自信を手に入れ社会人となった訳だ。


『しかし理想の体を手に入れても、そう簡単に性格は変わらないのよね…』


22年間培った捻くれた性格は簡単に治らず、職場の男性とも最低限しか会話せず無口な子で通っている。一応同僚や友人がコンパに誘ってくれ参加はしている。偶に男性から連絡先等聞かれるが上手く応える事ができず、恋愛のスタートラインにすら立てていない。

そんな私が彼の様な男性に太刀打ち出来る訳がない。彼の質問に答える事ができず、これまでの自分を思い返していたら


「すみません。この質問も不快でしたか…」

「いえ…そんな事は… クリストファーさんの仰る通りです。男性恐怖症まではいきませんが、親しい間柄で無いと苦手意識が強くて…」


そう言い何故そうなったか話し出した。これについては親しくなった友人にしか話した事が無いのに、なぜか彼には無意識に心の傷を語ってしまった。彼は真面目な表情で相槌し口を挟まず最後まで聞いてくれた。その相槌がとても心地よく自分の心の内を話してしまう。そして


「3年間頑張ってやっと標準体型になり、自分に自信を持てると思ったんですがね、心はダイエットできなかったようです」


そう言い少しお道化てみた。すると彼は身を乗り出し…

お読みいただき、ありがとうございます。

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