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彼の愛が重すぎる  作者: 只野優子
10/10

優しい手

心の傷を語った優子にクリストファーの反応は…

「貴女は心無い者の言動で傷付いたのですね…」


そう言い手を伸ばしテーブルの上に置いた私の手に重ねようとした。しかし彼は先程の事を思い出した様で伸ばした手を止め温かい眼差しで


「今私は貴女の心に寄り添いたい…」


そう言い手に触れる許可を得る。少し悩んだが無意識に頷いてしまった私。すると彼は小さい声で”ありがとう”と言い、彼の大きな手で私の手を覆った。彼の手の平から心地いい温かさを感じる。そして先ほど突き飛ばした事を思い出し


「先ほどは(突き飛ばして)ごめんなさい」


素直に謝ると彼は破顔し気にしない様に言ってくれる。

先ほどの気まずい部屋の空気は払拭され、私の緊張もほぐれて来た。そして彼は手を握ったまま、容姿で人を判断する日本の社会は良くないと語る。

今の時代だと外見至上主義(ルッキズム)を議論されるようになったが、私の若い時は男尊女卑や差別意識も大きい時代だった。個性的な者(変わり者)や容姿に自身の無い子はいじめの標的になる時代で、辛い思いをした人も多かったと思う。


「きっと私は学生の頃の貴女に出会っても、直ぐに恋に落ちでしょう」

「ありがとうございます。お世辞でも嬉しい。でも本当に痩せる前は子熊の様にまん丸だったんですよ」

「きっとその頃の貴女は今以上に愛らしかったのでしょうね」


きっと気を引きたいからお世辞を言っているのだろう。頭で分かっていても少し嬉しい。そう思っていたらある事が頭を過る


『今はリバウンドしない様に頑張っているけど、もし本当に…結婚したとして気が緩んで太ってしまったら…』


そう思うと彼を受け入れる事が怖くなってくる。セレブの彼の妻になると社交的?な事が多くなるだろう。そんな彼の妻の容姿が…だと彼が陰口を言われ笑われるかもしれない。そう思うと思わず彼の手から逃れ、苦笑いで誤魔化し食事を再開した。そしてまた部屋の空気が微妙になる。彼は私の考えを察した様でそれ以上は踏み込んで来ない。

今日はこれ以上は踏み込んで欲しくなくて、デザートの抹茶アイスを急いで食べて帰ろうとした。

すると彼は例の携帯電話でどこかに連絡し、立ち上がり私の横に来て手を差し伸べお店を出た。


あれから彼は何も言わない。もしかしたらトラウマを抱えた私に呆れたのかもしれない。きっと全て完璧な彼には私の思いは理解できないだろう。それに見限られるなら早い方が傷か浅くていい。今日でこの縁が終わり悩みが無くなると思うと安堵と寂しさが自分の中で綱引きを始めた。そして考える事に疲れ無理やり結論を出す。


『やっぱり私には恋愛は未だ早いのかもしれない』


そんな事を考えていたらEVホールに着いた。そして到着したEVに乗り込むと彼は無言で地下3階のボタンを押した。


『⁈』


確か地下3階は地下駐車場だ。もしかして車で家まで送ろうとしているの?

お読みいただき、ありがとうございます。

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