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Drive us crazy  作者: 神代 鶫
「始まりの物語」
8/60

安心安全セキュリティ対策ばっちりです

所々、訂正しています。改めて、勢いで書くって危険。



 ファタモルガナがいなくなればゆっくり寝れる。そう判断したエクレールは、嬉しそうにエスメラルダに協力を促した。とりあえず、話を聞くことにし、ソニアの案内で、宮殿へと向かう。宮殿に近づくほど、ファタモルガナの気配は遠のいていくため、エクレールは嬉しそうにおやすみなさいといい、エスメラルダの中に戻っていった。


「それにしても、幻獣だったなんて……。人と全然変わらないから、言われないとわからないわ」

「エクレールもそのつもりで人の姿になってるから、簡単には見抜けないですよ」


 門の前でベルを鳴らすと門が開き、石像が会釈をした。扉が開き、キャラメルが駆け寄ってくる。


「あや、ヴェロニカさんとソニアさん。こんにちは」

「こんにちは。モニカさんはいらっしゃいますか? こちら、エスメラルダさんです。ぜひ、会っていただきたいのですが」

「はい、こちらへどうぞ」


 キャラメルの案内で客間に通される。お好きなところにお座りくださいといい、キャラメルはモニカを呼びに部屋を後にした。椅子に座り、息を吐いたエスメラルダは、ここに初めて来た時のダリアと同じようなことを思っていた。


(ここ、王族が住む場所じゃない……? ヴァルキュリアって実は凄い偉いの……? それにあの石像、どういう仕組みになっているんだろう?)


 そんなことを考えているであろうと分かっているヴェロニカが、短く笑う。


「ここの主、モニカ博士は絶大なる信頼を得てるのよ。だから、ここを与えられたの。モニカ博士が近くにいれば、ファタモルガナから守ってもらえるし」


 引っかかるヴェロニカの発言を、ソニアは涼しい顔をして聞き流す。エスメラルダはそれを聞いて確信した。


「この一帯にファタモルガナが近寄らない理由ってそれですか?」


 今いるこの宮殿の下の方から地を這う様に伸びる不思議な力。恐らく魔法科学の力が、宮殿と城を守っているのだろう。エスメラルダはソレを感知できていた。


「ええ。セキュリティ対策はばっちりとおっしゃってました。ただ、街全体を守るまでには到達していないそうです」

「だからこその、ヴァルキュリアじゃ」


 モニカが客間へとやって来た。エスメラルダに挨拶をしてから椅子に座る。


「モニカさん。彼女はエスメラルダさんです。ファタモルガナを見ることが出来ます」

「なんと!」


 驚きのあまりに、椅子から転げ落ちそうになったモニカをキャラメルが慌てて受け止めた。


「だ、大丈夫ですか?」

「う、うむ。少し驚いただけじゃ……。こんな短期間で、ファタモルガナを見ることが出来る者に出会えるとは……」


 エスメラルダは見える理由を説明する。モニカはそれを聞き、なるほどと言いながら考えこんでいた。


「幻獣とファタモルガナが近い存在ということか……? いや、しかし……契約武器で幻獣は捉えられぬが……」

「あの、ファタモルガナについてもう少し詳しく教えてもらえますか?」


 モニカはファタモルガナについて説明する。それを聞くエスメラルダの眉間に皺が寄り、椅子の背もたれに寄り掛かるように引いていった。しかし、話を聞いて分かったことがある。


「恐らくですけど、幻獣は光翼人こうよくじんと同等の存在と言われてます。だからではないでしょうか?」

「なるほど、一理あるな。だが、契約している人に影響を及ぼすとは……幻獣というものは面白い」


 後で少し調べてみることにしたモニカは、両肘をテーブルにつくと顔の前で手を組む。

 

「――さて、もう1つの本題にはいるとするかの。ヴェロニカ。自警団の話はソニアから聞いたな? 次の議会で自警団がどうなるか決まる。まあ、ほぼ決定しているが、我々、ヴァルキュリアが自警団の代わりを務める方向じゃ」

「モニカさん」


 決定していないことを喋るなと、ソニアに睨まれたモニカだが、悪びれることはなく話を続けた。


「して、どうする? ヴァルキュリアに加わるか、街を追い出されるか」

「え? 追い出されるって……」

「モニカさん? いい加減にしないと、怒りますよ?」

「おお、怖いのう……。ヴェロニカは口が堅い。喋っても問題なかろう?」


 深々とため息をつくソニアの隣で、呆然としていたヴェロニカだったが、頭をかきむしると、背もたれに寄り掛かった。


「そう。そういうことか……。まあ確かに、あいつらが街に居座るのは色々困るわよねぇ……。んー……分かったわ。ヴァルキュリアに入る。街を守れるなら構わないわ」

「おお、そうか。ならばさっそく、武器と契約してもらうとするかの」


 モニカは嬉しそうに、ヴェロニカを地下へと連れていく。その後をついていくソニアの眉間には皺が寄ったままだった。


「あ、あの、ソニアさん。大丈夫ですか?」

「――ええ。ヴェロニカのためにはその方がいいでしょうし……説得出来ると断言していたから連れてきましたが、まさかそう来るとは……」

「でも、街から追い出すって……どうやってやるつもりなんですか?」


 エスメラルダの問いに、ソニアはにっこり微笑んだ。


「話せば、分かってくれますよ?」

「……そうですね」


 目が、笑っていない。それを後ろから見たキャラメルは、怖いですとガタガタ震えるのだった――――。


「幻獣」

 光翼人と同等の存在。神に等しい。基本的には人に友好的だが、エクレールのような幻獣は珍しいタイプ。エスメラルダが召喚し、契約をしているため、彼女のことをマスターと呼んでいます。



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